25日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、日本政府が日銀審議委員に金融緩和と積極財政を志向する「リフレ派」とされる2人を充てる人事案を国会に提示したことによる円安の流れが続き156.82円まで上昇した。ユーロドルは、1.1771ドルから1.1814ドルまで上昇した。ユーロ円は日銀の早期利上げ観測が後退したことで184.77円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場は、午前10時30分から予定されているタカ派の高田日銀審議委員の講演を見極めながら、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒していくことになる。
また本日、米国はスイスのジュネーブでウクライナとの二国間協議、さらにイランとも第3回目の核協議に臨むことになっている。ウクライナとの協議では、戦後復興などについて協議し、3月初めのロシアを交えた三者協議に繋げることになっている。イランとの核協議が決裂した場合は、米軍がイラン攻撃に踏み切る可能性が警戒されている。
タカ派の高田日銀審議委員(任期:2027年7月23日)は、1月の日銀金融政策決定会合で、「物価安定の目標」である2%はおおむね達成されており、海外経済が回復局面にある中で国内物価の上振れリスクが高いという理由から、2会合連続の利上げを主張していた。本日の講演でも早期利上げの必要性を主張すると思われる。
一方、高市首相による日銀への利上げ抑制圧力が強まりつつある。24日の新聞報道では、高市首相が植田日銀総裁との会談で、利上げに難色を示したとのことで、ドル円は156円台前半まで上昇した。昨日は、政府が、任期を迎える最後のリフレ派の野口日銀審議委員と中立派の中川日銀審議委員の後任として、リフレ派の中央大学名誉教授の浅田統一郎氏と青山学院大学教授の佐藤綾野氏を提示したことで、156円台後半までの円売り要因となった。
浅田氏は、「現代貨幣理論(MMT)」を提唱するリフレ派であり、佐藤氏も高圧経済論者であることで、積極財政論者として、高市政権の「責任ある積極財政」を金融面から援護射撃することが見込まれている。
日銀金融政策決定会合の9名のメンバーは、2028年4月までに植田日銀総裁、氷見野日銀副総裁、内田日銀副総裁、田村日銀審議委員、高田日銀審議委員の4名が任期を迎えることで、「サナエノミクス」を支持するリフレ派一色になる可能性が高まっている。
ドル円は、高市首相による「外為特会ホクホク」発言や日銀の利上げに難色報道などを受けて、高市政権による円安放置への警戒感から156円台まで上昇してきている。今後は、1月に日米協調での「レートチェック」により、ドル高・円安の流れを抑えた158円台に接近しつつあることで、本邦通貨当局がドル売り・円買い介入に踏み切るのか否かを見極めることになる。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
