昨日の海外市場でドル円は、1月の米雇用統計が予想より好結果だったことを受けて一時154.65円まで上昇した。しかし、ドル買いは長続きしなく、152.56円と1月28日以来の安値まで一転弱含んだ。ユーロドルは米雇用統計の上振れをきっかけに1.1833ドルまで売られたものの、米景気への警戒感が根強い中、下値は限定的だった。一時は4.20%台まで上昇した米10年債利回りが4.14%台まで上昇幅を縮めたこともあり1.1893ドル付近まで下げ渋った。
本日の東京時間のドル円は、大幅に弱含んだ反動を受け、休場明けの実需マネーが下値を拾いに入る公算。ただ、「高市トレード」で加速した円売りのモメンタムはすでに減速気味だ。東京仲値を通過すれば、買いの勢いが試され、戻りの鈍さが露呈する可能性もある。
昨日は「建国記念の日」で本邦勢が不在となり、実需のドル買いが細るなか、円の買い戻しがドル円だけでなくクロスにも波及。欧米時間にかけて下げは加速し、ドル円は先月28日以来の水準まで沈んだ。本日は本邦勢が市場に復帰することで、東京仲値に向けた実需のドル買い・円売りが下支えとなる公算が大きく、少なくとも9時55分の仲値通過までは、下値を積極的に試す展開にはなりにくいだろう。
ただ、NY時間に発表された米雇用統計は強い内容となり、ドル円は一時安値から2円弱反発。しかし、その後は一転して2円超下落し、上昇分を吐き出した。FRB高官からは利下げに慎重な発言が相次ぐものの、ドル円の買い戻しは続かない。
先月後半以降、市場は衆院選での高市政権勝利を織り込む形で円売りを積み上げてきた経緯があり、足元ではその円ショートの巻き戻しが進行中だ。ただ、決定的な円買い材料が乏しいなかで相場が反転している点は見逃せない。材料なき下落は、しばしば潮目の変化を示唆する。円安トレンドは、静かに転機を迎えつつあるのかもしれない。
本日は1月の国内企業物価指数が発表される。前年比は12月の+2.4%から+2.3%へ鈍化が見込まれている。もっとも、先に公表された12月の実質賃金が前年比▲0.1%と12カ月連続のマイナスとなっても市場の反応は限定的だった。本邦指標が相場の方向性を決定づける展開は、今回も期待しにくいだろう。
アジア・オセアニア圏からの主だった経済指標は予定されていない。だが、足元では人民元(CNH)や豪ドルの値動きが他通貨を巻き込む場面が目立つ。特定材料がなくとも、広い視野で相場全体の連鎖を見極めたい局面だ。
(松井)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
