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【市場概況】東京為替見通し=雇用統計ショックでドル売りか、10月までに50bp利下げ予想も

先週末の海外市場でドル円は、7月米雇用統計の非農業部門雇用者数が予想を下回り、過去2カ月分が下方修正されると米長期金利の大幅低下とともにドル売りが加速した。その後発表された7月米ISM製造業景況指数が予想を下回るとさらにドル売りが進み147.30円まで値を下げた。ユーロドルは一時1.14ドルを割り込んだが、全般ドル売りが優勢になると、1.1597ドルまで値を上げた。

 本日の東京時間でのドル円は、日銀の金利引き上げ観測後退や、先週植田日銀総裁が現行の為替水準を容認したことで円売り要因はあるが、先週の金曜日の雇用統計ショックやニュース等で、市場の流れは一転米国からのドル売り要因が表面化し、ドルの上値が重い展開になりそうだ。

 先週は30日発表の4-6月期国内総生産(GDP)が大幅(1-3月期の-0.5%から+3.0%)に改善し、31日の6月米個人消費支出(PCE)デフレーター、コアデフレーターともに前年比では市場予想を上振れた。6月米消費者物価指数(CPI)も前年比でヘッドラインとコア指数が前月よりも上振れるなど、調査対象やカバレッジも異なる両インフレ指標が立て続けに上昇基調をたどっていることが確認された。この結果を受けて、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、利下げ予想が9月から10月が優勢になり、10月の利下げも25ベーシスポイント(bp)の利下げが60%台にとどまった。

 しかしながら、その流れが週末の7月雇用統計で一転した。特に市場が反応したのが非農業部門雇用者数の過去2カ月(5・6月)分の修正で、これまでの1.6万人増加が25.8万人減少と大幅に下方修正されたこと。市場では6月の州政府と地方自治体の雇用が7万3000人増加とされていたことが、兼ねてから疑問視されていたが、これほどの修正は想定の範囲を超えていた。先週の米連邦公開市場委員(FOMC)で据え置きに反対票を投じた、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、ボウマンFRB副議長は、雇用統計発表直前の会見で「このままでは労働市場の急激な悪化リスクがある」「行動を遅らせることで労働市場の悪化や経済成長のさらなる減速というリスク」などと指摘したことがうなずける結果となった。ボウマン氏が今後のFRBは雇用維持に重点を置くべきとの見解を示したが、これまでインフレの低下が緩やかで、利下げに対して慎重姿勢となっていたほかのFRBメンバーが、FRBの2大責務(物価の安定と雇用の最大化)のうちに雇用を重視する傾向が進む可能性があり、ドルの上値を抑えることになりそうだ。なお、上述したFF金利に基づく利下げ予想は、9月の25bpの利下げ予想が再び9割弱になり、10月には更に25bp(9-10月の合計は50bp)の利下げが過半数を超えている。

 また、米金利の低下をさらに促す要因としては、クーグラー理事が8月8日付で辞任する意向を示したと発表したこと。2026年1月末まで任期があった同理事だが、民主党支持者ということもあり、トランプ米大統領は任期後には自分の息のかかったハト派の人物を後任に充てると見込まれていた。ただ、半年以上も早くクーグラー氏が辞任することはサプライズだった。トランプ氏が後任にハト派を指名することは確実なことで、FRB内で利下げに慎重な理事に更に圧力がかかることも、ドルに重くのしかかることになるだろう。なお、パウエルFRB議長は、議長職は2026年5月15日まで、理事職は2028年1月末まである。ただ、これまで慣例としてFRB議長を退任した後は、理事に残ることはなかった。

 更に、週末にトランプ大統領がマッケンターファー労働省労働統計局長を解任したこともドル売り要因。トランプ大統領はマッケンターファー氏が「カマラ(ハリス氏)の勝利の可能性を高めようとし雇用統計を偽造していた」とSNSで記載している。ただ、ノーベル経済学賞受賞者のクルーグマン氏が今後は統計局の数値を信じることができなくなると批判しているように、米経済指標の信頼性の低下が、米国の信頼性を失うこともドル売り要因になりそうだ。


(松井)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ