このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
X(Twitter): https://twitter.com/KandaTakuya
トランプ関税ショックで3%下落 3日に首脳会談も
メキシコペソは3日のアジア・オセアニア市場で急落。米国のトランプ大統領が1日、不法移民や違法薬物の流入を理由にメキシコに対する25%の関税を4日付で発動したことでペソに売り圧力がかかった。ペソ/円は1月終値の7.503円前後から、一時7.274円前後まで下落し、ドル/ペソは20.6780ペソ前後から21.2932ペソ前後まで上昇。ペソの下落率はいずれも3%前後を記録した。
いわゆる「トランプ関税」に対し、メキシコのシェインバウム大統領は米国に対する報復関税を示唆している。しかし、メキシコの輸出は米国向けが80%を占める一方、米国の輸入に占めるメキシコ製品の割合は15%に過ぎない(いずれも2023年の統計による)。仮に関税合戦となっても経済的な打撃はメキシコのほうが圧倒的に大きいと言える。
なお、トランプ米大統領は3日にシェインバウム氏と電話会談を行うことも発表している。懸案事項の不法移民や違法薬物に関する合意によって関税の発動が撤回あるいは延期となる可能性もゼロではない。ただし、トランプ氏は「劇的な展開はなにも期待していない」「我々は関税を課す。(メキシコは)我々に多額の借金をしており、それを返済することになるだろう」と述べている。安易なペソの押し目買いは避けるのが賢明な局面だろう。
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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