26日の日経平均は大幅反発。終値は1055円高の38925円。米国株は3指数がまちまちとなったが、ナスダック高や円安進行に好反応を示して、寄り付きから400円近い上昇。決算を発表した米マイクロンの時間外の急騰を受けて半導体株の多くが大幅高となり、指数は高く始まった後も買いが続いた。前場のうちに上げ幅を900円超に拡大。後場は値動きが落ち着いたものの、強い基調が継続した。終盤にかけては一段高となって上げ幅を4桁に広げており、38900円台に乗せて高値引けとなった。
東証プライムの売買代金は概算で5兆2300億円と、大きな動きが出てくる中で商いも膨らんだ。業種別ではその他製品、金属製品、電気機器などが大幅上昇。ゴム製品、鉱業、陸運などが小幅な上昇にとどまった。半導体株が全体をけん引する中、ディスコが9%を超える上昇。半面、前日に上場したROXXが手じまい売りに押されて急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1580/値下がり56。ディスコ以外にも東京エレクトロン、アドバンテスト、TOWA、コクサイエレなど半導体株が急伸。本日からゲーム見本市「東京ゲームショウ」が開催されており、コナミG、カプコン、スクエニHDなどゲーム株が買いを集めた。1Q決算が好感された日本オラクルが11%高。円安進行を好感して、トヨタ、ホンダ、SUBARUなど自動車株に強い動きが見られた。
一方、サンバイオやセルシードなどバイオ株の一角が急落。円安を嫌ってニトリHDや神戸物産が売りに押された。上期決算が失望材料となったセキチューが大幅安。レーザーテックは終値ではかろうじてプラスを確保したものの、証券会社の投資判断引き下げを受けて強めに売られる場面があった。
本日はグロース市場に4社が新規上場。アスアとグロースエクスパートナーズは初値が公開価格を上回り、終値は初値を上回った。キッズスターは公開価格割れからのスタートとなったが、終値は初値を上回った。INGSは公開価格を上回る初値をつけ、初値と同値で終えた。
日経平均は4桁の上昇。自民党総裁選のご祝儀買いが前のめりで入ったようでもあるが、全面高で引け味も良く、力強い動きとなった。あすは9月の権利落ち日で、きょうの反動も出てくるかもしれないが、多少下に値幅が出たとしても警戒ムードは高まらないだろう。13時から始まる予定の自民党総裁選に注目が集まる。候補者も多く、決選投票にもつれ込むとみられている。なお、決選投票の場合、取引時間中には結果が判明しない公算が大きい。
前回、2021年9月の総裁選では、1回目の投票では決まらず、1位の岸田文雄氏と2位の河野太郎氏で決戦投票となり、岸田氏が自民党総裁を勝ち取った。この時は岸田氏が1位になったことがややサプライズで、この結果が伝わった直後に日経平均は大きく崩れる場面があった。
今回は、決選投票に残る有力候補が石破氏、高市氏、小泉氏。高市氏はアベノミクスを継承するイメージが強く、マーケットは歓迎すると思われる。小泉氏は経済面での色はあまりついていないが、次回の選挙に勝てるトップとの期待が高い。一方、石破氏は金融所得課税強化について言及しており、知名度や国民人気は高いものの、株式市場はネガティブな反応を示す可能性がある。なお、石破氏は党員人気が高く決選投票に残る最有力とみられている一方、議員票の影響力が大きくなる決選投票では相手が高市氏、小泉氏のどちらであっても苦戦するとの見方が多い。
誰がトップに立ってもここからがお手並み拝見となるため、あすの指数が荒い動きになったとしても冷静な対応を心がけたい。とはいえ、あす一段高となるようなら、日本株には買いが入りやすくなると期待できる。8月5日に暴落した後の戻り高値が9月2日の39080.64円。これを難なく超えてくるようなら、来週も強い基調が続くだろう。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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