メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 :2024年9月13日16時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
豪ドル/円(4時間足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
先週の豪ドル/円は94~95円台を中心に一進一退の展開
9日の海外市場では欧米株高を背景に95.71円前後まで上昇。しかし、10日は原油価格が需要の減退を巡る懸念から大幅安となり、資源国通貨が売られた動きに沿って94円台へと反落しました。11日には米8月消費者物価指数(CPI)を受けてドルを買い戻す動きが強まる中、豪ドル/米ドルの下落につれて8月6日以来の安値となる93.60円前後まで下落しましたが、93円台での取引は数時間にとどまりました。ドル/円と原油価格の反発を背景に94円台、95円台を相次いで回復。翌12日には日本株の大幅高を受けて95.67円前後へと上昇しましたが週初の高値を前に伸び悩むと、13日にかけて再び94円台へと押し戻されるなど、方向感を欠く値動きが続いています。
今週の豪ドル/円の注目ポイントは雇用統計
今週19日に、豪8月雇用統計が発表されます。豪中銀(RBA)の経済部門を率いるハンター総裁補は先週11日、労働市場は依然としてひっ迫しているものの、緩和に向かっているとの認識を示した上で「われわれの評価が誤っている可能性もある。状況は予想よりもタイトかもしれないし、労働需要の伸びが予想を上回るかもしれない」と発言。今後、利下げに向かうにしても労働市場の動向を見極めた上で判断する考えを示したものと見られます。そうした中で、市場は8月雇用統計が労働市場のひっ迫緩和を示す内容であれば利下げ観測を強める形で豪ドル売りに傾きやすい反面、労働市場のひっ迫が続いていることを示せば利下げ観測の後退による豪ドル買いが優勢になると考えられます。豪8月雇用統計の市場予想は新規雇用者数が2.50万人増、失業率は4.2%となっています。新規雇用者数は過去6カ月の平均である5.09万人増を大幅に下回る見通しで、失業率は2022年1月以来の高水準だった7月から横ばいの見通しとなっています。
来週の豪ドル/円の見通し
予想レンジ
93.000~96.000円
基調
方向感模索
来週の注目ポイント
☆9/19 豪8月雇用統計
・主要国株価、国際商品価格
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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