トランプ関税で不安定な相場展開【マット今井 実践トレードのつぼ】
収録日:2025/5/8
元邦銀ディーラーの今井雅人氏が現状の世界経済を詳細に分析し、今後の為替相場動向まで踏み込み見通しを示します。
動画要約・まとめ
市場状況について
- トランプ大統領の予測不能な行動により、相場に方向感がなくなっている
- ニュースが出るたびに急変動し、元に戻るという繰り返しパターンになっている
- 不安定な中でトレンドが上下する動きが続いている
金融政策
- FOMCは金利据え置きを決定(予想通り)
- トランプ大統領はインフレはないとして利下げを要求していたが、FRBはその圧力に応じなかった
- FRBの独立性と賢明さが確認された
- これによりドルが上昇したが、今後も上下を繰り返す可能性が高い
関税問題
- トランプ大統領の発言に一貫性がなく、真意が不明確
- 関税問題には3つの側面がある:
1. 自動車や鉄鋼などの特定産業への関税
2. 全体にかける相互関税のベース(10%)
3. 相互関税の上乗せ部分
- アメリカ側は相互関税の上乗せ部分のみを議論対象としていると主張
- 自動車が除外されれば日本経済に大打撃となる
交渉の見通し
- そろそろどこかの国が妥結を始める可能性がある
- カナダとの交渉は良いスタートを切れなかった
- 日本やインドが最初に合意する可能性がある
為替相場の見通し
- ドル円は141円台から145円台での上下動が予想される
- 新しいニュースが出るまではこのようなレンジ相場が続く見込み
トレード戦略のアドバイス
- 方向感のない相場では「追っかけ」を避けるべき
- 上がったところで買ったり、下がったところで売ったりしない
- 上昇の初期段階で買うのは良いが、大幅上昇後の買いは避ける
結論
相場は、トランプ大統領の予測不能な政策と発言により方向感を失っており、特に関税問題の行方が不透明。当面(約1ヶ月間)はドル円142-144円程度のレンジ相場が続く見込み。このような不安定な相場では、「追っかけ」取引を避けることが大事。
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今井雅人 氏
1962年生まれ、岐阜県下呂市出身。上智大学卒業後、1985年に三和銀行入行、1987年よりディーリングの世界に入る。1989年から5年間シカゴに赴任、その間多くの著名トレーダーと出会う。日本に戻ってからは為替部門に従事。2004年3月までUFJ銀行の為替部門の統括次長兼チーフディーラーを勤めていたが、同年4月に独立。内外の投資家にも太いパイプを持ち、業界を代表するトレーダーとして活躍するが、2009年8月第45回衆議院選挙に立候補し、初当選。現在は、経済アナリスト活動など多忙な毎日を送る。元東京外為市場委員会委員、東京フォレックスクラブ理事歴任。株式会社マットキャピタルマネージメント代表取締役。
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