欧州タイムに入ると、米連邦検察によるパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長に対する捜査開始との報道を背景にFRBの独立性を懸念したドル売りがやや優勢となり、ドル円は157円後半に押し戻された。
先週末、海外市場で伝わった「高市首相が衆院解散検討に入った」との報道による円売りは一服したが、引き続き解散報道と自民党圧勝の思惑がドル円の下支えとなる。また、先週末に米雇用統計の発表を受けて市場では今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きの観測が高まっていることもドル買い・円売りを後押ししそうだが、日本当局の円買い介入警戒感も強く、160円に向けては揺さぶりながらの動きになりそうだ。
本日のNY市場では主な経済指標の発表は予定されておらず、入札結果を受けた米長期金利の動きやボスティック米アトランタ連銀総裁、バーキン米リッチモンド連銀総裁などの発言に注目。今週は米連邦準備制度理事会(FRB)当局者の発言が相次ぐ予定で、金融政策に関する対外発信を控えるブラックアウト期間入りを前に、発言内容に注目が集まっている。先週末に発表された12月米雇用統計は、非農業部門雇用者数は5.0万人増と予想を下回った一方で、失業率は4.4%、平均時給は前年比+3.8%とともに予想より強い結果となった。市場では今月27-28日のFOMCで金利の据え置きが決定されるとの観測が高まっている。
なお、トランプ米大統領の言動にも注目。年明けから同氏の暴走がエスカレートしている。ベネズエラに軍事介入し、イランへの攻撃やメキシコの麻薬カルテルを念頭に地上攻撃も検討している。また、デンマーク自治領グリーンランドの領有を目指す意向を鮮明にし、キューバにも圧力をかけている。中国への批判は強気姿勢を緩めているが、米国第一主義の下でやり放題だ。また、パウエルFRB議長は自身の昨年の議会証言を巡り、司法省が刑事捜査に関する召喚状を出したと明らかにした。トランプ米大統領が気に食わないパウエル氏に対して圧力を一段と強めた格好だが、FRBが金融政策の信認に不可欠な独立性を維持できるか、重大な局面を迎えている。世界的に地政学リスクが高まりつつあるが、必ずしもリスク回避のドル買いが進むとは思わず、ドル離れが加速することも念頭に置きたい。
・想定レンジ上限
ドル円、2025年1月10日高値158.87円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、日足一目均衡表・転換線157.16円が下値めど。
(金)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
