
東証プライムの売買代金は概算で5兆4400億円。業種別では銀行、証券・商品先物、鉱業などが上昇した一方、輸送用機器、医薬品、精密機器などが下落した。決算と併せて株主還元方針の変更や中期経営計画を発表したグンゼが後場に買いを集めてストップ高。半面、今期の大幅減収減益計画を提示した西武ホールディングスが、後場に入って急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり570/値下がり1033。米半導体株の大幅高を手がかりに、ディスコ、アドバンテスト、レーザーテックなどが人気化。決算を材料に前日は大きく売られたフジクラに見直し買いが入った。前期は大幅最終黒字となったソフトバンクGが3.9%高。決算と併せて自己株取得・消却を発表した丸井Gや三越伊勢丹が買いを集めた。12時に決算を発表したソニーGは、前引け時点では3%を超える下落であったが、後場は一転して買いが入り、3%を超える上昇で取引を終えた。
一方、トヨタなど自動車株が軒並み安。ドル円が円高に振れたことが嫌気された上に、SUBARUやホンダなどは自身の決算も売り材料となった。川崎重工や三菱重工など防衛関連の一角が軟調。カバー、メイコー、メニコンなどが決算を受けて急落した。MSCIの構成銘柄から除外されたエプソンや安川電機が下落。サンリオは採用が決まったものの、自身の決算が市場の期待に届かず下落した。
日経平均は5日ぶりに反落。ただ、後場には値を戻しており、引け味は悪くなかった。一時300円超下げたものの、安値(37851円)でも5日線(37677円、14日時点)は割り込んでいない。全市場の売買代金トップとなったディスコは、全体が下を試した際にも崩れるどころか上げ幅を広げており、11.1%高と急騰した。米国では4月に15000pを割り込んだナスダックが、きのう13日には19000p台を回復しており、グロース株に流れがきている。きょうは半導体株が買われても全体への好影響は限られたが、強い動きが継続するようなら日経平均は上昇しやすくなるだろう。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ