金融政策の転換期:FOMC利下げと日銀の慎重姿勢が市場に与える影響【マット今井 実践トレードのつぼ】
収録日:2024/9/26
元邦銀ディーラーの今井雅人氏が現状の世界経済を詳細に分析し、今後の為替相場動向まで踏み込み見通しを示します。
目次
0:00 今回のダイジェスト
0:40 FOMC・日銀会合後の市場の反応
2:18 市場の過剰反応と修正局面
2:48 今後の注目点と市場見通し
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動画要約・まとめ
FOMC・日銀会合後の市場の反応
先週、FOMCと日銀の金融政策会合という2大イベントが終了しました。今週は大きな材料がない中、市場はやや方向感を失い、わずかに揺れ動いている状況です。依然として先週のFOMCと日銀の決定の影響を受けている状態が続いています。
FOMCは0.5%の利下げを実施しましたが、11月と12月の利下げ幅は各0.25%程度になるのではないかという見方が広がっています。この見方は、ドットチャートの内容とパウエルFRB議長の発言に基づいています。パウエル議長は、今後の利下げが0.5%のペースで続くわけではないと述べました。
日本銀行の植田総裁も、すぐに追加利上げを行う状況ではないと発言しました。これにより、市場が抱いていたFOMCの急速な利下げ期待や日銀の年内追加利上げ観測が冷めることとなりました。
この結果、アメリカの金利がゆっくりと低下する見通しとなり、ドル安の動きが一時停止しました。また、緩やかな利下げは株式市場にとって好環境となり、ニューヨークダウは連日最高値を更新しています。これに伴い、円安が若干進行しています。さらに、日銀の追加利上げ期待の低下も円安要因となっています。
市場の過剰反応と修正局面
ただし、これらの動きは市場が先走った分の修正過程であると捉えておきたいと思います。FOMCの大幅利下げ期待や日銀の追加利上げ期待といった過剰な見通しの修正が行われている状況です。この修正が終わればまた相場は揉み合いに入る可能性が高いでしょう。
パウエルFRB議長の発言とその影響
会合後の記者会見でパウエル議長は、今回の0.50%の利下げはFRB(連邦準備制度理事会)の強い決意を示すものだと強調しました。しかし同時に、今後も同じペースで利下げを続けると考えてほしくないとも述べました。つまり、最初に大きな決意を示しつつ、その後はより慎重なペースで進めるという方針を示唆したのです。
今後の注目点と市場見通し
今後の争点としては、年内にアメリカがどの程度の利下げを行うかが挙げられます。現在の主流な見方は、0.25%の利下げを2回、合計0.5%というものですが、まだ不確定要素が残っています。経済指標次第では、より大幅な利下げの可能性もあります。そのため、今後のCPIや雇用統計などの経済指標に注目が集まることになるでしょう。
今週は大きな材料に乏しい週となり、ポジション調整が行われる可能性が高いです。
ただし、金利差に着目したトレードが主流に戻ることは難しいと考えられます。例えば、メキシコペソなどは7.5円程度が上限となり、それ以上の上昇は厳しいのではないかと予想されます。
現在の市場はトレンドを見出しにくい状況にあります。そのため、細かいトレードを意識して取り組むことが重要となるでしょう。
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今井雅人 氏
1962年生まれ、岐阜県下呂市出身。上智大学卒業後、1985年に三和銀行入行、1987年よりディーリングの世界に入る。1989年から5年間シカゴに赴任、その間多くの著名トレーダーと出会う。日本に戻ってからは為替部門に従事。2004年3月までUFJ銀行の為替部門の統括次長兼チーフディーラーを勤めていたが、同年4月に独立。内外の投資家にも太いパイプを持ち、業界を代表するトレーダーとして活躍するが、2009年8月第45回衆議院選挙に立候補し、初当選。現在は、経済アナリスト活動など多忙な毎日を送る。元東京外為市場委員会委員、東京フォレックスクラブ理事歴任。株式会社マットキャピタルマネージメント代表取締役。
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