本日のNY為替市場では、欧州中銀(ECB)理事会に注目が集まりそうだ。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過したことでFRB要人発言も複数予定されており、こちらも気になるところである。
まずECB理事会について、今回は政策金利の据え置きがコンセンサスとなっている。ECBは6月に利下げした以降は金利据え置きで様子見姿勢を保っている。仮に予想通り据え置きとなった場合、市場の関心が向かうのは声明やラガルドECB総裁会見だろう。前回9月の理事会では、声明で「データに基づき、会合ごとに適切な金融政策のスタンスを決定することを方針」などが明らかとなったほか、総裁は「ユーロ圏経済成長に対するリスクはより均衡が取れてきた」「ディスインフレのプロセスは終了した」などと発言している。前回と比べで景気や金利見通しについて変化がないか確認しておきたい。
また、本日はボウマン米連邦準備理事会(FRB)副議長やローガン米ダラス連銀総裁の発言機会が予定されている。両名とも昨日のFOMCでは0.25%利下げを支持しており、今後の金利・経済見通しについて言及があれば材料視されるかもしれない。
昨日、パウエル米FRB議長が会見で「12月の利下げは決して確実ではない」などと発言したことで年内の追加利下げ期待が後退している。そうした中、大幅利下げを志向しているトランプ米大統領を始め米政府関係者の発言には警戒しておきたい。
ドル円は昨日のFOMCや本日の日銀会合を通過して全般円安が進行しており、欧州市場で153円台後半と2月以来の高値を付けた。本日の東京市場で黒田前日銀総裁から「ドル円は120円から130円前後に向けた円高進行と見込む」との発言も伝わっている。念のため本邦当局者からの円安けん制発言には気を付けたい。
想定レンジ上限
・ユーロドルは、90日移動平均線1.1677ドル。超えると17日高値1.1728ドル
・ドル円は、2月12日高値154.80円
想定レンジ下限
・ユーロドルは、29日安値1.1578ドル。割り込むと9日安値1.1542ドル
・ドル円は、心理的節目の153.00円
(川畑)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
