本日のロンドン為替市場では、中東情勢を巡る緊張がなお相場を左右する最大の材料となる。国際エネルギー機関(IEA)加盟国は昨日、過去最大の石油備蓄放出で合意したが、WTI原油先物の堅調さを見る限り供給不安は消えていない。米国・イスラエル対イランの戦争終結を巡る見方は分かれており、いったん落ち着いたように見えても、市場は再び有事のドル買いへ傾きやすい地合いだ。
ユーロドルは東京市場の朝方から昨日安値を割り込み、1.1530ドル台まで下値を試した。欧州中央銀行(ECB)の次の政策について、エネルギー高を受けた利上げ観測が強まっている。カジミール・スロバキア中銀総裁も昨日、次の利上げが想定より早まる可能性に触れた。ただし今のところ、欧州金利先高観は背景がエネルギー価格の上昇であるため、ユーロにとってネガティブな材料だ。ユーロ相場はまだ暫く、天然ガス先物や原油先物の上下に一喜一憂する展開が続くか。
本日は、欧州前半にベイリー英中銀(BOE)総裁の講演が予定されている。1週間後の英金融政策委員会(MPC)の政策金利発表を控え、発言内容に注目が集まる。中東地域の混乱によるエネルギー価格の高騰で、英国でもインフレ懸念が高まっている。先月発表された失業率が想定以上に悪化していたことで一時高まった早期の利下げ観測も、イラン戦争の影響で完全に消えてしまった。逆に、市場は年末にかけての利上げを織り込み始めている。足もとの状況をBOE総裁がどのように捉えているか、内容次第でポンド相場は神経質に上下しそうだ。
なお、日本時間20時にはトルコ中銀が政策金利を発表予定。インフレ高や中東情勢の悪化を背景に、主要金利の1週間レポレートは37.00%で据え置きが大方の見通し。注目ポイントの1つは、リラ防衛のため上限金利に相当する翌日物貸出金利が引き上げられるかだろう。
想定レンジ上限
・ユーロドル、昨日高値1.1645ドル
・ポンドドル、10日高値1.3483ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、9日安値1.1507ドル
・ポンドドル、9日安値1.3283ドル
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
