このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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メキシコ司法制度改革案巡りペソは4カ月連続陰線の可能性高まる
6月にメキシコで大統領選・議会選が行われて以降、ペソの月足は対円のみならず対ドルでも陰線引けが続いている。ペソは9月に入っても下げ止まらず、対円では先週6日に7.061円前後まで下落して昨年3月以来の安値を付けた。足元のペソ安材料は、メキシコ議会で司法制度改革案が承認される可能性が高まったことだ。今月末で退任するロペスオブラドール大統領が推し進める同案には、最高裁を含む判事の公選制が盛り込まれており、成立すれば政権に近い人物が判事に選ばれやすくなることから、「民主主義の大きなリスク」になるとして国際的に批判を浴びている。それでもロペスオブラドール大統領は、そうした批判を内政干渉だと一蹴。先週4日に下院を通過した司法制度改革案は、与党が多数を占める上院でも可決される公算が大きい。なお、同案の成立はこれまでペソ相場を支えてきたニアショアリング(生産拠点を最終消費地である米国の近隣に移転させること)の動きを妨げるとの見方もある。9月相場はスタートしてまだ1週間余りだが、今月もペソの月足が陰線引けとなる可能性が高まっている。
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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