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ドル/円の4月見通し 「イラン停戦期待でも円高余地は限定的」

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ドル/円の4月見通し 「イラン停戦期待でも円高余地は限定的」

執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田卓也

 

ドル/円 の基調と予想レンジ

基調
底堅い

予想レンジ
156.000~162.000円

ドル/円3月の推移

3月のドル/円相場は155.936~160.466円のレンジで推移し、月間の終値ベースで約1.7%上昇した(ドル高・円安)。2月28日(土)にイスラエルと米国がイランへ侵攻したことを受け、「有事のドル買い」が優勢となった。原油高が日本の貿易赤字を拡大させるとの思惑も相まって上旬からドル高・円安が進行。13日には159.70円台へ上昇して1月に付けた年初来高値(159.45円前後)を更新した。その後160.00円の節目を前に伸び悩むと、19日の日銀金融政策決定会合が植田総裁の会見も含めて「想定したほどハト派的ではなかった」と受け止められたため158円台を割り込んだが、利上げ期待は膨らまず円買いは一時的だった。早々に159円台を回復すると27日に160.00円を突破。原油価格が上昇し、米長期金利が上昇する中で30日には、2024年7月以来の高値となる160.47円前後まで上値を伸ばした。ただ、このタイミングで財務省の三村財務官が強く円安をけん制したことで160円台を割り込むと、翌31日には159円台も割り込んだ。イラン戦争が早期に終結するとの期待が浮上し「有事のドル買い」が巻き戻された。なお、市場の関心が中東情勢に集中する中、2月雇用統計など米国の重要経済指標に対するドル/円相場の反応は総じて限定的だった。

ドル/円 日足チャート

ドル/円3月の四本値

始値 155.939 高値 160.466 安値 155.936 終値 158.731

3月振り返り

日付 内容
2日 トランプ米大統領はイランへの軍事作戦について「まだ大きな波が来る」と語り、期間について「4-5週間を想定しているが、それよりはるかに長く継続できる能力がある。時間がどれだけかかっても構わない。必要なことは何でもやる」と述べた。また今回の軍事攻撃の目的については、「イランのミサイル能力排除や同国海軍の破壊、核兵器取得の道を断つこと」「イランが国外のテロ組織に武器や資金を提供したり、指揮したりできないようにすること」と説明し、地上部隊派遣の可能性を排除しない考えを示した。
6日 米2月雇用統計は非農業部門雇用者数が9.2万人減と市場予想(5.5万人増)に反して減少した上に失業率も4.4%に悪化(予想、前月ともに4.3%)。一方、平均時給は前年比+3.8%と市場予想を上回り前月から伸びが加速した(予想、前月ともに+3.7%)。トランプ米大統領はその後、SNSに「イランとの合意は無条件降伏以外にない」などと投稿。雇用統計を受けて下落していたドルは「有事」の買いで反発した。
9日 イラン国営メディアは、殺害された最高指導者アリ・ハメネイ師の後継者として、息子のモジタバ・ハメネイ師が「専門家会議」によって選出されたと報じた。これを受けてNY原油(WTI)先物は時間外取引で1バレル100ドルを突破した。その後、G7が緊急石油備蓄の共同放出を検討しているとの報道などからWTIは急反落した。
10日 ライト米エネルギー長官は、事実上の封鎖が続くホルムズ海峡について「通過する石油タンカーの護衛に米海軍が成功した」とSNSに投稿。これを受けてドル売りに傾く場面もあったが、ホワイトハウスが海軍の護衛を否定したほか、「米諜報機関はイランがホルムズ海峡の航路に機雷を展開するための措置を講じている兆候を捉え始めた」と伝わったことで再び「有事のドル買い」が強まった。
18日 米連邦公開市場委員会(FOMC)は政策金利を3.50-3.75%に据え置いた。声明では、「中東情勢が米経済に及ぼす影響は不確実だ」と指摘した上で、「委員会は2つの責務の両サイドに対するリスクに注意を払っている」とした。同時に公表した経済・金利見通しでは、2026年末の個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)見通しを、前回(12月時点)の前年比+2.4%から+2.7%へ上方修正したほか、国内総生産(GDP)成長率も2.3%から2.4%へ引き上げた。政策金利予測(ドットチャート)では、年内の利下げは1回のみとの予想が示され、前回から変化はなかった。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はその後の会見で「中東での動向が米経済に与える影響は不透明だ。短期的にはエネルギー価格の上昇が全体的なインフレを押し上げるだろう。だが経済へ与える影響の範囲や期間を判断するには時期尚早だ」と述べた。
19日 日銀は予想通りに政策金利を0.75%に据え置いた。声明では経済・物​価情勢の改善に応じて利上げしていく方針をあらためて示す一方で、中東情勢の展開や原‌油価格の動向をリスク要因に追加し、原油価格上昇が基調物価の見通しに及ぼす影響に「留意が必要」だとした。植田総裁はその後の会見で、中東情勢緊迫化の基調物価への影響について、政策委員の中では上方リスクを重視する委員と下方リスクを重視する委員に分かれたが「微妙に前​者の方が多かった」と明らかにした。
20日 イラン情勢をめぐり、「米国防総省の当局者は、イランへの地上部隊派遣に向けた詳細な準備を進めている(米CBS)」、「米軍が新たに、数千人の海兵隊員らを中東に向けて派遣している(ロイター)」と相次いで伝わった。
23日 トランプ米大統領はSNSに「過去2日間にわたり、(イランと)非常に良好で生産的な協議を行った」とした上で、「国防総省に対して、イランの発電所およびエネルギーインフラに対するあらゆる軍事攻撃を5日間延期するよう指示した」と投稿。21日には「48時間以内にホルムズ海峡を開放しなければ、イランの発電所への爆撃を開始する」と警告していた。これに対しイラン側はガリバフ・イラン国会議長がSNSで「米国側と交渉したことはない」とした上で「フェイクニュースが原油市場を操作するために使われた」と反論した。
24日 イラン戦争をめぐり、米政権がイランに対し、核施設の解体やホルムズ海峡の再開などを柱とする15項目の停戦案を提示したと伝わった。米側は、この案を協議するため「1カ月間の休戦」も提案したとされる。
25日 イランは米政権の停戦案を拒否。「自らの判断と条件に基づいて戦争を終結させる」と表明した。侵略と暗殺の完全停止や損害賠償など「5つの条件」が満たされるまで協議は行わないとした。
26日 トランプ大統領は「イランの要請に従い、本声明をもってエネルギー施設の破壊を10日間停止し、4月6日午後8時まで延期する」とSNSに投稿した。
27日 米国とイスラエルがイラン国内の複数の核関連施設と製鉄所を空爆したと伝わった。一方、イランはクウェートやカタールなど湾岸諸国に向けてドローンやミサイルを発射した。その後、イランのアラグチ外相は発電所攻撃を10日間延期するとしたトランプ大統領の主張について「矛盾している」とSNSで米国を非難。イラン革命防衛隊は「原油輸送の要衝ホルムズ海峡を閉鎖した」とし、同海峡を通過しようとする船舶に「厳しい措置」を取ると警告した。
30日 三村財務官は「原油先物市場に加え、為替市場においても投機的な動きが高まっているという声が聞かれる」、「この状況が続けばそろそろ断固たる措置も必要になる」と円買い介入を示唆して市場の動きを強くけん制した。その後、トランプ米大統領はSNSに「イランにおける軍事作戦を終結させるために協議を行っており、大きな進展があった」と投稿。その後、イラン外務省は「戦争が始まって以来、米国とのいかなる交渉も行っていない」としてこの主張を否定した。
31日 米紙ウォールストリートジャーナル(WSJ)は「トランプ米大統領は、原油輸送の要衝ホルムズ海峡がほぼ閉鎖されたままの状態でもイランに対する軍事作戦を終了し、海峡再開に向けた複雑な作戦は後日に先送りする用意があると側近に述べた」と伝えた。また、イランのペゼシュキアン大統領は欧州連合(EU)のコスタ大統領との電話会談で、米イスラエル両国との戦闘の終結に向け、「必要な意思を持っている」と表明した。

各市場 3月の推移

4月の注目イベント(日・米)

4月の注目イベント(日・米)
1日
日銀短観
米3月ADP全国雇用者数
米2月小売売上高
米3月ISM製造業景況指数
16日
米3月鉱工業生産
2日
米2月貿易収支
米国休場
17日  
3日
米3月雇用統計
18日  
4日   18日  
5日   19日  
6日
米3月ISM非製造業景況指数
21日  
7日   22日
日本3月貿易収支(速報ベース)
8日
日本2月現金給与総額
日本2月経常収支・貿易収支
FOMC議事録
23日
米4月製造業/サービス業PMI
9日
米10-12月期GDP・確定値
米2月PCEデフレーター
 
24日
日本3月消費者物価指数
10日
米3月消費者物価指数
米4月ミシガン大消費者信頼感指数
25日  
11日   26日  
12日   27日  
13日
米3月中古住宅販売件数
28日
日銀金融政策決定会合(27日~)
植田日銀総裁会見
米4月消費者信頼感指数
14日
米3月生産者物価指数
29日
日本休場
FOMC(28日~)
パウエルFRB議長会見
15日   30日
米3月PCEデフレーター
米1-3月期GDP・速報値

ドル/円の4月見通し

米国とイスラエルによるイラン侵攻から1カ月あまり。ようやく停戦・終戦に向けた機運が広がりつつある。3月31日、トランプ米大統領はホルムズ海峡が閉鎖されたままの状態でもイランに対する軍事作戦を終了する用意があると報じられた。イラン側もペゼシュキアン大統領が戦争終結に向けて「必要な意思」を持っていると伝わった。2月28日の開戦以降、為替市場では「有事のドル買い」が強まっていただけに、このまま停戦・終戦に向かえばドルが反落する可能性があろう。ただ、イラン側の停戦条件は「侵略再発防止の保証」とされ、米政権が3月24日に示した15項目の停戦条件とは相容れない。今後も停戦条件をめぐって紆余曲折があると予想され、ドルは折に触れて買われる場面があるだろう。なお、3月のドルは円に対して約1.7%上昇したが、対ポンドでは約1.9%、ユーロに対しては約2.2%、豪ドルに対しては約3.1%上昇した。仮にドルが4月に反落したとしても対円の下落率は他の主要通貨より小さいものになる公算が大きい。 他方、4月は27-28日の日銀金融政策決定会合にも注目だ。前回3月会合の「主な意見」は「経済環境や中小企業の賃上げスタンスが大きく崩れなければ、 躊躇なく利上げに進む必要がある」との見解が示されるなど、総じて追加利上げに前向きな内容だったと言えるだろう。ただ、財務省と内閣府の出席者からは、中東情勢が「経済の下押しリスクとなり得る点を懸念している」などとする意見が出ており、高市政権として日銀の利上げを抑制したい考えが透けて見える。2013年に締結した「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政府・日本銀行の政策連携について」のアコード(共同声明)が現在も維持されていることを考えると、7割前後に達したオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)の4月利上げの織り込みはやや高すぎるのではないだろうか。仮に4月会合で利上げを見送れば、次回以降の利上げに前向きな姿勢を示したとしても円が売られる可能性が高そうだ。

kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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