11日の日経平均は大幅に7日続落。終値は539円安の35619円。ダウ平均の下落や円高進行を嫌気して、3桁下落スタート。開始早々に下げ幅を400円超に広げた。10時の米大統領選候補者によるテレビ討論会を前にいったん鋭角的に値を戻したものの、36000円近辺で戻りは一巡。10時台半ばにドル円が円高に振れたことから、再び下げ幅を広げた。400円程度下げたところでは何度か踏みとどまっていたが、後場に入ってドル円が141円を割り込み140円台に突入すると、一時買い手不在の状態に陥った。14時台半ばには下げ幅を900円超に拡大。4桁安は回避して35200円台で下げ止まると、終盤にかけては円高に一服感が出てきたこともあり、幾分値を戻した。
東証プライムの売買代金は概算で4兆1900億円。業種別では全業種が下落しており、下げが相対的に軽微であったのは電気機器、医薬品、情報・通信など。一方、鉱業、石油・石炭、不動産などが大きめの下落となった。前日開催された「IR Day」が評価された富士通が逆行高。半面、原油価格下落を嫌気して、INPEXの下げが大きくなった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり105/値下がり1523。売買代金上位銘柄では、レーザーテック、ソフトバンクG、三井物産が逆行高。1Qが営業黒字となったgumiがプライムの値上がり率トップとなった。上方修正と増配を発表した扶桑電通が急伸。海外の大手半導体関連メーカーから大口受注を獲得したと発表したAIメカテックが場中は値が付かずストップ高比例配分となった。
一方、円高進行を受けて、トヨタ、ホンダ、日産自動車など自動車株が軒並み大幅安。連日の株安を受けて、野村HDや大和証Gなど証券株が売りに押された。米長期金利が大きく低下する中でも三井不動産や三菱地所など不動産株が全般軟調。円高が進行する中でも良品計画やサイゼリヤが大幅安と、外部環境を追い風にできそうな銘柄も嫌われた。地合いの悪い中、下方修正を発表した三井ハイテックがストップ安となった。
日経平均は大幅安。円高への警戒が拭いきれない中で、買いを入れたくなる材料がないため、簡単に下に値幅が出る。7日続落となっている間は日本株の弱さが際立っており、世界株安ではない。政治の世界では自民党総裁選の話題で持ちきりとなっている中で、株安が進んでいるのも印象が悪い。候補者にマーケット感覚があるのかどうかが試されているようでもある。
本日の米8月消費者物価指数(CPI)を確認する前に、ドル円は141円を割り込む場面があった。日経平均が4451円安となった8月5日の水準よりも円高が進んだという状況。昨年の12月に円高が進んだ局面では、140円に接近したところで切り返している。そのため、あっさり140円を割り込んでしまうと、短期的には円高に勢いがつく可能性がある。そうなった場合には、少なくとも来週のFOMC(9/17~18)もしくは日銀会合(9/19~20)辺りまでは日本株の反転は期待しづらい。一方、今回も昨年末同様に140円割れを回避できれば、十分値ごろ感は醸成されているだけに急反発も期待できる。円高加速かそれとも一服か、140円近辺の攻防が大きく注目される。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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