本日のロンドン為替市場でも、「イランを巡る中東の地政学リスク」がどの程度まで高まるかを注視しながらの取引となる見通し。米国とイスラエルが週末にイランを空爆し、最高指導者のハメネイ師が死亡。それに対するイランの報復は広範囲にわたっており、利用者が世界最多のドバイ国際空港も攻撃を受けた。トランプ米大統領は、イランへの爆撃継続を示唆しており、混乱はしばらく収まりそうにない。
イランが石油輸送の要衝ホルムズ海峡を封鎖するとの懸念も高まっている。週明け時間外のNY原油先物は、先週末比12%上昇して1バレル=75ドル台に乗せる場面があった。執筆時点では70ドル前後まで失速しているものの、海峡が実際に閉鎖されるという状況になれば、原油価格は120ドルまで押し上げられる可能性があるとの見方がある。そうなると米国のインフレ率は5%まで加速するとの試算も見受けられる。
また欧州については、1カ月間のホルムズ海峡の輸送停止でも、天然ガス価格が2倍以上に急騰する懸念が報じられている。米・イスラエルとイランの対立が長引き、エネルギー価格の不安定さが増すようであれば、中央銀行のシナリオは当然ながら変わってくるだろう。先行き不透明感の高まりで、金融市場のセンチメントも悪化しやすい。
注目ポイントの1つは、イランの次期最高指導者が誰になるか。ハメネイ師が殺害された後に臨時指導部が設置され、イスラム体制の継続は示されている。一部通信社は、現実派とされる政治家ラリジャニ氏が次の最高指導者の有力候補として伝えている。なお、トランプ米大統領は昨日、臨時指導部と協議することに合意したことを明らかにした。
なお、本日は複数の経済指標が発表予定だ。ドイツからは、1月小売売上高や2月製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値、仏・ユーロ圏や英国も製造業PMI改定値が発表される。欧州午後には、テイラー英中銀金融政策委員会(MPC)委員やラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、ナーゲル独連銀総裁などが講演を行う。
想定レンジ上限
・ユーロドル、2月18日高値1.1857ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、90日移動平均線1.1707ドル
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
