
本日のドル円相場は、手掛かり材料を欠く中で株価をにらんだ展開となるか。前週末のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長講演を受け、米9月利下げが既定路線となるも、足もとのFedWatchを見ると、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ予想は0.25%が6割となっており、一時期高まった0.50%の利下げ予想は4割弱に留まっている。ドル円は週初の26日こそ143.45円まで下落したが、その後は143円台では底堅さを見せており、前週末からのドル売りの動きは一服している。次に市場の関心が向かいそうなのが、明日の8月東京都区部消費者物価指数や7月米PCEデフレーターであり、それまでは144円台を中心として積極的には動きづらい展開となるかもしれない。
そうした中ではあるが、エヌビディア決算を受けた株価の動きには注意したい。第2四半期決算では調整後の1株利益は0.68ドルと予想の0.64ドルを上回ったものの、時間外取引では一時7%超下げる場面があった。時間外の米国株のほか、日経平均に影響が及ぶことがあれば、ドル円相場を動かすことも考えられる。
なお、本日アジア時間には、NZで8月ANZ企業信頼感が、豪では4-6月期四半期民間設備投資が、それぞれ発表される。足もとの豪ドル/NZドル相場は、利上げ観測が根強い豪と追加利下げ観測がくすぶるNZとの金融政策の方向性の違いから、豪ドル高/NZドル安の流れとなっており、昨日は一時1.0856NZドルまで下落して5日安値1.0844ドルに迫った。いずれも相場を大きく動かす指標ではないが、金融政策の方向性の違いが一段と意識される場合、5日安値割れを試す場面もありそうだ。
(川畑)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ