メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 :2024年11月22日15時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
NZドル/円(4時間足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
先週のNZドル/円は上値が重い展開
19日にウクライナと交戦中のロシアのプーチン大統領が核兵器の使用基準を緩和したことから90.10円台に急落しましたが、リスク回避の動きは一時的で早々に91円台を回復。20日には91.80円台まで上昇する場面もありました。しかし、21日には一時90円台前半へ押し戻されるなど再び失速。植田日銀総裁が12月利上げの可能性を排除しなかったことや、ロシアが新型ミサイルを発射したことでウクライナ情勢を巡る不安が再燃するとNZドル売り・円買いが強まりました。ニュージーランド財務省の高官が、来月発表する半期に一度の経済・財政見通しを下方修正する可能性が高いと明らかにしたこともNZドルの重しになった模様です。22日の東京市場では、豪ドル/NZドルが2年ぶり高値を更新して急伸した動き(豪ドル高・NZドル安)につれて10月1日以来の90.03円前後まで下落しました。
今週のNZドル/円の注目ポイントはRBNZ
NZ中銀(RBNZ)は27日の金融政策委員会(MPC)で3会合連続の利下げを行うことが確実視されています。ニュージーランドのインフレ率は7-9月期に前年比2.2%へ鈍化し、RBNZのインフレ目標である1-3%の中間値に接近。失業率は同じく7-9月期に4.8%へと上昇しました。利下げ開始前の4-6月期は、それぞれ3.3%と4.6%でした。これらを背景に、市場は前回の10月会合に続く50bp(0.50%ポイント)の利下げを見込んでおり、政策金利は4.25%に引き下げられる見通しです。ただ、金利先物市場ではより大幅な75bpの利下げを一部に織り込む動きも見られます。こうした織り込みは、仮に利下げ幅が50bpであればNZドルが上昇する可能性を孕んでいると考えられます。もっとも、RBNZが利下げ打ち止めを示唆しない限り、NZドルの上昇は長くは続かないでしょう。前回の声明で示した「現在の経済環境では、景気抑制的な金融政策のレベルをさらに緩和する余地が与えられている」との見解が変更されるのか、あるいは維持されるのかが見どころとなりそうです。
今週のNZドル/円の見通し
予想レンジ
88.750円~91.500円
基調
方向感模索
来週の注目ポイント
☆11/27 RBNZ政策金利
・主要国株価、国際商品価格
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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