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【米国株】図表でわかる財務分析:エヌビディア(NVIDIA)2025年3Q決算・4Q予想 2026年2月25日

 

(写真:iStock photo)

 

 エヌビディア(NVIDIA)は、圧倒的な競争力を持つGPUを武器にAI(人工知能)市場を牽引し続け、今や世界で最も影響力のある企業となりました。エヌビディア(NVIDIA)は、最新となる2025年(FY25)第3四半期(3Q)決算で、市場の期待を遥かに上回る圧倒的な数字で、その期待に応えました。生成AIの爆発的な普及は一過性のブームにとどまらず、さまざまな企業の基幹システム、社会的インフラに深く浸透し始めています。その心臓部を担う同社のGPU需要は、供給が追いつかないほどです。そこでエヌビディア(NVIDIA)の最新決算の内容から第4四半期(4Q)を予想してみます。

(1)エヌビディア(NVIDIA)の直近業績と2025年(FY25)4Qの予想

 エヌビディア(NVIDIA)の最新業績となる2025年(FY25)3Qの決算は驚異的な内容となりました。売上高は前年同期比62.5%増の57,006百万ドル、営業利益は64.7%増の36,010百万ドルです。特筆すべきは、懸念されていた成長率の鈍化に歯止めがかかり、再加速の兆しをみせている点でしょう。AI半導体の需要が、一部の大手IT企業だけでなく、政府や広範な一般企業にまで拡大していることが要因です。

・AI需要がエヌビディア(NVIDIA)の収益基盤を強化

 市場アナリストのコンセンサス予想では、エヌビディア(NVIDIA)の勢いは2025年(FY25)4Qも継続するという見方が大勢を占めています。期待を集めているのは、新型のBlackwellチップの本格的な出荷開始に伴う収益の上積みです。

 私は2025年(FY25)4Qを売上高62,500百万ドル、営業利益40,000百万ドル、当期 純利益35,500百万ドルと予想しました。これは、もはやAIが単なる「可能性」ではなく、「様々な企業の収益基盤として確立される」という市場の確信に基づいています。

・高すぎる期待が株価を乱高下させる可能性

 しかし、需要があまりに強く、製造を委託しているTSMC(台湾積体電路製造)の生産能力がボトルネックとなり、機会損失が生じるリスクがあります。また、高すぎる期待そのものがエヌビディア(NVIDIA)のリスクとなっています。常に「期待を超える」ことが求められるようになり、わずかな成長率の鈍化で、株価が敏感に反応しやすい局面に入っています。

(2)売上高の動向

 エヌビディア(NVIDIA)の通期ベースの売上高は、2022年(FY22)の26,974百万ドルから2024年(FY24)は130,497百万ドルになりました。わずか2年で約4.8倍に急成長しています。

 四半期ベースで、2025年(FY25)3Qまでの進捗を確認すると、1Qから3Qまでの売上高合計は147,811百万ドルです。これは前年度(FY24)の通期実績130,497百万ドルに対して、すでに113.3%の進捗率です。3Qの時点で前年の年間実績を上回っています。2025年(FY25)4Q予想を含めると、年間売上高は2,000億ドルを突破して、前年比で6割を超える増収になる見込みです。

(3)営業利益の動向

本業の儲けを示す営業利益も驚異的な伸びを見せています。2022年(FY22)の5,577百万ドルから2024年(FY24)には81,453百万ドルと約14.6倍になりました。営業利益率も20.7%から62.4%へと飛躍的に向上しています。エヌビディア(NVIDIA)の独占的な地位が、高い価格決定力を与えていることが伺えます。

 エヌビディア(NVIDIA)の2025年(FY25)3Qまでの累計営業利益は86,088百万ドルで 前年(FY24)の通期実績に対する進捗率は105.7%です。すでに営業利益も3Qまでの実績が前年(FY24)の通期実績を塗り替えています。2025年(FY25)1Qは一時的に利益率が49.1%に低下しました。しかし、3Qには63.2%まで回復しており、非常に高い水準で安定的に推移しています。

(4)当期純利益の動向

 最終的な利益である当期純利益についても、営業利益と同様の極めて強いトレンドが続いています。

 2024年(FY24)の通期実績は72,880百万ドルでしたが、2025年(FY25)の1Qから3Qまでの累計は77,107百万ドルです。前年(FY24)に対する進捗率は105.8%に達しています。すでに3Qの時点で前年(FY24)の年間利益を超えています。売上高、営業利益、当期純利益のすべてにおいて、前年の仕事を「わずか9カ月で終わらせて、『お釣り』を出る」ほどの収益力を示しています。

(5)株主価値指標の動き

 ここからは株価が会社の価値に対して「割安」か、それとも「割高」かなどを判断する指標について見ていきます。

1)EPS(希薄化後一株当たり利益)

 EPSは株主が持つ1株に対して会社がいくら利益を生み出したかを示す指標です。2022年(FY22)の0.17ドルは2024年(FY24)の2.94ドルへと、利益急増に伴い、跳ね上がりました。

 2025年(FY25)3Qは1.30ドルでした。目前となった2025年(FY25)4Q決算は1.45ドルと予想しています。2025年(FY25)通期ベースのEPSは、前年(FY24)の2.94ドルから4.59ドルへと大きく伸びる見通しです。

2)PER(株価収益率)

 PERは株価が利益の何倍まで買われているかを示しています。つまり市場がどれくらい期待しているかを示す値です。2022年(FY22)は利益の落ち込みにより、116.91倍という極めて高い水準にありました。しかし、その後は利益の急成長が株価上昇を上回るペースで進んだため、2025年(FY25)3Qは46.13倍に落ち着いています。依然として高成長への期待は高いものの、数年前のような割高感は薄れつつあります。

3)PBR(株価純資産倍率)

 PBRは会社の資産に対して株価が何倍かを示す指標です。2021年(FY21)の21.51倍から上昇を続け、2024年(FY24)3Qには52.64倍まで達しました。2025年(FY25)3Qは38.08倍です。これは莫大な利益が純資産(内部留保)として積み上がっているため、分母となる資産が大きくなり、指標が安定してきたことを示唆しています。同社の目に見えない技術力や市場支配力を、市場が極めて高く評価していることの証左です。

(6)貸借対照表から見る「財務の安定性」

 貸借対照表は、会社の「財産(資産)」「借金(負債)」「返済不要の自分のお金(純資産)」のバランスを示した会社の「健康診断書」です。

 

 

1)資産の動向

 エヌビディア(NVIDIA)の総資産は、AIブームとともに驚異的なスピードで拡大しています。2022年(FY22)の時点で41,182百万ドルでした。最新である2025年(FY25)3Qは161,148百万ドルなので、約3年弱で約3.9倍増加しています。特に、現金や売掛金など流動資産の伸びが著しく、2025年(FY25)3Qには116,492百万ドルに達しています。これは製品販売が好調で、手元のキャッシュや回収予定の代金が急速に積み上がっていることを示しています。また、次世代半導体の開発や、設備への投資を反映し、固定資産も着実に増加しており、将来の成長に向けた基盤作りが並行して進んでいることがわかります。

2)負債の動向

 資産が急増しているのに対して、負債増加は比較的緩やかです。2022年(FY22)の19,081百万ドルから2025年(FY25)3Qは42,251百万ドルとなり、約2.2倍の増加でした。内訳を見ると、長期借入金などの固定負債は2025年(FY25)に入り、16,000百万ドル付近で安定しています。資産規模の拡大に対して、借金に頼りすぎない経営姿勢が見てとれます。負債の多くは、事業を運営する上で発生する短期的な支払義務のある流動負債で、これはビジネスの規模が大きくなったことによる自然な増加と言えます。

3)純資産の動向

 純資産は会社の本当の体力を示す指標です。エヌビディア(NVIDIA)の数字は圧倒的です。2022年(FY22)の22,101百万ドルから、2025年(FY25)3Qの118,897百万ドルへと約5.4倍増加しています。これは、同社が稼ぎ出した莫大な利益が、他社への支払いや配当などに回った後でも、しっかりと会社の中に留保されていることを意味します。純資産がこれほどの短期間で積み上がるケースは非常に稀であり、AI市場における独占的な収益力が、財務基盤を劇的に強化したことが明確に示されています。

4)流動比率の動向

 流動比率とは、1年以内に返済すべき負債に対して、1年以内に現金化できる資産がどれくらいあるかを示す指標です。会社の短期的な支払い能力がわかります。一般的に200%超が安全とされています。エヌビディア(NVIDIA)の流動比率は、表からも分かる通り、2022年(FY22)以降、常に300%以上という高水準を維持しています。最新の2025年(FY25)3Qは446.76%です。これは短期的な資金繰りに困る可能性が極めて低いことを証明しています。

5)自己資本比率の動向

 自己資本比率は、総資産のうち返済不要な純資産が占める割合を示します。ここから会社の長期的な安定性がわかります。この比率が高いほど、倒産しにくい強い会社と言えます。エヌビディア(NVIDIA)の自己資本比率は、2022年(FY22)が53.67%で、2025年(FY25)3Qは73.78%に上昇しています。つまり、資産の4分の3近くを自己資本が占めていることになります。現在の状態は借金に依存しない自立した経営が可能で、財務的な健全性は世界トップクラスです。

(7)キャッシュフロー計算書から見る「事業の健全性」

 キャッシュフロー計算書は3つの指標から判断します。営業キャッシュフロー(営業CF)は本業で稼いだ現金、投資キャッシュフロー(投資CF)は将来のために使った現金、財務キャッシュフロー(財務CF)は、借金返済や株主還元などで動いた現金を示しています。これらを見ると利益は単なる計算上の数字ではなく、実際、どのように現金が動いているかがわかります。

1)営業キャッシュフロー(営業CF)の動向

 エヌビディア(NVIDIA)が本業で稼いだ現金を指す営業CFは、2022年(FY22)の5,641百万ドルから、2024年(FY24)の64,089百万ドルへと爆発的に増加しました。2025年(FY25)に入ってからも、その勢いは衰えず、1Qから3Qまでの累計額は66,530百万ドルとなりました。これは前年(FY24)の通期実績に対して、すでに103.8%という進捗率です。わずか9カ月間で2024年(FY24)1年分を上回る現金が生み出されています。利益の質が極めて高く、確実に現金収入に結びついている状態です。

2)投資キャッシュフロー(投資CF)の動向

 エヌビディア(NVIDIA)の投資CFを見ると、2024年(FY24)の年間支出はマイナス20,421百万ドルでしたが、2025年(FY25)1Qから3Qまでの累計で、マイナス21,367百万ドルを、すでに支出しています。進捗率は104.6%です。こちらも2024年(FY24)の年間投資額をすでに上回っています。Blackwellなどの新製品開発やインフラの整備、他社への出資など、成長のために積極的に資金を投じている姿勢が見てとれます。

3)財務キャッシュフロー(財務CF)の動向

 財務CFは、主に株主への利益還元の状況を反映しています。2024年(FY24)には年間でマイナス42,359百万ドルを支出しました。2025年(FY25)の1Qから3Qまでの累計はマイナス42,266百万ドルです。進捗率は99.8%で、すでに2024年(FY24)とほぼ同じ規模での還元を9カ月で実施しています。将来への投資と株主還元の両方を惜しみなく、かつバランスよく実施していることがわかります。

(8)AI革命を牽引する圧倒的リーダーは次なる成長ステージへ

 エヌビディア(NVIDIA)が今、見せているのは、歴史上類を見ないほどの「高成長」「高収益」「高安定」を実現している企業の姿です。2025年(FY25)4Qの業績予想は売上高62,500百万ドル、営業利益40,000百万ドルという過去最高の水準を見込んでいます。「AIバブル」という懸念を打ち消すほどの確かな収益力を維持しています。

 他方、エヌビディア(NVIDIA)の実力は、損益計算書上の華やかな売上や利益だけではありません。自己資本比率73.78%という安定した財務と、1Qから3Qまでに、前年実績を超える現金を稼ぎ出す営業CFに、その本質があります。巨額投資と巨額の株主還元を同時に行いながら、さらに手元の純資産を増やし続けています。

 エヌビディア(NVIDIA)の評価は、GPUの出荷数や四半期ごとの成長率といった「動き」だけでなく、積み上がった純資産や流動比率といった「足」や「腰」の強さにも注目しましょう。市場の極めて高い期待に応えるだけの圧倒的な財務的裏付けを同社は持っています。成長率鈍化という課題は常に議論のテーブルに上がりますが、現在のような強固な経営基盤がある限り、エヌビディア(NVIDIA)は今後も市場のリーダーであり続ける可能性は極めて高いと思います。

(本文ここまで)

 
岩田仙吉(いわたせんきち)氏
株式会社タートルズ代表/テクニカルアナリスト
2004年、東京工業大学から一橋大学へ編入学。専門は数理経済学。卒業後、FX会社のシステムトレードプロジェクトのリーダーになり、プラットフォーム開発および自動売買プログラムの開発に従事。その後、金融系ベンチャーの立ち上げに参画。より多くの人に金融のことを知ってほしいと思い金融教育コンテンツの制作に集中するために会社を創業。現在は、ハイリスク・ハイリターンの投資手法ではなく、初心者でも長く続けられるリスクを抑えた投資手法を研究中。
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