このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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トランプ再選、ペソは「悪材料出尽くし」とは言い難い状況
メキシコペソの値動きが不安定だ。11月5日の米大統領選で共和党のトランプ氏が勝利したことから、6日から7日にかけて「ひとまず悪材料が出尽くした」として買い戻しが入ったが、8日には再び売りが強まった。ペソ/円は7日に7.766円前後まで上昇して約1カ月ぶりの高値を付けたが、8日にはほぼ米大統領選前の水準へと押し戻される形で一時7.528円前後へと反落した。
トランプ氏は選挙直前の4日、メキシコが米国に越境する不法移民を放置するなら「メキシコからのすべての輸入品に25%の関税を課す」と発言。大統領選で勝利した場合は「就任初日かそれより早く、彼女(シェインバウム大統領)に通告しようと思う」と語った。また「メキシコは(米国への輸出で)大もうけしている」とも指摘した。
なお、8日にはトランプ次期政権が、対外強硬派で知られるライトハイザー氏に通商代表部(USTR)代表に就任するよう要請したことも一部報道で伝わった。ライトハイザー氏は1期目のトランプ政権でもUSTR代表を務めており、当時中国の対米貿易黒字を問題視して同国に貿易戦争を仕掛けた当事者だ。トランプ次期政権はメキシコとの通商政策において、想定以上の強硬姿勢を採る公算が高まっていると見るべきだろう。ペソについては「ひとまず悪材料が出尽くした」とは言い難い情勢で、トランプ氏の言動がペソ売り材料になりやすい地合いが続きそうだ。
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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