
執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
執筆日時 2025年11月28日 15時30分
ロシア側の強硬姿勢は懸念材料、和平協議の行方に注目
ユーロ/円、ポンド/円は堅調
ユーロ/円やポンド/円は底堅い展開でした。米ドル/円が冴えない展開になったため上値は抑えられましたが、対ドルでユーロやポンドが底堅く推移したことがサポート材料となり、ユーロ/円は181.518円まで上昇しました。また、ポンド/円は、英予算で260億ポンド(約5.5兆円)規模の増税策を打ち出し、財政余力が想定以上に拡大する見通しとなったことで、英国売り懸念が後退し、207.203円まで上昇しました。
(各レート水準は執筆時点のもの)
※相場動向については、外為どっとコム総研TEAMハロンズが配信している番組でも解説しています。
予算通過で英利下げ織り込みは9割超
米国主導でウクライナとロシアの和平協議が前進しています。ウクライナのゼレンスキー大統領は「繊細な問題」を巡りトランプ米大統領と協議する用意があるとしながらも、合意に「極めて近づいている」と言明しました。和平協議の進展は欧州の地政学的リスクを軽減する要因となり、ユーロにとっては好材料とみられます。一方で、ロシア側は「いかなる合意も自国の最大目標から大きく逸脱させない」と強調しており、すんなりと合意に至るかどうかは依然として不透明です。合意に達すればユーロが買われる一方、協議が停滞すればユーロが売られる展開となり、和平協議の進展度合いがユーロの目先の方向性を左右すると考えられます。市場は引き続きこの話題に注目しており、短期的なユーロ相場の変動要因として重要視されています。
一方、英国は予算案という難所を乗り切り、無秩序なポンド安の展開は回避されました。こうした点はポンドを下支えする要因と考えられます。ただし、予算案が無事に通過したことで、12月の利下げ観測も強まっています。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では9割超が利下げを織り込んでいます。すでに織り込みが大方済んでいるため、利下げシナリオ自体の市場へのインパクトは限定的とみられますが、それでも金融緩和観測が残る中ではポンドの上値は抑制されやすい状況です。結果として、ポンド/円の上昇は緩やかなペースに留まる可能性が高いでしょう。
ポンド/円、高値から1~1.5%調整付近が押し目の目処(テクニカル分析)
ユーロ/円は、21日ボリンジャーバンドの+1σ~+2σの間をバンドウォークして底堅い展開を続け、184.00円台も射程に捉え始めている様子です。ただ、上昇ペースが速いほか、200日移動平均線との乖離率も7%を超えているため、高値警戒感はあります。高値掴みしないように、丁寧に押し目を拾っていくように心がけたいと考えています。
一方、ポンド/円は下値を切り上げ、2024年の高値208.109円に迫っています。このレベルを超えると、次は210.00円が意識されます。とはいえ、ユーロ/円と同様、上昇ペースが速かったことで、調整への警戒感がくすぶっています。直近3週間程度は、高値から1%~1.5%程度下げた場面で押し目をつける傾向がみられるため、今回も同様の動きとなるなら、204.10付近が押し目の目処となりそうです。丁寧に押し目を拾いたいと考えています。
【ユーロ/円チャート 日足】

出所:外為どっとコム「TradingViewチャート」
予想レンジ:EUR/JPY:179.000-184.000
【ポンド/円チャート 日足】

出典:外為どっとコム「TradingViewチャート」
予想レンジ:GBP/JPY:204.000-210.000
12/1 週のイベント:

一言コメント
トランプ大統領は今秋、社債や地方債を合わせて少なくとも8200万ドル(約127億円)相当を購入したと、米政府倫理局(OGE)が15日公表した資料で明らかになっています。
購入した社債にはNetflixやボーイング、メタ・プラットフォームズなどが含まれているようです。通りで積極的に飛行機を売り込んでいたのですね。
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