トレード歴3年ながらテクニカル分析を駆使し、着実に利益を獲得してきた山内氏。FXの取引には「根拠」がなければならないとして、前編では「クロスで1度だけ売買する」という独自のスタイルを私たちに教えてくれた。後編では、さらに詳しい取引手法や日々の生活、最終的な目標を伺った。
以下の取材記事はトレーダー個人の経験やお考えに基づくものです。その内容について当社が保証するものではありません。実際のお取引については充分内容をご理解の上ご自身の判断にてお取り組みください。
(この記事は2020年11月10日に掲載した記事名『不動産賃貸経営 山内氏「FXはストレスを減らし、生活に安心感を与えてくれる」トップトレーダーに聞く!(後編)』を一部修正したものです)
山内氏 プロフィール
年齢性別 :70代男性
職業 :不動産賃貸経営
FX取引歴 :3年
トレードスタイル:デイトレード、スイングトレード
FX年間最高収支 :約5ヶ月間で300万円超
投資商品 :FX
▼目次
1.損切りはしない
2.エンベロープを並べて分析
3.結局、トレンドを見ない取引は勘頼みになる
4.主戦場はヨーロッパとアメリカ
5.FXで生活に安心感
6.FXでストレスが軽減
7.YouTubeは使えない
8.儲けたお金は人のために
損切りはしない
編集部:- 取引の手法として、「損切り」をされることはありますか?
山内:- 実は私は、損切りはできることならしないほうがいいと思っています。FXのガイド本では損切りの重要性を説いているので、始めたころはそれに従い、大きな金額でも損切りしていました。でも、それでいいことはあまりありませんでした。損切りせず、数日“寝かせ”ておけば、高確率で戻ってきていたからです。研究を続ける中で、そういうことが大体わかってきましたから、あんまり慌てなくなりました。
編集部:- 余裕をもった取引を行っていると、慌てずに寝かしておけるし、いつか戻るので安心ということですか?
山内:- そうです。ただ、これは儲けがあってこそ成立する話です。
エンベロープを並べて分析
編集部:- 初心者のころからいろいろとテクニカルを使ってみて、自分に合うものを探されていたということですが、FXを始めたばかりの初心者にアドバイスするとすれば、どうなりますか?
山内:- まず、エンベロープを並べるっていうことですね。エンベロープのデータには、基準となる中心(移動平均)線があって、かい離率1の線があって、2があって、これを0.02(2%)、外側を0.04(4%)に合わせるんです。そうすると中心線で動きますから、相場が今、上昇トレンドなのか、下降トレンドなのかっていうのは、この中心線を見ればわかります。
編集部:- エンベロープ使って、分析するのがおすすめということですかね?
山内:- そうですね。参考にするのは、トレンドを見るためのエンベロープの中心線です。初心者は必ずトレンドを意識しないといけません。上昇トレンドのとき、MACDのゴールデンクロス、これが合えば高確率で上がります。逆に下降トレンドのとき、ゴールデンクロスが発生したとしても、それは少し上がりますが、逆転します。でも、上昇トレンドのときにゴールデンクロスがきたら、間違いなく上がると思います。
結局、トレンドを見ない取引は勘頼みになる
編集部:- 初心者はまずトレンドを見ることが重要ということですか?
山内:- トレンドに合ったことをしないと、結局、勘でやることになります。そうすると、昔の私のように失敗します。MACDだけを見て、ゴールデンクロスだなと思って飛びつくと、トレンドが逆だったら“どーん”と落ちます。トレンドが上がっているときに、ゴールデンクロスがきたら高確率で上がります。
編集部:- そこまで自分なりの理論を確立されているのはすごいと思います。
山内:- やっぱり、儲けるためにやっているわけですから。何億円も利益を出したという人たちに近づくには、どうすればいいかっていうことを、いつも真剣に考えています。そのためには根拠がいるし、根拠がないと長くは続かないと思っています。
主戦場はヨーロッパとアメリカ
編集部:- 普段の取引時間はどのくらいですか?
山内:- 9時~15時の日本市場では、相場を見て、「これはいけるな」というときにしかやりません。ヨーロッパに移ると相場は面白くなりますよね。動きの出る16~18時に市場をよく見ています。21時にはニューヨークが始まり、22時ぐらいまでは動きませんが、その後に0~1時までは、大きく動く場合がありますから、そのときに波に乗ることを狙います。
編集部:- なるほど。
山内:- もうひとつ取引をしていて面白いことがあります。ボックス(レンジ)相場で、トレンドが発生していたら指値注文を出して、そこにトレーダーたちを“呼び込んで”くるのです。先ほどチャートにはローソク足で並べるって言いましたけども、呼び込むときに、指値をいくらにするか決めるのに役立つからです。私は指値を入れて、相場をそこまで引っ張ってきます。
編集部:- もう少し詳しくおしえてください。
山内:- つまり、私がチャートを見ながら、サポートラインか、レジスタンスラインの少し上か、もしくは下に指値注文を出すんです。そうすると“板”にトレーダーたちが引き寄せられるのです。成行注文ではそうはいきません。例えば、「いくらで売る」と誰かが意思表示をしないと、相場は動かないんですね。だから、私は指値注文を入れるんです。相場が“どーん”と動き出したとき、「引っ張ることができた」という実感がわきます。
FXで生活に安心感
編集部:- 普段の就寝時間を教えてください。
山内:- 深夜1時半とか2時とかは回りますね。夜中2時を回ったら、NY市場も安定してきますから。スキャルピングは席を外した途端に、相場が逆に行きますから、絶対に席を外したらダメですよね(笑)。指値がその場で約定しなければ、もうその日の取引はそれで終わりにして手仕舞いです。
編集部:- FXに打ち込むようになる3年前と今で、生活リズムは変わったと思いますか?
山内:- 気持ちの上で、ずいぶんと変わったのかなという気がします。裏付けを取ることで利益が出る、自分は儲けられるんだと思えると、自分に自信がついて、生活に安心感が出ます。
FXでストレスが軽減
編集部:- 不動産投資もされていますが、忙しくはないですか?
山内:- マンションとビルは不動産会社に管理を任せています。ただ、満室を維持するためには、営業方針を考えて、各方面とやりとりをしなければならず、人間関係も増えて、これがけっこうなストレスになるのです。ところが、FXをやりだしてから、賃貸経営をそこまで頑張らなくてもいいと思えるようになり、精神的にすごく楽になりました。
編集部:- 本当ですか?どちらかというと、FXを始めたら、精神的に厳しいときがあるという人が多い様に思うのですが・・・。
山内:- うまくいってないときは、当然苦しいですよ(笑)。そのときは、アプリを立ち上げて画面に相場を映しているけれども、なにも触らないようにしています。その後、グラフを見ながら、失敗の原因を分析できるようになると、またやりたくなってくるんです。やっぱり楽しいのでしょうね。
YouTubeは使えない
編集部:- 常にパソコンの前で研究していらっしゃるのですか?
山内:- FXは利益が出ればいいわけで、それ以外に研究する必要はなく、自分の手法が間違いではないことがわかればいいんです。パソコンの前に座っていますが、研究し続けているわけではありません。ただ、家族からは「命とどっちが大事なの?」と言われるので(笑)、昼寝をして、長生きできるように意識しています。土日は完全にお休みにして休養するようにしています。
編集部:- FXでの成功や失敗を話したり、気持ちが共有できたりするような仲間はいますか?
山内:- そういう人はいないです。本ですべてを学びましたので、わからないことがあっても、人に尋ねることはありませんでした。FXを扱ったYouTubeを見ることもありましたが、私が求める「証拠」がないのですよね。「証拠」がないのに、いろいろ言われても、そういうのは、何の力にもならないですよね。先ほど私がお話したような、「チャートを見て、上昇トレンドのときに、ゴールデンクロスがきたら、ストキャスティクスとRSIの条件があったところで買う。この4つをやれば儲かります」っていうような言い方をしてくれる人がいません。
儲けたお金は人のために
編集部:- FXの最終目標はありますか?
山内:- FXで得た利益は、いずれ、誰かのために使いたいと思います。奨学金のため資金を提供したり、海外で学校を設立する人に寄付したり、もう自分ではできないので、社会に貢献するような人を援助できればうれしいと思っています。
編集部:- 素晴らしい目標ですね。最後にFXの楽しさをお願いします。
山内:- 人生を幸せに送るには、やっぱりお金がないといけません。根拠を見つけた上でFXをやれば、利益が得られるということが理解できれば、誰でも高い確率で利益が上げられるようになるでしょう。FXの利益で生活できるようになれば、ほとんどの幸せは、おそらく手に入るのではないでしょうか。私はそう思っています。
編集部:- 今日はどうもありがとうございました。
(本文ここまで)
PickUp編集部より
FXはストレスを減らし、生活に安心感を与えてくれるものだと語る山内氏。いずれFXで得た利益で、教育が受けられない途上国の子どもたちや将来のある若者たちへの支援をしたいという最終目標を教えてくれました。素敵な最終目標が叶えられる日が来るといいですね。
<前編>
【トップトレーダーに聞く!インタビュー記事まとめ】