「傍観していてはダメ。FXには冒険が必要だ」と説くちえさんは、2台のスマホと2台のパソコンで常に相場を表示させてトレードに挑み、年間最高収支500万円超という結果を残してきた。「私はやり過ぎかも」と自嘲するぐらいに経験豊富なちえさんに、うまくいかないときのメンタルの切り替えや、投資の目標などについて聞いた。
以下の取材記事はトレーダー個人の経験やお考えに基づくものです。その内容について当社が保証するものではありません。実際のお取引については充分内容をご理解の上ご自身の判断にてお取り組みください。
(この記事は2020年10月19日に掲載した記事名『貿易会社経営 ちえさん「FXはゲームみたいに楽しい。負けてもいいからやりたい」トップトレーダーに聞く!(後編)』を一部修正したものです)
ちえさん プロフィール
年齢性別 :50代女性
職業 :貿易会社経営
FX取引歴 :約20年
トレードスタイル:デイトレード・スイング
FX年間最高収支 :500万円超
投資商品 :FX、株、投資信託
趣味 :FX、カラオケ
▼目次
1.資金がないときは取引をしない
2.「負けることが多いもの」と覚悟
3.夫とは意見が真逆。でも反対しない理由は?
4.趣味で楽しいから損しても悩まない
5.分散投資で株や投資信託も
6.年を取っても、負けても、FXはやめない
資金がないときは取引をしない
編集部:- 最初からうまくいく人は、そうそういません。大きな損が出て、途中で心が折れてしまう人もいると思います。そんなときでも、自分自身を見失わないようにするためにはどうしたらいいと思いますか?
ちえさん:- あくまでも私の意見ですが、お金がないときは、FXをやらないということです。
編集部:- ストレートですね(笑)。気持ちの面で余裕がないとうまくいかないということでしょうか?
ちえさん:- 例えば、新型コロナの感染が拡大し始めたころに、全部がダメになったでしょ。そのときに私が思ったのは「今年は下がった通貨を買うチャンス。円高じゃなくても問題ない」ということでした。ポンドもオーストラリアドルも安いでしょ。多めに買えば、利益がたくさん出る可能性も高まります。
編集部:- やっぱり、そういうチャンスのときに、たくさん投資ができる資金力があるとFXはうまくいくということですね。ちえさんは投資の目標金額などは決めていますか?
ちえさん:- そういうこだわりはありません。
編集部:- あくまで相場を見ながら、状況に合わせて、取引量を増やしたり減らしたりするということなのですね?
ちえさん:- はい。
「負けることが多いもの」と覚悟
編集部:- ちえさんは、うまくいかないときに、どのように気持ちを切り替えていますか?
ちえさん:- それはその人の性格によるところが大きいでしょ。FXのような投資をする以上、私は決心しています。「負けることのほうが勝つことよりも多い」と思っています。それでもFXを続けるのは、相場に興味があるからだし、何よりも好きだからなんです。負けてもいいからしたいと思うくらいに(笑)。
編集部:- それはすごい“FX愛”ですね。
ちえさん:- 覚悟があれば、結果が違うかどうかは分かりませんけれど、私はこんな気持ちでやっています。ただ、それが他のトレーダーの方々に当てはまるかどうかは分かりません。「好きだからやる」というよりも「利益を出したいからやる」という気持ちが強い人が多いでしょうから。
編集部:- 自分が持っている資産を2倍、3倍、10倍、100倍にしたいという気持ちが強いと、なかなか平常心が保てなくて、負け越してしまう場面が多くなってしまうのでしょうね。ところで、FXをやりたいという相談を受けたら、その人に勧めますか?
ちえさん:- 私は留学で来日する前に、中国の病院で医師をしていました。その病院で一緒に働いていた看護師さんで日本に住んでいる人に、先日、FXを紹介しましたよ。利益が出たらうれしいですが、もし損をしたら、私に責任がなくても、申し訳ない気持ちになります。まずFXをするには知識が必要です。私たちのような外国人が、FXに限らず日本語で何かを勉強するのは、本当に大変なんです。
編集部:- そうでしょうね。
ちえさん:- 私がFXをやっていることを、多くの友人が知っていますが、私がFXを勧めることはほとんどありませんね。
夫とは意見が真逆。でも反対しない理由は?
編集部:- ご主人はちえさんがFXをしていることをご存知なのでしょうか?
ちえさん:- 私がFXをすることについて、主人はあまり賛成ではないようです(笑)。主人は日本人だからか、お金に対して慎重でして、「額に汗して働かないとお金がもうかることはない」と言います(笑)。しかし、「FXについていっぱい勉強しているし、FXで利益を出すのは簡単じゃない」と私は反論しています。実際、私はたくさん勉強しています。ただ、まあ家庭の主導権は私が握っています(笑)。だから、結局、主人は反対しません。たぶん「仕方がない」と思っています(笑)。
編集部:- ご主人にはFXの収支を状況伝えていますか?
ちえさん:- 言わないです。だから、勝っても負けても、何も言われません(笑)。
編集部:- FXで稼いだお金の使い道は?趣味やお買い物に使っていますか?
ちえさん:- 私、お金を使うのがけっこう好きなんです(笑)。子どもに家を買って、応援してあげたいなと思っています。
趣味で楽しいから損しても悩まない
編集部:- それがFXをされている理由ですか?
ちえさん:- いえいえ、FXは趣味のひとつですね。うちの家庭は、主人と私と子どもがひとりという3人家族です。すごく裕福だとは思いませんが、主人もサラリーマンで、お互いにまあまあの収入がありますから、FXで稼いだお金の使い道は、あんまり考えていません。
編集部:- 恐れ入りました。利益を出すことよりも、相場動向を読んで、売ったり買ったりすることが楽しいということですね。
ちえさん:- 私は投資で数百万円がなくなっても悩まないですね(笑)。毎日、相場を見ながらゲームにチャレンジしている感じかな(笑)。
編集部:- ちえさんが一番楽しい瞬間ってどんなときですか?
ちえさん:- 取引のためにアプリを操作しているときが楽しいですね。なにかイライラすることがあっても、なぜかFXをやると心が落ち着きます(笑)。
編集部:- え~!すごいですね。やはり、お好きなのですね。
ちえさん:- そう、FXが好き(笑)。通信環境が良くなり、いつでも何処でも取引できるからやりやすいです。中国に帰るときに空港で飛行機を待つ間でも取引できますし、寂しくないですよ(笑)。以前は取引ができなかったから、手持ちぶさたで寂しかったの。でも、今はこうしてスマホで、いつでも何処にいてもFXができます。今なら何時間でも飛行機を待っていられます(笑)。
編集部:- スマホでログインすれば、どこにいても世界とつながって、チャートをみながら世界と対話ができる。
ちえさん:- そう。でも土曜日と日曜日は相場が休みでしょ。だから私は相場が動き出す月曜日がすごく楽しみなんです。
分散投資で株や投資信託も
編集部:- 投資はFXだけでしょうか?
ちえさん:- メインはFXです。株はちょっとだけやっています。投資信託もやっています。
編集部:- 株もされているそうですが、FXとの違いはありますか?
ちえさん:- FXは下がっても、上がっても利益が出るでしょ。でも、株は上がらないと利益にならない。新型コロナのようなことがあったら、相場は一方的に下がるだけで、どうしようもない。でも、FXなら、上がっても下がっても利益が得られます。
編集部:- 投資信託との違いは?
ちえさん:- 銀行の担当者と相談して買ったものを持っています。そのままにしています。毎月の分配金があって、うまくいっています。
編集部:- 投資対象を分けて分散投資されているということですね。
ちえさん:- そうですね、収入の一部は、金利の高い中国で銀行預金しています。
年を取っても、負けても、FXはやめない
編集部:- 麻雀やパチンコ、競馬などギャンブルへの興味はいかがですか?
ちえさん:- パチンコや競馬はしませんが、麻雀はオンラインで月に2回くらいやっています(笑)。
編集部:- ビットコインなど仮想通貨は?
ちえさん:- 基本的に自分がわからないものはしません。
編集部:- 取引環境を教えてください。
ちえさん:- 今はほとんどがスマホです。出先でも簡単に相場がチェックできるからすごく便利です。
編集部:- それでは最後に、もう一度FXの魅力を教えてください。
ちえさん:- 競馬やパチンコは勝てる確率は低いでしょ?でも、FXはフィフティー・フィフティーで他の投資よりも確率はすごく高いと感じています。あと、少額から投資ができることです。ただ、証拠金が少ないと収益も少ないですけれどね。そして、やっぱり、いつまでも、どこまででも取引できることでしょうか。だから私は、歳をとっても止めません。ボケない限り、ずっとやります(笑)。
編集部:- 勝っても、負けても、FXはやめないということですね。今日はどうもありがとうございました。
PickUp編集部より
「FXには冒険が必要」と言いながら、「資金の少ないときは投資しない」「投資資金は多めに用意して余裕を持って売買する」など、リスク管理に対する配慮もしっかりとされているちえさん。「ボケない限り、ずっとFXは続ける」という言葉通り、ぜひとも、末長くFXを楽しみながら続けて欲しいと思います。
【前編】
【トップトレーダーに聞く!インタビュー記事まとめ】