本日のNY市場では2月米雇用統計や1月米小売売上高など、注目の経済指標の発表が予定されている。2月非農業部門雇用者数は5.5万人増予想と前月の13.0万人増から伸びが減少すると見込まれ、同失業率は4.3%、同平均時給は前年比+3.7%といずれも前月と同じ水準が予想されている。今週に発表された、2月ADP全米雇用報告と新規失業保険申請件数は予想より強い結果となった。原油高を背景に市場では米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利下げ観測が後退しているが、雇用統計や小売売上高が市場予想と比べて強い結果になれば、FRBの追加利下げ観測が一段と後退して、ドル買いを後押ししそうだ。
2月28日に米国・イスラエルがイラン攻撃を開始し、今週に入って関連のヘッドラインに神経質な動きを挟みつつも「有事のドル買い」が鮮明になっている。ただ、ドル円は底堅さを維持する一方で、昨日まで4日連続157円後半で伸び悩み、本日これまでも157.90円を頭に上値が抑えられるなど、1月23日に日米のレートチェックを行った水準となる158円台が強く意識されている。本日の米指標で一時的に158円台を回復したとしても、円買い介入警戒感から一方向に上値を伸ばす動きにはなりにくいだろう。
イラン戦争の長期化が懸念される中、原油高の加速による悪影響が警戒される。トランプ米政権は短期戦を想定した可能性が高いが、イランが中東各地を標的とする反撃に出たことで中東各地が軍事衝突に巻き込まれた。原油価格の上昇が継続し、インフレ不安を強め、FRBの利下げ再開の道筋に対する不確実性を高めている。トランプ氏の振る舞いに対する不安や不評で米信認が低下し、ドル離れの加速もやや警戒されたが、今のところドルは「究極の安全資産」としての信認を維持している。高インフレ・ドル高が進めば、米国製品の輸出競争力を弱め、製造業復活を目指すトランプ米大統領の優先的な政策目標を損なうリスクがある。よって、ドル円のドル高・円安が加速すると、日本政府だけではなく、トランプ政権もドル高・円安阻止を支持し、共同で介入に動く可能性はあるだろう。
・想定レンジ上限
ドル円、節目の158.00円や1月23日NY参入後の高値158.30円台が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、5日安値156.46円や日足一目・転換線156.25円が下値めど。
(金)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
