29日の日経平均は3日続伸。終値は16円高の53375円。小安く始まった後は不安定な動きが続いた。すぐに下げ幅を300円超に広げたものの、53000円を割り込んだところで鋭角的に切り返し、プラス転換から上げ幅を300円超に拡大。多くの銘柄が下落スタートとなった一方、上方修正を発表したアドバンテストには強い買いが入っており、序盤は振れ幅が大きくなった。買いは続かず再び下げに転じたが、押しが深くなると下値が拾われ、10時以降は前日終値を挟んだ一進一退がしばらく続いた。
前場は2桁の下落で終えたものの、後場はプラス圏で推移する時間が長かった。下値が堅くなってきたことで、値上がりに転じる銘柄が増えてきた。上値は重く、引けにかけては失速したが、プラスを確保して取引を終了。アドバンテストは5.2%高となり、1銘柄で日経平均を約352円押し上げた。
東証プライムの売買代金は概算で7兆6400億円。業種別では石油・石炭、輸送用機器、鉱業などが上昇した一方、サービス、小売、その他製品などが下落した。上方修正を発表した日野自動車が後場急伸。半面、トーメンデバイスが後場急落。上方修正を発表したものの、3Qの着地を踏まえれば引き上げ幅が物足りないと受け止められた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり763/値下がり777。ベッセント米財務長官が為替介入をしていないと発言したことから円高加速に対する警戒が和らぎ、トヨタやホンダなど自動車株が軒並み高。原油高を受けてINPEX、ENEOS、コスモエネルギーなどに資金が向かった。「ゆうちょアセットマネジメント」を発足させると発表したゆうちょ銀行が5.8%高。三菱重工、川崎重工、IHIの防衛大手3社がそろって大きく上昇した。
一方、東京エレクトロン、レーザーテック、ディスコなど半導体株の多くが大幅安。古河電工やフジクラなど電線株も弱く、前日に強く買われたAI関連が売りに押された。ノジマが決算を材料に6.4%安。旭ダイヤモンド、クロスフォー、ジェイテックコーポなど直近で急騰する場面があった銘柄が値を崩しており、ケミプロ化成がストップ安まで売り込まれた。
日経平均は荒い値動きとなったが、終わってみればほぼ横ばい。アドバンテストのおかげでプラスになった格好ではあるが、アドバンテストが指数を刺激しすぎるから他の銘柄に買いを入れづらかったといった側面もある。きょうのアドバンテストが高寄り後は失速して陰線を形成したこと、アドバンテスト以外の半導体株は大幅安となったことを踏まえると、いったん半導体株には買い一巡感が出てくる展開も想定しておく必要がある。ただ、半導体株が利益確定売りに押された場合でも、決算を材料に個別物色の活況が続くだろう。28日、29日とプライムの売買代金は7兆円を上回った。決算発表が本格化する中、高水準の売買代金が継続するかどうかに注意を払っておきたい。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
