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【見通し】NY為替見通し=ドル円、米指標を確認しながらの取引か ポンドは英予算案に注目

本日のNY市場でのドル円は、米国で複数の重要な経済指標の発表が予定されており、それらを確認しながらの取引となるか。

 まずは、21時15分に発表される10月ADP雇用統計に注目したい。市場予想は11.4万人増と前回14.3万人増を下回ると見られている。昨日の9月雇用動態調査(JOLTS)求人件数が予想を下回った事でドル円が60銭超急落したことを踏まえると、予想より弱い結果となった場合は要警戒か。とはいえ、これまで市場の目線が米雇用状況の緩みを背景として米利下げに向いていたことを考えると、予想を上回る場合は米国の年内利下げ観測の後退を背景にドルが買われることもあり得る。

 また、ADPの15分後には、7-9月期米四半期国内総生産(GDP)速報値などが発表される。市場予想はGDPが前期比年率+3.0%、コアPCEは同+2.1%、GDP個人消費は同+3.3%(前回:+3.0%、+2.8%、+2.8%)となっている。どうしてもGDPに目を向けがちだが、コアPCEやGDP個人消費も含め、総合的に判断するようにしたい。

 本邦の政局について、衆議院選挙を通過したが、依然として11月11日の特別国会の召集までは与野党の動向を見守る展開が続いている。これまでの自民・公明の連立政権が与党であり続けるには、維新や国民民主などと手を組む必要がある。市場はその点に着目し、日銀の早期利上げ観測の後退や拡張的な財政政策への期待から円売り・株高の反応となっている。もし、この期待が失望に変わるタイミングがあれば、これまでの円安・株高の流れが巻き戻される恐れがある点には留意したい。

 そのほか、本日はNY市場序盤に英国でリーブス財務相が議会に予算案を示す予定となっている。今回は労働党に政権が交代して初の予算案となる。市場では、前保守党政権が残したとされる220億ポンドに上る政府の「ブラックホール」を埋めるために、増勢が不可避と見られている。約2年前に当時のトラス首相が財源の裏付けがない大型減税を打ち出し、国債売りの殺到とポンド暴落を招いたのは記憶に新しい。スターマー英首相が率いる労働党新政権が投資家を不安に陥れる予算案を発表する公算は低いとみられており、どのような内容が示されるか、まずは手腕に注目したい。


想定レンジ上限
・ドル円は28日と7月31日の高値153.88円。超えるとピボット・レジスタンス2の154.44円
・ポンドドルは日足・一目均衡表の雲下限1.3048ドル。超えると15日高値1.3103ドル

想定レンジ下限
・ドル円は現時点での本日安値152.81円。割ると25日高値152.38円。
・ポンドドルは28日安値1.2940ドル。割ると23日安値1.2908ドル。



(川畑)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ