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図表でわかる財務分析 マイクロソフト(Microsoft)2026年1Q決算・2Q予想 2026年1月27日

 

(写真:iStock photo)

 

 マイクロソフト(Microsoft)は、AI(人工知能)とクラウドを成長の両輪として、テクノロジー業界の最前線を走り続けています。直近の2026年(FY26)第1四半期 (1Q)決算では、主力の「アジュール(Azure)」をはじめとするクラウドサービス事業が、市場予想を上回る成長を見せ、営業利益率が48.9%という驚異的な水準に達しました。そこでマイクロソフト(Microsoft)の2026年1Q決算を分析した上で、2Qの業績を予想し、投資家が注目すべき期待と課題を明らかにします。

(1)マイクロソフト(Microsoft)の直近業績と2026年(FY26)2Q予想

 マイクロソフト(Microsoft)の2026年(FY26)1Q決算は、同社の「稼ぐ力」がさらに強まったことを示す結果となりました。売上高は前年同期比18.4%増の77,673百万ドル、営業利益は24.3%増の37,961百万ドルで、いずれも高成長を維持しています。特筆すべきは営業利益率です。効率的なコスト管理と高付加価値なAIサービスの普及により、48.9%という過去最高の水準となりました。AIインフラへの巨額投資を継続しながらも、これだけの利益を捻出できる構造は、同社の圧倒的な競争優位性を物語っています。

・「アジュール(Azure)」の成長加速に期待

 私は2026年(FY26)2Qの業績を売上高がついに80,000百万ドル(800億ドル)の大台に乗ると予想しています。市場アナリストのコンセンサスも、私と同じように約800億ドルで一致しています。2026年(FY26)1Qのスタートダッシュが本物であることを証明する2Qになるでしょう。

 投資家の注目は、「アジュール(Azure)」の成長が加速するかどうかです。1Qでは前年比40%増という驚異的な伸びを見せました。AI需要が単なるブームではなく、実需としてクラウドインフラの消費を押し上げていることが証明されました。また、法人向けAIサービスの「コパイロット(Copilot)」の導入企業も着実に増加しており、ソフトウェア単価上昇による収益貢献が、さらに本格化すると期待されています。市場は、マイクロソフト(Microsoft)が「AIを販売し、AIを使うための場所も提供する」という最強の垂直統合モデルを確立しつつあると見ています。

・拡大する設備投資とサービス供給能力の課題

 その一方で、成長維持のための代償も大きくなっています。今期の「設備投資(Capital Expenditure)」の金額は、前年同期比で74%も増加しています。データセンター建設やGPU確保のための天文学的な資金を投じており、これらが将来の減価償却費として利益を圧迫するリスクは無視できません。また、OpenAIへの投資に伴う評価損が、会計上の純利益を大きく変動させる要因となっています。AI需要が供給能力(データセンターのキャパシティ)を上回っており、「需要を取りこぼさずにインフラを整備し続けられるか」という「供給側の制約」が、短中期的なボトルネックです。

(2)売上高の動向

 マイクロソフト(Microsoft)の売上高は、通期で見ると2021年(FY21)の168,088百万ドルから、2025年(FY25)に281,724百万ドルと力強く拡大しています。2023年(FY23)は成長率が6.9%と一時的に一桁台に落ち着きましたが、AI需要の本格化に伴い、2024年(FY24)は15.7%、2025年(FY25)は14.9%と高い成長軌道に戻ってきました。

 続いて四半期ベースのデータで確認します。2026年(FY26)1Qの売上高は77,673百万ドルでした。これは前年同期比で18.4%の増加です。成長のスピードはさらに加速しています。私は2Qの売上規模が一段上のステージへ移行して、売上高80,000百万ドル、成長率14.89%になると予想しています。

 前年度(FY25)の通期売上高と2026年(FY26)1Qの実績値を比較すると、進捗率は27.57%です。四半期ベースは1年間を4分割しています。1Qだけで25%超の進捗ですから、通期目標の達成に向けて順調な滑り出しといえます。

(3)営業利益の動向

 営業利益は本業で稼いだ利益を示す指標です。マイクロソフト(Microsoft)の「稼ぐ力」は年々強固になっています。通期ベースでは2021年(FY21)の69,916百万ドルから、2025年(FY25)には128,528百万ドルへと大幅に増加しました。特に注目すべきは営業利益率の改善で、2021年(FY21)の41.6%から2025年(FY25)には45.6%まで上昇しています。これは売上の拡大以上に利益を出す効率が高まっていることを意味します。

 直近の2026年(FY26)1Qの営業利益は37,961百万ドルで、成長率は前年同期比24.3%と極めて高い伸びを記録しました。1Qの営業利益率は48.9%です。データセンターなどのインフラ投資を積極化しながらも、高付加価値なソフトウェアやクラウドサービスが利益を力強く押し上げていることが読み取れます。2Qも営業利益38,200百万ドル、利益率47.75%と、引き続き高い収益性を維持すると私は予想しています。

 2026年(FY26)1Qの営業利益は前年度(FY25)の通期実績と比較すると、進捗率が29.54%です。これは売上高の進捗率27.57%を上回るペースです。利益が積み上がっており、新年度に入ってから収益構造がさらに研ぎ澄まされている状況が鮮明になっています。

(4)当期純利益の動向

 税金などを差し引いた最終利益の当期純利益も右肩上がりです。通期ベースで見ると、2021年(FY21)の61,271百万ドルが、2025年(FY25)は101,832百万ドルになりました。ついに1,000億ドルの大台です。2023年(FY23)には成長率がマイナス0.5%とわずかに減少しましたが、2024年(FY24)には21.8%まで急回復し、成長力を取り戻しています。

 2026年(FY26)1Qの当期純利益は27,747百万ドル、成長率12.5%です。前四半期の2025年(FY25)4Qの23.6%増に比べると成長率が鈍化したように見えるかもしれません。これは前年同期に当たる2025年(FY25)1Qの利益水準が高かったことや、為替・投資損益の影響が考えられます。私は2026年(FY26)2Qの純利益を29,600百万ドル、前年同期比22.78%増という力強い成長を見込んでいます。そうなれば株主還元の期待は高まります。

 なお、2026年(FY26)1Qの当期純利益は、2025年(FY25)の通期実績に対して27.25%の進捗率です。売上高同様に1Qだけで、すでに25%を超えており、最終利益ベースでも順調な業績推移をたどっていると評価できます。

(5)株主価値指標の動き

 続いてマイクロソフト(Microsoft)という会社の価値に対して、その株価は「割安」なのか、それとも「割高」なのかを見ていきましょう。

1)EPS(希薄化後一株当たり利益)

 EPSは会社が1株に対してどれだけの利益を生み出したかを示す指標です。投資家にとって最も直接的な利益の尺度となります。

 通期ベースで見てみると、2021年(FY21)の8.05ドルから2025年(FY25)の13.64ドルまで上昇し続けています。

 続いて四半期ベースで見てみましょう。2026年(FY26)1Qは3.72ドルとなりました。次四半期の予想では、2Qは3.98ドルと、さらなる積み上げを期待しています。

2)PER(株価収益率)

 PERは株価が1株当たりの利益の何倍まで買われているかを示し、投資家からの将来への「期待値」を反映します。マイクロソフト(Microsoft)のPERは30倍から37倍という高水準です。2026年(FY26)1Qは36.85倍でした。これは市場が同社のAI戦略による将来の利益成長を非常に高く評価しており、現在の利益に対して「プレミアムを支払ってでも投資したい」という期待の表れです。

3)PBR(株価純資産倍率)

 PBRは会社の資産価値に対して株価が何倍になっているかを示す指標です。通期ベースでは10〜14倍という極めて高い水準を維持しています。2026年(FY26)1Qは10.61倍となっています。解散価値とされる1倍を大きく上回るこの数字は、マイクロソフト(Microsoft)が保有するデータセンターやソフトウェア、そしてAIという無形の知財が、帳簿上の数字以上の価値を創出していることを証明しています。

(6)貸借対照表から見る「財務の安定性」

 貸借対照表でマイクロソフト(Microsoft)の「健康診断」をしてみます。

1)資産の動向

 マイクロソフト(Microsoft)の総資産は、2021年(FY21)の333,779百万ドルから、2026年(FY26)1Qには636,351百万ドルへと、5年で約2倍に増加しています。資産拡大の主役は、データセンターやサーバー設備などの「固定資産」です。

 2021年(FY21)の149,373百万ドルだった固定資産は、2026年(FY26)1Qの447,285百万ドルへと、約3倍に急増しました。これは同社がAIやクラウドサービスの「アジュール(Azure)」の需要に応えるため、天文学的な規模のインフラ投資を継続しているからです。その一方で、現金などの流動資産は180,000百万ドル前後で推移しています。必要な手元流動性は確保しつつ、稼いだ現金を将来の成長基盤である設備へ効率的に振り向けている様子が読み取れます。

2)負債の動向

 負債総額は、2021年(FY21)の191,791百万ドルから2025年(FY25)の275,524百万ドルと増加傾向にありました。直近の2026年(FY26)1Qは273,275百万ドルと、わずかながら減少に転じています。資産が急激に膨らんでいるのに対して、負債の伸びが極めて緩やかである点が、マイクロソフト(Microsoft)の財務の大きな特徴です。

 内訳を見ると、短期的な支払い義務である流動負債と、長期的な借入金などの固定負債がバランスよく管理されています。世界規模で巨額の投資を行いながら、過度な借金に頼ることなく、自らの「稼ぎ(利益)」で事業を拡大させていることがわかります。これは金利上昇局面などの不透明な経済環境下で、非常に強い耐性を持っていることを意味します。

3)純資産の動向

 純資産は、総資産から負債を差し引いた返済不要な「本当の自分の持ち金」です。この純資産の推移こそが、マイクロソフト(Microsoft)の健全な成長を最も象徴しています。2021年(FY21)の141,988百万ドルが、2026年(FY26)1Qは363,076百万ドルと約2.5倍になりました。

 大幅増加の理由は、四半期ごとに生み出される巨額の利益が、着実に会社の中に蓄積されている結果です。これだけの純資産を背景に、同社は次世代技術への投資や、配当・自社株買いといった株主還元を行っています。企業の「体力」は年々増強されています。

4)流動比率の動向

 流動比率(流動資産 ÷ 流動負債 × 100)は、短期的な支払い能力を判断するための指標です。一般的に100%を超えていれば、短期的な支払能力に問題はないと判断されます。

 マイクロソフト(Microsoft)の流動比率は、2021年(FY21)の208%から、2024年(FY24)に127.50%まで低下しましたが、2026年(FY26)1Qは140.05%まで回復しています。過去数年の低下は、手元資金をデータセンター建設などの固定資産投資に積極的に回したことが主な要因です。それでも常に100%を大幅に上回る水準を維持しています。安心感のある支払い能力を維持していると評価できます。

5)自己資本比率の動向

 自己資本比率は、総資産のうち、返済する必要がない純資産(自己資本)が占める割合のことです。マイクロソフト(Microsoft)の自己資本比率は、2021年(FY21)の42.54%から一貫して上昇を続けており、2026年(FY26)1Qは57.06%になりました。一般的なIT企業や製造業では、自己資本比率が40%を超えると優良企業とされています。同社はそれを大きく上回り、年々比率が上昇しています。これはAI事業への巨額投資を行いながら、財務の安全性においても世界トップクラスの水準にあることの証明です。まさに「攻守兼備」の理想的な財務状況と言えます。

(7)キャッシュフロー計算書から見る「事業の健全性」

 最後にマイクロソフト(Microsoft)のお金の「流れ」を示すキャッシュフローを確認します。

 

1)営業キャッシュフロー(営業CF)の動向

 マイクロソフト(Microsoft)の営業CFは、通期ベースで見ると2021年(FY21)の76,740百万ドルから2025年(FY25)の136,162百万ドルへと増加しています。これは同社のビジネスモデルがいかに効率的に現金を創出しているかを証明しています。

 2026年(FY26)1Qの営業CFは45,057百万ドルです。この数値は2025年(FY25)の通期実績に対して33.09%という高い進捗率を示しており、今期もAIサービスやクラウド事業が機能していることが読み取れます。

2)投資キャッシュフロー(投資CF)の動向

 投資CFは継続して大きなマイナスです。2021年(FY21)のマイナス27,577百万ドルから2024年(FY24)はマイナス96,970百万ドルまで拡大しました 。これは主にAIインフラの要となるデータセンターやサーバー設備に対する投資によるものです 。

 2026年(FY26)1Qの投資CFはマイナス34,559百万ドルとなりました。2025年(FY25)の通期実績に対する進捗率は47.60%です。1Qだけで、すでに前年の約半分にあたる金額を投資しています。AI分野での主導権を盤石にするためのインフラ整備が、かつてないスピードで加速していることが分かります。

3)財務キャッシュフロー(財務CF)の動向

 財務CFは一貫してマイナスです。2025年(FY25)は51,699百万ドルのマイナスとなりました。マイナスになった主な理由は、潤沢な現金を活用した配当金の支払いと、大規模な自社株買いによるものです 。

 なお、2026年(FY26)1Qの財務CFはマイナス11,799百万ドルでした。2025年(FY25)の通期実績に対する進捗率は22.82%です。大規模投資を継続する中、株主還元も安定的に実施できている点は、同社の財務的な余裕を示しています。本業で稼いだお金を未来への投資に使い、余った分は株主にしっかり戻すという健全なサイクルが維持されています 。

(8)AIインフラへの戦略的投資と圧倒的収益力で持続的な成長を目指す

 マイクロソフト(Microsoft)はAIという次世代の成長の柱を確立するために、過去最大規模の投資を行いながら、同時に過去最高の利益率を達成しています。

 

 私は2026年(FY26)2Qの業績について、売上高80,000百万ドル、営業利益38,200百万ドルを見込んでいます。営業利益率については47.75%という通期平均を上回る高水準になると予想しています。これはAIサービスのためのインフラ投資に伴う減価償却費などのコスト増を、クラウド事業「アジュール(Azure)」とAI機能を搭載した高収益なソフトウェアの販売で、十分にカバーできるという自信の表れと言えます。

マイクロソフト(Microsoft)は「収益性」「成長性」「財務の安定性」といった複数の観点から世界最高基準を満たしており、AI時代における長期的な覇権をより確固たるものにしようとしています。巨額投資をどれだけ早く収益として回収できるのか、そのスピードと株主還元とのバランスに注視しましょう。

 

(本文ここまで)

 
岩田仙吉(いわたせんきち)氏
株式会社タートルズ代表/テクニカルアナリスト
2004年、東京工業大学から一橋大学へ編入学。専門は数理経済学。卒業後、FX会社のシステムトレードプロジェクトのリーダーになり、プラットフォーム開発および自動売買プログラムの開発に従事。その後、金融系ベンチャーの立ち上げに参画。より多くの人に金融のことを知ってほしいと思い金融教育コンテンツの制作に集中するために会社を創業。現在は、ハイリスク・ハイリターンの投資手法ではなく、初心者でも長く続けられるリスクを抑えた投資手法を研究中。
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