
このレポートの概要:米国株式市場と外国為替市場の最新動向と分析
金融マーケットで永く情報発信を行っている田嶋智太郎氏が、米国株式市場の最新動向を詳しく解説します。
米大型ハイテク株の収益期待は根強い
先週10日、またもS&P500種とナスダック総合指数は史上最高値を更新した。このところ、ずっと「市場は買われ過ぎ。調整の時期を迎えつつある」との声が少なからぬ市場関係者らから聞かれているが、一方でエヌビディアをはじめとする米大型ハイテク企業の収益拡大期待には依然根強いものがある。また、目先的には今週から発表が始まる米大手銀行の4―6月期決算に対する期待も強まっている模様。確かに、各行のトレーディング収入が増加しているとの見立てには一定の説得力がある。
S&P500日足チャート

米株価の年末目標を引き上げる動きも見られるが…
先週は、S&P500種の年末目標についてBofAグローバル・リサーチが5600から6300に、ゴールドマン・サックスが6100から6600にそれぞれ引き上げており、そうしたことも市場に強気ムードをもたらしていた。ゴールドマンが目標水準を引き上げたのは、主にFRBの利下げが従来予想よりも早期かつ大幅に実施されると予想していることが理由であるという。ただし、早期に米利下げが実施される可能性について米連邦公開市場委員会(FOMC)参加メンバーらの間で見解が大きく分かれている。
一部メンバーの利下げ判断を慎重にさせている主要因は、関税の行方がいまだ不透明であること。その意味で、この数日、トランプ米大統領が関税に関する姿勢を一段と硬化させていることは大いに気にかかるところである。
米決算発表一巡後の市場の反応は気になる
今週から米主要企業の決算発表もスタートするが、一部の米大手ハイテク企業や米大手銀行を除けば、4―6月期の結果は市場の期待にやや届かないところもあろう。同期間は、一部の業界で関税の脅威に身構える顧客が様子見姿勢を強め、それが収益の拡大ペースを鈍化させた可能性もあると見られる。ゴールドマンは、S&P500種の予想PERを20.4倍から22倍に修正したが、4‐6月期の決算発表が一巡した時点でも22倍前後の水準を下回らなければ、一旦は利益確定の売りに押される可能性もある。
なお、S&P500種は先週7日の下げで「早くも3日に開けた窓を埋める」格好となっており、これは上昇過程の最後に出現しやすいパターンでもある。今後、調整色を一段と強めて25日移動平均線をも下抜ける動きとなれば、次に6月24日に開けた窓を埋めに行く可能性もあるものと心得ておきたい。
ユーロ/ドルの調整度合いにも要注目
このほど、米トランプ大統領はカナダに35%の関税率を通知したほか、欧州連合(EU)とメキシコに対しても30%の関税を適用すると表明した。一段の関税強化姿勢は米インフレを上昇させ、米利下げ期待を後退させることから、足元のドルは再び強含みで推移している。先週末にかけてはユーロ/ドルが21日移動平均線の位置するところまで値を下げており、目先は同線を下抜けるかどうかのまさに正念場となっている。
ひとまずは、今週15日に発表される6月の米消費者物価指数の結果が注目度を高めているが、市場では前回(5月・前年同月比+2.4%)よりも高めの数値を予想する向きが少なくない。仮に6月も基調的な物価上昇圧力が抑制されていたとすれば、それは多くの小売業者が関税前に仕入れた商品の販売を続けているためか、コスト上昇の顧客への転嫁を躊躇しているためで、その場合は企業の利益が蝕まれていることになる。
ユーロドル週足チャート

ドル/円は147円台後半に上値の重さ
ドル/円は先週末にかけて147円台半ばの水準まで戻りを試す動きとなったが、これはドル高というよりも円安の側面の方がかなり強いと見られる。実際、クロス円は全般に強含みで推移しており、最大の要因は20日に控える衆院選で自公の苦戦が伝えられているためであろう。市場は政治情勢の流動化を嫌い、そうした状況は少なくとも開票結果が明らかになるまで基本的には続きそうである。
ただ、当面のドル/円は26週移動平均線や一目均衡表(週足)の基準線が上値抵抗として意識されやすいと考えられ、個人的に147円台後半の水準では戻り売りを検討するのも一法であるものと考える。
ドル円週足チャート

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田嶋智太郎氏
経済アナリスト 慶應義塾大学を卒業後、現三菱UFJモルガン・スタンレー証券を経て、経済アナリストに転身。現場体験と綿密な取材活動をもとに、金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産掲載まで幅広い範囲を分析・研究。 WEBサイトで経済・経営のコラム執筆を担当し、株式・外為・商品などの投資ストラテジストとしても高い評価を得ている。 また、「上昇する米国経済に乗って儲ける法」など書籍も手掛けるほか、日経CNBCレギュラーコメンテーターも務める。
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