11日のニューヨーク外国為替市場でドル円は154.95円まで下落した。前週分の米新規失業保険申請件数が弱い内容だったことでドル売りが強まった。ユーロドルは、低調な米雇用関連指標を手掛かりに1.1763ドルまで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円も上値の重い展開を予想。米連邦公開市場委員会(FOMC)で想定ほどタカ派的ではなかった利下げと財務省短期証券の購入決定や、来週の日銀金融政策決定会合での利上げ観測などが材料視されそうだ。
FOMCでは、予想通りの利下げ(※FF金利誘導目標3.50-3.75%)が決定されたが、予想外だったのは、本日12日から月額400億ドルの財務省短期証券の購入を開始決定されたことだろう。今月1日には、400億ドルのバランスシート縮小(米国債50億ドル+住宅ローン担保証券MBS350億ドル)が終了していた。量的金融引締政策(QT)の終えたことで、金融緩和策となった。
本日からの短期証券の購入は、以前のような量的金融緩和政策(QE)ではない。しかしながら「ample reserves(潤沢な準備金)」の流動性供給となるため、金融緩和策ではある。
タカ派的な利下げとなったFOMCのドット・プロット(金利予測分布図)は、2026年に1回の利下げ(▲0.25%=3.25-3.50%)、2027年も1回の利下げ(▲0.25%=3.00-3.25%)が示された。中立金利3.00%がターミナルレート(政策金利の最終到達水準)となっている。
来週の日銀会合では、政策金利0.25%の利上げが予想されている。注目ポイントは、2026年以降のスケジュール感やターミナルレートが中立金利(1.00%-2.50%)のどのあたりまで目指されているのかを見極めることになる。
明日13日は、抗日戦争勝利80年を迎える中国では、南京事件の追悼日となっている。リスクシナリオは、ロシアがウクライナ侵攻に際して原油を武器にした地経学リスクと同様の、レアアース(希土類)の禁輸措置などの強硬策を打ち出した場合であり、円売り・株売りの可能性にも警戒しておきたい。
中国系の報道によると、中国共産党中央政治局委員で外交部長の王毅氏の発言「是可忍、孰不可忍(これが我慢できるなら、いったい何が我慢できぬというのか)」は、極めて強い警告性を持つ政治用語とのことである。過去には、1962年の中印国境戦争や1979年の中越国境戦争の際に使用された用語とされた。王毅氏は国際連合、ドイツ、フランスなどに檄を飛ばして日本包囲網を構築しつつあり、地政学・地経学リスクにも警戒しておきたい。
なお今月の注目イベントとしては、来週辺りに公表予定の「エプスタイン文書」、昨年は11月に米財務省が公表していた「外国為替報告書」、連邦裁判所によるトランプ関税に対する違憲判断、などが挙げられる。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
