執筆日時:2024年6月10日11時40分
執筆者 :株式会社外為どっとコム総合研究所 小野 直人
※チャート:ドル/円-5分足 外為どっとコム「ネオチャート」
NFPの大幅上振れから157円台へ急騰、年内2回利下げ後退
6月7日に発表された、米国の5月非農業部門雇用者数(NFP)は市場予想の18.5万人増のところ、27.2万人増と予想を大幅に上回りました。また、時間給も前月比で0.4%と伸びが加速しました。一方で、失業率は4.0%へ悪化しました。結果を受けて、米国のソフトランディング期待が強まり、市場が織り込みつつあった年内の2回利下げ期待は後退しました。ただし、家計調査の就業者数が40.8万人減少していて、事業所調査と家計調査の乖離がさらに広がる格好になっており、ヘッドラインから受ける印象よりも労働市場は脆弱な可能性はあります。
指標後、155.43円付近だった米ドル/円は、156.59円付近へ急騰。その後も、4.43%付近まで上昇した米長期金利を支えにして157.072円までレンジ上限を広げました。かたや株式市場は金利高からさえない展開となり、ダウ平均株価は前日比87.18ドル安い38798.99ドルで終了しました。
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米雇用統計の予想と戦略(先行記事へのリンク)
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