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FX/為替「ドル/円 米財務長官人事でドル売りが先行」 外為どっとコム トゥデイ 2024年11月25日号

外為どっとコム トゥデイ

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2024年11月25日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼22日(金)の為替相場
(1):本邦CPI 市場予想を上回る
(2):冴えない英小売売上高
(3):欧州PMIが予想外の低下
(4):英PMIも悪化
(5):米PMIは約2年半ぶりの高水準

▼22日(金)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:次期米財務長官指名がドル買い手仕舞いのきっかけに?/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

22日(金)の為替相場

期間:22日(金)午前7時10分~23日(土)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):本邦CPI 市場予想を上回る

日本10月消費者物価指数(CPI)は日銀が注目する生鮮食品を除いたコアベースで前年比+2.3%と前月(+2.4%)から小幅に鈍化したものの、市場予想(+2.2%)をやや上回った。生鮮食品とエネルギーを除いたコアコアCPIは前年比+2.3%で、市場予想(+2.2%)および前月(+2.1%)を上回る伸びとなった。

(2):冴えない英小売売上高

英10月小売売上高は前月比-0.7%と市場予想(-0.3%)を超える大幅な落ち込みとなった。自動車燃料を除いた売上高も前年比-0.9%と予想(-0.4%)を大幅に下回った。

(3):欧州PMIが予想外の低下

独11月購買担当者景気指数(PMI)・速報値は製造業が43.2と市場予想および前月(43.0)を僅かに上回った一方、サービス業は49.4と分岐点である50.0を9カ月ぶりに割り込んだ。市場予想は51.7で、前月(51.6)から小幅に上昇すると見られていただけに、失望のユーロ売りが強まった。その後に発表されたユーロ圏11月製造業PMI・速報値は45.2(予想46.0)、同サービス業PMI・速報値は49.2(予想51.6)といずれも冴えない結果となった。これを受けてユーロ売りが加速。ユーロ/ドルが1.04ドルの節目を割り込み下げ足を速めるとユーロ/円も一時160円台を割り込んで下落した。

(4):英PMIも悪化

英11月製造業PMI・速報値は48.6、同サービス業PMI・速報値は50.0だった。それぞれ市場予想(50.0、52.0)を下回った。製造業PMIは2カ月連続で50.0を割り込んだ。サービス業PMIはかろうじて50.0を維持したが水準は今年最低となった。

(5):米PMIは約2年半ぶりの高水準

米11月製造業PMI・速報値は48.8と市場予想(48.9)を僅かに下回った一方、同サービス業PMI・速報値は57.0と市場予想(55.0)を上回った。この結果米11月総合PMI・速報値は55.3となり、2022年4月以来の高水準を記録した。

22日(金)の株・債券・商品市場

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ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ

ドル/円の見通し:次期米財務長官指名がドル買い手仕舞いのきっかけに?

22日のドル/円は終値ベースで約0.2%上昇。欧州通貨に対するドル買いの影響が波及する形で155.03円前後まで強含んだ。ドイツやユーロ圏の11月購買担当者景気指数(PMI)が冴えなかった一方、米国では11月PMI(総合)が2年7カ月ぶりの高水準となり、欧米の景況感格差が意識された。もっとも、ウクライナ情勢を巡る不透明感も相まって対欧州通貨では円も買われたためドル/円は伸び悩んだ。なお、本日のドル/円は154円台前半へとドル売りが先行している。米国のトランプ次期大統領が財務長官にヘッジファンドを率いるベッセント氏を起用したことが影響しているようだ。ベッセント氏は財政赤字削減に言及しており財政面ではタカ派と見られている。関税についてもドル高につながると主張していることから、トランプ次期大統領の積極財政や関税強化に一定の歯止めがかかるとの思惑が出ても不思議ではないだろう。今週後半には米国の感謝祭休暇が控えている。ベッセント次期米財務長官の指名がトランプトレードのドル買いに手仕舞いが入るきっかけとなるか、本日の動きに注目したい。

注目の経済指標:IFO企業景況感指数

注目のイベント:BOE副総裁発言

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kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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