本日のロンドン為替市場も、米国・イスラエル対イランの紛争を巡る報道とエネルギー相場に左右され、不安定な動きが続きそうだ。金融当局者の発言材料は限られる一方、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁・エネルギー担当相会議が予定されており、市場の視線は中東発のインフレ再燃リスクへ向かいやすい。経済指標では、3月ユーロ圏経済信頼感指数や同月独消費者物価指数(CPI)速報値が焦点となる。
米国とイランの停戦期待が後退するなか、パキスタンのダール外相は、近日中に同国首都イスラマバードで和平協議が開かれると述べた。ただ、市場はこうした動きを素直に緊張緩和へ結び付けていない。仲介の実効性そのものに懐疑的な見方が残るためだ。トランプ米大統領としては、支持率低下を食い止めるためにも、できるだけ早く米国に有利な条件で停戦に持ち込みたいところだろう。
もっとも、交渉を優位に進めるため軍事圧力を一段と強める可能性もあり、ロンドンタイムは停戦期待そのものより、戦火拡大を示すヘッドラインの方が相場を動かしやすいかもしれない。市場が楽観へ傾き切れないのはこのためでもあり、ユーロを買い戻す動きが強まるとしても勢いは限られやすそうだ。
加えて、イランが抗戦を続ける背景には、ロシアの支援観測もある。米政権がロシア産原油への制裁を緩めたことで、ロシアはエネルギー高騰の恩恵を受けており、これも戦闘長期化への懸念を強める材料だ。G7会議では資源高への対応が議論される見通しだが、戦争が終わらない限り市場の不透明感は和らぎにくい。
その意味で3月独CPI速報値は通常以上に重みを持つ。独物価が強ければユーロの支えにはなろうが、欧州前半に明らかになる各州CPIを含めて上振れが確認されるかがまず焦点となる。ただ、中東発のリスク回避が前面に出る局面では、物価指標の強さもユーロの上値を大きく押し上げるほどの材料にはなりにくいだろう。
想定レンジ上限
・ユーロドル、26日高値1.1572ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、19日安値1.1443ドル
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
