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ドル/円の3月見通し 「中東睨みでスタート 日米金融政策も」

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ドル/円の3月見通し 「中東睨みでスタート 日米金融政策も」

執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田卓也

 

ドル/円 の基調と予想レンジ

基調
一進一退

予想レンジ
152.000~159.000円

ドル/円2月の推移

2月のドル/円相場は152.266~157.660円のレンジで推移し、月間の終値ベースで約0.9%上昇した(ドル高・円安)。8日の衆院選に向けて、高市首相の人気を追い風に与党自民党が過半数(233)以上の議席を獲得するとの観測が強まる中、円売りが先行。実際に自民党が大勝すると9日朝に157.66円前後まで上昇した。ただ、円売りは続かず、一巡後は急速に円買いに傾き反落した。自民党の圧勝によって高市政権は野党のバラマキ的な政策に配慮しなくて済むとの見方や、自民党内の財政健全派も多く当選したため積極財政はむしろ困難になったとの見方から円が買い戻された。ドル売り・円買いの流れは、米経済指標の弱い結果が目立ったこともあって12日に152.27円前後を付けるまで続いた。しかし、18日には一連の米経済指標が予想を上回った上に、「何名か」が利上げ再開の必要性に言及していた連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表されたことからドル高主導で反発。翌19日には155円台を回復した。米連邦最高裁判所が20日にトランプ関税の大部分を違法とする判決を発表したことを受け23日にはドル安に振れる場面もあったが、影響は一時的だった。高市首相が日銀の追加利上げに難色を示したとの報道(24日)や次期日銀審議委員に「リフレ派」を起用する案を提示した(25日)ことから円売り主導で156円台を回復すると、156.13円前後で2月の取引を終えた。

ドル/円 日足チャート

ドル/円2月の四本値

始値 154.876 高値 157.660 安値 152.266 終値 156.125

2月振り返り

日付 内容
2日 高市首相が週末の選挙演説で「円安だから悪いと言われるが、輸出産業にとっては大チャンス」「外為特会の運用などは、ホクホク状態だ」と発言。一部メディアはこの発言を「円安を容認」と報じた。その後に発表された米1月ISM製造業景況指数は52.6と市場予想(48.5)を上回り2022年8月以来の高水準となり、11カ月ぶりに活動拡大・縮小の分岐点となる50.0を上回った。
4日 米1月ADP全国雇用者数は2.2万人増と市場予想(4.8万人増)を下回った。一方、米1月ISM非製造業景況指数は53.8と市場予想(53.5)を上回った。
5日 米12月JOLTS求人件数は654.2万件と市場予想(725.0万件)を下回り、2020年9月以来の低水準となった。ただ、退職率(2.0%)、解雇率(1.1%)はいずれも前月から横ばいで、米労働市場は冷え込んではいないが停滞していることがあらためて示された。
9日 8日に投開票された衆議院選挙は与党自民党が最終的に352議席を獲得して圧勝。高市首相は記者会見で、2年間限定で飲食料品に対する消費税をゼロにする政策について、「2年分の財源を確保したうえで、できるだけ早く実現できるように知恵を絞っていく」語り、赤字国債の発行に頼らない方針をあらためて示した。
10日 米12月小売売上高は前月比±0.0%と市場予想(+0.4%)を下回った。国内総生産(GDP)の算出に用いられるコア売上高(自動車、ガソリン、建材、外食を除く)は前月比-0.1%と予想(+0.4%)に反して減少した。
11日 米1月雇用統計は非農業部門雇用者数が13.0万人増と市場予想(6.5万人増)を大幅に上回り、失業率は4.3%に低下した(市場予想、前月ともに4.4%)。平均時給は前月比+0.4%、前年比+3.7%と高止まりした。また、2025年3月までの1年間の年次改定は86.2万人の下方修正となったが、昨年9月に発表された推計値(91.1万人下方修正)よりも修正幅は小さかった。
13日 米1月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.2%、前年比+2.4%と市場予想(+0.3%、+2.5%)を下回った。前年比の伸び率は前月(+2.7%)から鈍化した。食品とエネルギーを除いたコアCPIは前年比+2.5%と予想通りに鈍化し、2021年3月以来の低い伸びとなった。なお、シカゴ連銀のグールズビー総裁は1月CPIについて「良い面と良くない面があった」とし、「数字自体は悪くなかったが、サービス価格の上昇が高止まりしているのは懸念される」と述べた。1月の米サービスCPI(エネルギーサービスを除く)は前年比+2.9%だった(12月+3.0%)。
18日 米12月耐久財受注は変動の激しい輸送用機器を除いた受注額が前月比+0.9%と市場予想(+0.3%)を上回った。また、米12月住宅着工件数も年率換算で140.4万件と市場予想(130.4万件)を上回った。その後に発表された米1月鉱工業生産も前月比+0.7%と市場予想(+0.4%)を上回った。その後、1月のFOMC議事録で、「何名かの当局者は、インフレが予想通りに低下すれば、さらなる利下げが必要になる」と指摘した一方で「何名かは物価上昇率が目標を上回り続ける場合には、政策金利の引き上げが適切になるかもしれない」との見解を示していたことが明らかになった。
20日 日本1月CPIは、生鮮食品を除いたコアベースで前年比+2.0%と予想に一致。伸び率は2年ぶりの低さだった。生鮮食品とエネルギーを除いたコアコアCPIは前年比+2.6%と市場予想(+2.7%)を下回り、11カ月ぶりの水準に鈍化した。この日、米連邦最高裁判所はトランプ大統領が国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠に議会承認なしで発動した相互関税について「大統領権限の逸脱」と判断し、無効とした。これに対し、トランプ大統領は「最高裁はひどい判決を下した」、判事たちは「愚か者だ」と強く批判。その上で、通商法122条を用いて世界的に一律10%の追加関税を課す大統領令に署名したと発表した。
24日 高市首相が日銀の植田和男総裁と今月16日に会談した際、「追加利上げに難色を示していた」と毎日新聞が報じた。関係者によると、具体的な発言内容は不明だが「(2025年11月の)前回の会談の時より厳しい態度だった」とのこと。
25日 日本政府は、3月31日と6月29日にそれぞれ任期満了を迎える野口日銀審議委員、中川日銀審議委員の後任候補として、中央大学名誉教授の浅田氏と青山学院大学教授の佐藤氏を充てる国会同意人事案を衆参両院に提出した。両氏とも金融緩和と積極財政を重視するリフレ派と見られる。その後、植田日銀総裁は読売新聞とのインタビューで、追加利上げについて「経済・物価情勢の見通しが実現する可能性が高まれば、金融緩和の度合いを調整していくのが基本的なスタンスだ」とした上で、3月と4月の金融政策決定会合までに「得られる情報を丹念に点検した上で意思決定をしていきたい」と語った。

各市場 2月の推移

3月の日・米注目イベント

3月の注目イベント(日・米)
1日   17日  
2日
氷見野日銀副総裁講演
米2月ISM製造業景気指数
18日
日本2月貿易収支(通関ベース)
米2月生産者物価指数
FOMC(17日~)
パウエルFRB議長会見
3日
植田日銀総裁講演(挨拶)
19日
日銀金融政策発表委員会(18日~)
植田日銀総裁会見
4日
米2月ADP全国雇用者数
米2月ISM非製造業景気指数
ベージュブック
20日
日本祝日
5日   21日  
6日
米2月雇用統計
米1月小売売上高
22日  
7日   23日  
8日   24日
日本2月消費者物価指数
米2月PMI製造業/サービス業
9日
日本1月毎月勤労統計
日本1月経常収支/貿易収支
25日
日銀金融政策決定会合議事録(1月分)
10日
日本10-12月期GDP・二次速報
米1月貿易収支
米2月生産者物価指数
26日  
11日
米2月消費者物価指数
27日  
12日   28日  
13日
米10-12月期GDP・改定値
米1月PCEデフレーター
米3月ミシガン大消費者信頼感指数
29日  
14日   30日  
15日   31日
日本3月東京都区部消費者物価指数
米3月消費者信頼感指数
米2月JOLTS求人指数
16日
米2月鉱工業生産
   

ドル/円の3月見通し

2月28日、米軍とイスラエル軍が共同作戦でイランを攻撃。この攻撃によってイランの最高指導者であるハメネイ氏が死亡したと報じられている。3月の為替市場は、まずは中東情勢を睨みながらスタートすることになりそうだ。ドル/円相場への影響については「有事のドル買い」と「リスク回避の円買い」のどちらが強いかがカギとなる。昨年6月に米軍がイランの核施設3か所を攻撃した際は、当初こそドル買い・円売りが優勢だったが、米軍の追加攻撃やイラン側の報復攻撃が限定的だったことからその流れはごく短時間で収束した。今回も、戦闘が短期間にとどまればドル/円相場への影響は概ね中立と見て良いだろう。もっとも、3月1日にはイラン革命防衛隊が「歴史上、最も激しい攻勢がまもなく始まる」とする声明を発表しており、戦闘が泥沼化するおそれもある。仮に戦闘が激化し、安全資産の米国債が買われ(金利低下)、株価の下落が続くようならドル安・円高に振れやすくなりそうだ。ただ、この場合は原油価格が大幅に上昇する可能性も高まるため、日本の貿易収支が悪化するとの観測からドル以上に円が売られることも考えられる。いずれにせよ、ドル/円相場の値動きが不安定化することは避けられないだろう。
米・イランの衝突が前回と同様に短期間で収束すれば、市場の関心は17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)と18-19日の日銀金融政策決定会合に向かうと見られる。FOMCについては、米国のインフレが再び上昇する兆しを見せる中、政策金利を据え置いた上で追加利下げに慎重なスタンスをあらためて示す公算が大きいと見る。ただし、市場にはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長退任後の6月に利下げを再開するとの観測が根強い。今回のFOMCでそうした市場の見方が変化する公算は小さいことからドルの値動きにも大きな影響はないと考えている。
 日銀については、2月25日の読売新聞紙上における植田総裁の発言などから追加利上げの期待が維持されているものの、利上げがあるとすれば3月よりも展望リポートで見通しを更新する4月の可能性が高いとの見方が多い。3月利上げに対する金利市場の織り込みが10%以下にとどまる中で、日銀が19日に強行的に利上げを決めることはまずないだろう。焦点は4月利上げに関する示唆があるかどうかだが、先行きについて明言を避ける傾向の強い植田総裁が次回の利上げを予告する可能性は低そうだ。日銀会合と植田総裁の会見は、今回も円売りイベントになりやすいと見る。

kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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