◆豪ドル、RBAはタカ派姿勢を維持
◆豪ドル、対ドル・対円で金利面での優位性を維持する方向へ
◆ZAR、国民統一政府(GNU)への期待が相場を下支え
予想レンジ
豪ドル円 98.00-102.00円
南ア・ランド円 8.10-8.70円
9月30日週の展望
豪ドルは底堅い動きとなりそうだ。来週は豪州から複数の経済指標が発表される予定となっているが、相場への影響は一時的なものにとどまるだろう。豪準備銀行(RBA)の利下げ開始時期が後ずれするとの思惑が広がるなか、金利先高観を手掛かりにした豪ドル買いが入りやすい状況が続くと予想される。
RBAは23-24日に開催された理事会で、政策金利を4.35%に据え置くことを決定。声明文では「インフレ率が持続可能な形でターゲットレンジに向かって収束していると確信できるまで、金融政策は十分に引き締め的である必要」「インフレが持続的に目標に戻るのは2026年と見込む」など、これまでとほぼ同様のタカ派的な見解が示された。また、ブロックRBA総裁はその後の会見で「政治とは距離を置きたい」「リセッション入りの回避を目指すが保証はできない」などと言及。「RBAの利上げが豪経済を破壊している」と異例の中銀批判を行ったチャーマーズ豪財務相をけん制しつつ、経済的な犠牲を負ってでもインフレ抑制を目指す姿勢を改めて示した。
RBAのタカ派姿勢が再確認されたことで、年内の追加利下げが見込まれている米国との方向性の違いが改めて意識されることになるだろう。また、日銀の追加利上げペースが今後は鈍化するとの予想も市場で広がりつつあるため、豪ドルは対ドル・対円でともに金利面での優位性を維持できそうだ。なお、来週は10月1日に8月住宅建設許可件数や8月小売売上高、3日に8月貿易収支の発表が予定されている。
南アフリカ・ランド(ZAR)は堅調地合いが継続しそうだ。今週発表された8月卸売物価指数(PPI)は前年比で昨年7月以来の水準まで伸びが鈍化し、同国がこれまで苦しんできたインフレからの脱却が着実に進んでいることが確認された。また、国民統一政府(GNU)に対する期待も足もとのZAR相場を下支えしている。ラマポーザ大統領は政府代表団を率いて今週米国を訪問し国連総会で演説を行ったほか、ビジネスフレンドリーなGNUとして米国企業と相次いで対談し、「南アへの投資に関してイーロン・マスク氏と会談した」とも報じられている。実際にGNUの結成後は複数の企業が南ア向け投資を増加、もしくは投資撤退計画を撤回しており、当面はこうしたGNUへの期待感がZAR買いの材料として意識されそうだ。
9月23日週の回顧
豪ドルは底堅く推移した。米連邦公開市場委員会(FOMC)の追加利下げ姿勢が手掛かりとなり、対ドルを中心にしっかり。RBAが従来からのタカ派的な金融政策を維持したこともあり、対円では7月31日以来の高値水準となる100円台まで上値を伸ばしている。
ZARも堅調な展開となった。対ドルでは一時17.13ZAR台と昨年2月以来のZAR高水準を更新。対円でも7月30日以来の高値となる8.46円台まで値を上げた。(了)
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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