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ドル/円、140円が視野に…日銀政策修正観測の後退で円売り強まる(NY市場の見通し)

ドル/円、140円が視野に…日銀政策修正観測の後退で円売り強まる

東京市場のドル/円は、強含みの展開。序盤は139.00円台を挟んだもみ合いが続きましたが、日本株高を背景としたリスク選好の円売りが強まると午後には139.48円前後まで上伸しました。

欧州市場に入ると、米長期金利が低下したことで139.20円前後まで下押しするも欧州株が堅調地合いとなったことなどから円売りが加速。一時139.89円前後まで上値を拡大しています。

足元では、昨日の植田総裁の発言を受けて日銀の政策修正観測が後退したことから円売りが強まっています。ドル/円は139円台で上値を模索しており、目先は10日移動平均線が位置する140.00円の水準が上値抵抗として意識されそうです。他方で、今夜は景気動向指標の米6月住宅着工件数に関心が集まります。市場予想は148.0万件(前回:163.1万件)で2カ月ぶりに減少する見込みです。

ドル/円をテクニカル分析で見ると、80日移動平均線を支持に反発すると139円台を回復しました。RSIが50ラインから上向いていることもあり反発局面となる可能性があります。ただ、目先は10日線が位置する140.00円の水準が上値抵抗と意識されて反落することも考えられるため注意しましょう。

ドル円 日足チャート

この後の経済イベント

7/19(水)
20:00 米MBA住宅ローン申請指数
20:00 南ア5月小売売上高
21:30☆米6月住宅着工件数
21:30 米6月建設許可件数
23:30 EIA週間原油在庫統計
25:00 ラムスデンBOE副総裁講演
26:00 米20年債入札(120億ドル)

7/20(木)
08:50 日本6月貿易統計
10:30☆豪6月新規雇用者数
10:30☆豪6月失業率
※☆は特に注目の材料

最新の経済指標カレンダーはこちら ↓↓↓
https://www.gaitame.com/markets/calendar/

今日の注目トピック

来週28日に日銀金融政策決定会合が予定されており、一部では大規模金融緩和策に修正が入るとの思惑も出てきています。
そうした中で、昨日G20財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で植田日銀総裁が持続的・安定的な物価2%達成には「まだ距離がある」としたうえで「その認識のもとでは、粘り強く金融緩和を続けてきた」などと発言したことから政策修正観測が後退しました。そのため、円売りが強まり足元のドル/円は140円台を目指す展開となっています。
21日には日本6月消費者物価指数が発表されます。市場予想は前年比+3.2%、コア前年比+3.3%(前回:+3.2%、+3.2%)となっています。先月、植田総裁は「いま、政策転換を急ぐことで、長年にわたる緩和策の継続でようやく見えてきた2%達成の芽を摘んでしまった場合、そのコストは極めて大きい」としていますので注目が集まります。

 
uehara.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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