15日の日経平均は3日ぶり大幅反発。終値は825円高の47672円。寄り付きから3桁の上昇となって節目の47000円を上回ると、場中は上げ幅を広げ続けた。序盤は気迷いムードが強かったが、幅広い銘柄が買われる中、次第にきのうの4桁下落で当面の売りが出尽くしたとの見方が強まった。600円を超える上昇で前場を終えると、後場はスタートから47500円を上回った。14時近辺では、オランダ半導体大手ASMLの決算を手がかりに半導体株が強含んだことから一段高。900円超上昇して47700円台に乗せる場面もあり、高値圏で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で5兆1800億円。業種別では機械、証券・商品先物、非鉄金属などが大幅上昇。下落はサービス、ゴム製品、海運の3業種のみとなった。レーザーテックの動きの良さが目立っており、商いを伴って6%を超える上昇。半面、下方修正を発表したメディカル・データ・ビジョンが、一時ストップ安となるなど急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1409/値下がり179。決算が好感されたイオンが9%を超える上昇となって上場来高値を更新。スキマバイトサービスの提供終了を発表したメルカリが急騰し、この分野でのライバル企業のタイミーにも資金が向かった。証券会社が目標株価を引き上げたソフトバンクGが5.1%高。IHI、三菱重工、川崎重工の防衛大手3社がそろって大幅高となったほか、助川電気工業がストップ高となるなど「高市関連」とみられる銘柄に見直し買いが入った。
一方、決算を材料にカーブスやドトール日レスが大幅安。大黒天物産やイオンファンタジーが2桁の下落率となった。ドル円は円高に振れたものの、ニトリHDや神戸物産など「円高メリット銘柄」とみられる銘柄が軟調。リクルートが3.2%安と弱さが目立った。
本日スタンダード市場に新規上場したライオン事務器は、高い初値をつけた後も買いが続いてストップ高で初日を終えた。
日経平均は大幅高。高く始まり、前場で上げ幅を広げ、後場に伸び悩みかけたところで新たな燃料が投入されて高値圏で終了と、非常に強い動きを見せた。4桁安となった翌日に大半を戻してきたのは印象が良い。今後も政局次第で日々の振れ幅が大きくなる可能性があるが、安くなったところではリバウンド狙いの買いが入りやすくなるだろう。その政局に関しては、21日に臨時国会が召集されるもよう。新しい首相が決まって先行き不透明感が払しょくされたところで、10月下旬から決算発表シーズンに突入していくという好循環が期待できそうな状況となっている。日経平均のきょうの終値は47672円。5日線(47784円、15日時点)付近までは戻してきただけに、早々に同水準を上回ることができるかに注目したい。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
