本日のNY為替市場のドル円は、トランプ米大統領演説への失望感から、有事のドル買いと原油価格上昇による円売り圧力が再開しつつある中、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒していく展開となる。
トランプ米大統領の国民向け演説では、イランでの戦争は完了に非常に近いと述べつつも、今後2-3週間以内に新たな攻撃を実施する計画があると明らかにした。
イスラエルは、トランプ米大統領が軍事作戦について演説した直後に、イランがイスラエルに向けてミサイルを発射したと発表しており、戦争の早期終結への兆しは見受けられない。
米国の平均ガソリン価格は1ガロン(3.78リットル)当たり4ドルを超え、世論調査では、トランプ大統領の支持率は33%を記録し、過去最低に落ち込んだ。
米政界ではガソリン価格1ガロン=4ドルは、政権・与党の選挙敗北に直結する「禁断の4ドル」と呼ばれ、支持率35%は失敗した大統領を規定する暗黙の基準線と評価される。
すなわち、11月の中間選挙でのトランプ米政権の敗北の可能性が高まりつつあるため、イラン戦線からの撤退が喫緊の課題となっている。
市場は、早期の戦争終結宣言を期待していたことで、巻き戻しのドル買い、原油買い、株売りで反応しており、明日グッドフライデーを控えるニューヨーク市場に向けても、リスク回避の動きが継続することが見込まれている。
また、封鎖されているホルムズ海峡の開放に関しては、中東の石油供給に依存する同盟国・地域に対して、海峡を自ら確保するように促しており、原油価格が上昇基調に戻る可能性が高まりつつある。
トランプ米大統領によるイランでの軍事作戦に関しては、48時間、5日間、10日間、そして今回の2-3週間と先延ばしが続いており、「出口戦略」なき迷走となっているが、今後の課題は、噂されているような米軍の弾薬枯渇が現実味を帯びてくる可能性となる。
ケイン米統合参謀本部議長は、イラン空爆を前に、「弾薬備蓄が枯渇している」と警告していたと報じられ、米コンサルタント会社「ユーラシア・グループ」のイアン・ブレマー氏は、8週間程度で米国の弾薬備蓄が枯渇すると警鐘を鳴らしていた。
本日は、3月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)、2月米貿易収支(予想:610億ドルの赤字)、前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.2万件/183.6万人)などが発表される。
明日発表される3月米雇用統計に向けて、雇用関連指標には注目しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、160.46円(3/30高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、158.00円(日足一目均衡表・基準線)
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
