本日のロンドン為替市場でユーロドルは、米・イスラエルとイランの対立に絡んだ「中東の地政学リスク」がどこまで高まるかを見極めながらの値動きとなるだろう。特に、昨日急騰した天然ガス先物の動向を注視する必要がある。ほか、スイス中銀の口先介入で昨日売られたスイスフラン相場にも目を向ける必要がありそうだ。
欧州の天然ガス価格の指標であるオランダTTF天然ガス先物(4月限)は昨日、中東の混乱を受けて急騰。一時は先週末比50%高まで買われ、引け水準でも39%超上昇した水準を記録した。カタールのガス田がイランから攻撃を受けて、液化天然ガス(LNG)の生産を停止。また、世界の天然ガスの約2割が通過するホルムズ海峡の封鎖懸念が、先物のパニック買いに繋がった。
イランの報復攻撃は今後しばらく続くと見られ、また、イラン革命防衛隊の司令官が「ホルムズ海峡は閉鎖された」と宣言するなど、エネルギー供給不安が一段と広まっている。直ぐに欧州経済が揺らぐわけではないだろうが、先行き不透明感が深まれば、ユーロの買いづらさに繋がるだろう。
なお本日は、日本時間19時に2月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が発表予定。前年比予想では、ヘッドラインが1.7%と2カ月連続で2%割れの見込み。もっとも、天然ガス価格の高止まりが3月に続く可能性があるため、本日のインフレ指標は確認作業に留まってしまうか。HICPコアは前年比2.2%と前回と変わらずと見られている。
ところでユーロスイスフランは昨日、0.9025フランまで下落し、スイス中銀が対ユーロでのフラン上限を撤廃した2015年1月以来のユーロ安フラン高を記録した。しかしながらその後、中銀は「国際情勢を踏まえ、外国為替市場に介入する意向を強めた」と声明を発表。実際にフラン売り介入を実施したかは定かではないが、ユーロスイスフランは約100ポイント上昇した。もっとも一巡後は伸び悩んでおり、目先の抵抗帯0.9150-0.9170フランをクリアに抜けることができるかがチャート上ではポイントとなる。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.1754ドル
・ユーロスイスフラン、先月11日高値0.9169フラン
想定レンジ下限
・ユーロドル、1月20日安値1.1633ドル
・ユーロスイスフラン、昨日レンジの上限から61.8%押し0.9065フラン
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
