◆豪ドル、月次のCPIに注目
◆NZドル、市場はRBNZの先月に続く大幅利下げを予想
◆ZAR、SARBの金融政策発表を通過して一服感
予想レンジ
豪ドル円 99.00-102.00円
南ア・ランド円 8.35-8.70円
11月25日週の展望
豪ドルは25日の10月消費者物価指数(CPI)に注目したい。月次のCPIはヘッドライン・トリム平均値共に夏頃から伸び鈍化の傾向となっており、前回9月はヘッドラインが前年比+2.1%、トリム平均値は同+3.2%であった。伸び鈍化傾向が続く場合は豪ドル相場の重しとなりそうだ。
また、28日には豪準備銀行(RBA)のブロック総裁の講演も予定されている。19日に公表されたRBA理事会議事録(5日開催)では、現時点で政策金利変更の緊急的な必要性については否定した一方で「消費の弱さなど、利下げが正当化されるシナリオを検討」とも指摘。直後の豪ドル円は一時的に弱含んだ。これまで2025年第2四半期とされる利下げ開始時期の見通しについて言及があれば材料視されそうだ。
なお、28日は米国が感謝祭のため、市場参加者の減少で動意薄の展開が見込まれる反面、ウクライナ関連など突発的な報道が出ると薄商いのなかで値が飛ぶ事態も想定されるので要注意。
そのほか、引き続き「トランプ・トレード」によるドル高・株高の流れが続くかにも、注目しておきたい。その場合、豪ドル円は、ドル高による豪ドル/米ドルの下押しと株高の、どちらの影響をより強く受けるか見極めることになろう。
隣国のニュージーランド(NZ)では、27日に年内最後となるNZ準備銀行(RBNZ)金融政策決定会合が控えている。18日に発表された7-9月期卸売物価指数(PPI)は予想を上回る伸びになったとはいえ、市場では50bpの大幅利下げがコンセンサスとなっている。6日に発表された7-9月失業率は4.8%と4年ぶりの水準に悪化するなど、雇用環境の急速な悪化などが重しとなっている様子である。前回10月は50bpの大幅利下げを受けてNZドル売りが優勢となった。今回も大幅利下げとなれば、前回同様にNZドル円に下落圧力が掛かる可能性がある。声明では今後の金利や経済状況などの見通しについても確認しておきたい。そのほか、25日に7-9月期小売売上高が予定されている。
南アフリカ・ランド(ZAR)は方向感模索の展開が続くか。南ア国内では21日に南アフリカ準備銀行(SARB)の利下げ幅が25bpと市場予想通りだったため、材料出尽くし感が漂う。米国では28日に感謝祭を控えており、週後半は市場参加者が減少して動意薄の展開となりやすい。そうした中では、「トランプ・トレード」が出ても本格的な動きは翌月に持ち越しとなるかもしれない。
11月18日週の回顧
豪ドルは対ドルで下げ渋り。0.64ドル半ばでの底堅さを確認すると0.65ドル台半ばまでやや値を戻した。対円では99円半ばから101円台後半に切り返すも、ドル円が伸び悩んだためやや上値が重かった。
ZARは対ドルで18ZARを挟んで小動きとなる中、対円では8.60円台では上値が重く、8.40円台では底堅さを見せるなど、方向感模索の動きとなった。(了)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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