オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
豪ドル(AUD)トレードに関わる現在までの相場トピック
・NY原油先物市場は大幅続落。終値は前営業日比+0.28ドルの1バレル=70.67ドル(10月17日)。
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・10月17日発表の豪9月雇用統計は、雇用者数が6.41万人の増加と市場予想(2.50万人増)を上回った。また失業率と労働参加率はそれぞれ4.1%、67.2%となった。失業率は上方修正された前月から横ばい、労働参加率は過去最高だった。
・10月1日に発表された豪8月小売売上高は前月比+0.7%と市場予想(+0.4%)を上回った。
・9月25日に発表された豪8月消費者物価指数(CPI)は前年比+2.7%となり、市場の予想通り前月(+3.5%)から鈍化した。7月31日に発表された豪4-6月期CPIは前年比+3.8%となり、市場予想通りに前四半期(+3.6%)から加速した。
・9月24日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。政策金利は4.35%で据え置きとなった。その後ブロック総裁は「今回は利上げをまったく検討しなかった」ことを明らかにした。
今日の豪ドル(AUD)トレード メインシナリオ
中国と交易関係の強い豪ドルだが、今回は経済指標への反応は薄い?
昨日発表された豪9月雇用統計は非常に強い結果となった。この結果を受けて、短期金利市場が織り込むRBAの年内利下げの可能性は5割程度から3割弱まで低下している。ただ、豪ドルの反応は短期的なもので終わった。昨日は、その後に中国の住宅都市建設省が会見を開く予定だったからだ。豪州は中国と交易関係が強いため、良くも悪くも中国の景気動向が豪ドルの動きに影響を与えてしまう。
本日は中国の7-9月期国内総生産や9月小売売上高、9月鉱工業生産などの経済指標が発表される。市場は中国のGDP成長率は4‐6月期の+4.7%から+4.5%減速すると予想している。中国の景気減速が当初の想定以上に根深いためだ。ただ、中国政府は9月下旬に一連の経済支援策を打ち出している。そのため、明日発表の中国の経済指標が市場予想から小幅に悪化していたとしても、市場は今後を向いていることから「過去の話」として反応は限定的となりそうだ。
豪ドル/円 最新チャート分析
今後の注目経済指標・イベント
米中株価動向
11:00 中国7-9月期GDP、9月小売売上高、9月鉱工業生産
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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