
執筆:外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村 勉
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今週の振り返り
今週の豪ドル/円は97.79円前後で、ニュージーランド(NZ)ドル/円は86.09円前後で取引を開始しました。21日には日本の第104代内閣総理大臣に自民党の高市総裁が選出され、高市政権の「責任ある積極財政」への期待から週を通して円売りが優勢となりました。22日には「米国が中国への重要ソフトウェアの輸出制限を検討」と報じられたことで米中貿易摩擦を巡る懸念が再燃する場面もありましたが、23日にホワイトハウスが「30日に米中首脳会談を開催する」と発表したことで影響は限定的でした。豪ドル/円は23日に99.55円前後、NZドル/円は24日に87.96円前後まで上値を伸ばしました(執筆時)。
豪四半期CPIがRBAの予想を上回る可能性
16日に発表された豪9月雇用統計では、失業率が前月の4.3%から4.5%へ上昇し、2021年11月以来の高水準を記録しました。RBA(豪準備銀行)は年末時点の失業率を4.3%と見込んでおり、予想を上回る悪化です。労働市場の急速な悪化を受け、RBAが追加利下げに踏み切る可能性が意識されています。
来週29日には豪7-9月期の消費者物価指数(CPI)が発表されます。市場では、総合CPIが前年比+2.9%と4-6月期から伸びが加速し、コアCPIにあたるCPIトリム平均は+2.7%と前期から横ばいになると予想されています。
RBAが8月に公表した金融政策報告では、2025年末時点のCPIを3.0%と見込んでいましたが、9月のRBA理事会議事録では「7月と8月の月次CPIの結果は、7-9月期CPIが8月時点の予想を上回る可能性を示唆している」と指摘されています。
労働市場には減速の兆しが見え始めているものの、労働参加率は過去最高水準付近で推移しており、完全雇用に近い状態が続いています。インフレ率が予想以上に加速し、RBAの目標レンジ(2~3%)を上回るようであれば、RBAが拙速に利下げへ踏み切る必要性は低下するとみられます。
米中首脳会談開催
来週は30日にトランプ米大統領と習近平中国国家主席が米中首脳会談を開催します。豪州は中国と交易関係が強いため、米中関係の悪化は豪ドルにとってネガティブ材料となります。米中貿易摩擦をはじめとした米中関係の動向には引き続き注目していきましょう。
豪ドル/円のテクニカル分析
豪ドル/円の下値は日足一目均衡表の基準線と転換線が目先のサポートとして意識されそうです。その下の水準では、日足一目均衡表の雲が控えています。
一方、上値は再び心理的節目となる100.00円が迫ってきています。この水準や今年の年初来高値(10月9日)の100.95円前後を上抜けた場合には、昨年11月7日高値の102.40円前後が次の上値目途として意識されそうです。
【豪ドル/円 日足・一目均衡表】

予想レンジ:AUD/JPY:97.50-101.50、NZD/JPY:86.50-89.50
10/27週のイベント:
10/29 (水) 09:30 豪 9月消費者物価指数(CPI)
10/29 (水) 09:30 豪 7-9月期四半期消費者物価(CPI)
10/30 (木) 09:00 NZ 10月ANZ企業信頼感
10/30 (木) 09:30 豪 7-9月期四半期輸入物価指数
10/31 (金) 09:30 豪 7-9月期四半期卸売物価指数(PPI)
10/31 (金) 10:30 中国 10月製造業購買担当者景気指数(PMI)
一言コメント:
急に寒くなりました。息子の学校ではインフルエンザがはやっており、外為どっとコム総研も体調を崩しているメンバーが増えてきました。体調管理には十分注意しましょう。
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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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