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【見通し】株式明日の戦略-1勝4敗も週間ではプラス、日米中銀の手綱さばきに注目が集まる

13日の日経平均は大幅反落。終値は251円安の36581円。米国株高を受けて小幅に上昇して始まったが、すぐにマイナス圏に沈んで下げ幅を3桁に広げた。ナスダックが強かったことから半導体株には買いが入った一方、円高が嫌気されて多くの銘柄が売られる展開。安く始まった後は、押しては幾分戻すといった動きを繰り返した。後場のスタート直後には節目の36500円を割り込む場面もあった。下げ幅を300円超に広げてくると下値が固くはなったが、東京時間でドル円が141円を割り込むなど円高に対する警戒は強く、低空飛行が継続。200円を超える下落で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆2100億円。メジャーSQの割には商いは盛り上がりに欠けた。業種別では海運、鉱業、鉄鋼などが上昇した一方、ゴム製品、輸送用機器、医薬品などが下落した。株主還元強化策を発表した鎌倉新書がストップ高。半面、下方修正を発表したジャパンM&Aソリューションがストップ安となった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり358/値下がり1234。証券会社の新規カバレッジが入った川崎重工が7.3%高。三菱重工やIHIも連れ高した。ディスコ、東京エレクトロン、アドバンテストなど半導体株が全般堅調。商船三井など海運株や、神戸鋼など鉄鋼株にしっかりとした動きが見られた。1Q決算が大幅な増益となったスマレジや東建コーポが急伸した。

 一方、円高進行を嫌気して、トヨタ、マツダ、SUBARUなど自動車株が軒並み安。人員削減を発表したリコーが弱く、オフィス事務機を手がけるキヤノンに警戒売りが広がった。決算を受けてビジョナルやタイミーなど人材サービス系の銘柄が派手に下げており、3Q営業赤字のギグワークスがストップ安。グッドコムアセットは3Q累計では大幅増益となり、自己株取得も発表したが、通期計画に対する進ちょく率の低さが嫌気されて急落した。

 日経平均は大幅安。半導体株がようやく持ち直しそうな動きとなってきたが、多くの銘柄はそれについていけなかった。直接的な下げの理由は円高だろうが、円高メリット銘柄として買われたのは神戸物産くらいで、ニトリHDやセリアなどは下落している。円高がデメリットとなる自動車株はしっかり売られているだけに、こうなると資金の振り向け先が乏しくなってくる。

 ドル円に関しては、来週は日米の中銀イベントがあるため、もうしばらくは荒い動きが続くと思われる。半導体株が奮起できるかがポイントになるだろう。半導体株はエヌビディアなど米国のグロース株が強ければ、為替変動には鈍感になることもある。円高になる理由が米金利の低下(ドル安要因)で、エヌビディアが騰勢を強めるようなら、生成AI期待が再び高まる展開も期待できる。東京エレクトロンは週初の9日に年初来安値を更新したが、週間では7.6%高と大きく上昇した。9月FOMCの利下げ幅が0.25%であろうと0.50%であろうと、利下げ自体がグロース株にはフォローの材料。日本のグロース株の筆頭として、半導体株には強い動きを期待したい。


【来週の見通し】
 波乱含みか。月曜が休場で4日立ち合い。FOMC(9/17~18)と日銀金融政策決定会合(9/19~20)を消化する週となる。FOMCでは利下げが確実視されており、利下げ幅は0.25%が濃厚とみられているものの、0.50%もあるかという状況。日銀会合に関しては、今回は現状維持の公算が大きい。日銀が現状維持ならどちらもハト派的ではあるだけに、株高につながる展開にも期待は持てる。ただ、米国が0.50%の利下げに踏み切った場合、為替は大きく円高(ドル安)に振れるリスクがある。日銀に関しては、さらなる利上げはないとみるが、微修正であっても金融引き締めに関する話が出てきた場合、日本株は神経質に反応するだろう。植田総裁の会見が注目されるが、これは金曜20日の引け後で、東京市場は翌週月曜の23日が休場。各種材料に一喜一憂しながらも先行き不透明感は払しょくしきれないであろうから、不安定な動きが続くと予想する。

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ