関西在住のレインボーさんのインタビューの最終章。専業トレーダーに踏み切った背景や、取引数量など具体的なトレードのお話、最後に投資についての熱い想いを伺いました。
レインボーさん プロフィール
年齢性別 :30代 男性
投資歴 :約10年
年間収支 :年間1億円以上
取引スタイル :短期トレードが軸
投資商品 :FX、株先物 ほか
以下の取材記事はトレーダー個人の経験やお考えに基づくものです。その内容について当社が保証するものではありません。実際のお取引については充分内容をご理解の上ご自身の判断にてお取り組みください。
(この記事は2019年8月14日に掲載した記事名『年間収支が1億円以上のレインボーさん 「大きく損した翌朝は・・・」 トップトレーダーに聞く!』を一部修正したものです)
専業トレーダーに踏み切った背景
- PICKUP編集部:
- 最初専業でやっていくと決めたときの投資の運用資産についてです。どれくらいの金額で、専業で踏み切れたのかお伺いしてもいいですか?
- レインボーさん:
- 5000万円です。5000万円貯まったら専業でやっていくと決めて、貯めました。
- PICKUP編集部:
- 5000万ですか・・・。
その資金は投資ではなく、本業で貯められたもの? - レインボーさん:
- 本業とトレードの両方で貯めました。
当時、10年後に専業になりたいと思ったら、その時後悔すると考えていました。仮に大企業に勤めている方の場合、一度会社を辞めちゃったら戻れないという現実があると思いますが、私の場合はどちらかというと、既にレールからは外れちゃっているような人生だったので、専業トレーダーになっても、「自分は独身だし、またレールを外れるだけだ」みたいな感じだったので。
人生一度きりだし、ベタな事ですが、後悔したくなかったのでしっかり資金を用意し、決断しました。
他の人に「専業」を勧めない理由
- レインボーさん:
- 他の方がわりと気軽に「専業になる」っておっしゃるけど、私は勧めないです。私の場合、専業になる前に実践してきた準備が・・それこそ血の滲むような努力をした経験があるので。
- PICKUP編集部:
- 勧めない、ですか?
- レインボーさん:
- はい。実際知り合いからも「取引の仕方を教えて」「どうやったらいいの」とか、よく聞かれるんですけどね。「専業トレーダーになりたい」って言った時点で、もう一度、深く考えてから決断したら!?、と言います。
理由としては、現実問題として、みんながみんな上手く行かないですよね。
相場の世界は厳しいですし・・・。
「何が何でも成功するぞ」と情熱をもって、神経を注げる覚悟がないとダメだと思っています。
例えば、一日中チャートを見るという、ただそれだけも出来ない人がいる。
相場と対峙し続けるというベースさえも出来ない人は、専業は出来ないだろうなぁ、と。少なくとも、人に取引の仕方を聞いている状態の方では、難しいと思います。
「石橋をたたいて」専業に
- PickUp編集部:
- 専業になられる前は、どういったお仕事をされていたんですか?
- レインボーさん:
- WEB関係の事業をしていました。その時は鳴かず飛ばすで、ご飯はぎりぎり食べれている状態でした。
- PICKUP編集部:
- じゃあ、5000万円の運用資金はかなり苦労されて、頑張って貯められたって事ですね。
- レインボーさん:
- そうです。その時は一切贅沢もしないで、服なんかも買わなかったし。 友達がコンパとか行っているなか、必死すぎて行けなかったんです。
いつかこのお金が無くなるんじゃないかと不安だったので、派手な事は一切やらなかったですね。 - PICKUP編集部:
- そうなんですね。
5000万円というのが、一般的な感覚として、運用資産として貯められるのってたぶん何人もいないと思うんです。
5000万円だってっていうのは何か理由があったんですか?専業で取引する中でやっぱり5000万ないと厳しい? - レインボーさん:
- うーん。年齢のことがありましたね。
20代で実家暮らしだったら、そんなに資金はいらないと思うんですよ。私はそのとき30代入ったので、やっぱり年齢的に考えた場合、簡単に潰しがきかないというか・・・それがあったので。
まわりに聞いても、そんなに貯めなきゃダメなのって言われますね。 そういった意味で、石橋を叩いて渡ったのかもしれません。 - PICKUP編集部:
- ちなみに、専業1年目の成績って、どうだったんでしょう。
- レインボーさん:
- 1年目では5000万円から1億円に増やしました。
- PICKUP編集部:
- おお、それはすごい。
- レインボーさん:
- 相場は波はありますから、結果的に上手く行っただけかもしれませんけども。
最近本を出されて有名なcisさん(@cissan_9984)とか、かの有名なBNFさんとか、あの方達ってリーマンショックでもプラスですよね。
神がかっているというか。相場がどんな場面であれ、特にあの方達は株の下げ相場で勝って、大きな資産を得ていて、すごいんですよね。
自分は並みのトレーダーだと思っています。
取引数量はMAXで30本!
- PICKUP編集部:
- FXの取引数量についてお伺いします。
- レインボーさん:
- MAX持つので30本とか。(※1本=100万通貨)
- PICKUP編集部:
- え!・・・そんなに持たれるんですね。
あと、ナンピンで建てられることはありますか? - レインボーさん:
- いや、ナンピンは使い方次第ですが、大負けする時はナンピンしてますね(汗)。諸刃の剣なので、覚悟が必要だと思っています。
- PICKUP編集部:
- ちなみに、ポジションの積み増しは?
- レインボーさん:
- 積み増しも、あまりしません。ある程度範囲を決めたらそこら辺をバババババッと。
通常は10本から20本が一番多いですよ。いけるかなーと思ったら20本で、コアは10本くらいかなぁ。もちろん5本くらいの時も全然ありますし。
ただ自分は徐々にLot数を3枚、5枚、10枚、と増やしていって、50枚のときにビビッて。慣れてきて、100枚に増やし。また100枚のときビビッて。
そういう感じで徐々に引き上げて行ったからこその今の取引量になっていますね。やっぱり徐々にあげていった方がいいですね。
トレードのときに見ている情報
- PICKUP編集部:
- 画面が8画面くらいあるという事で、モニターで表示しているのは何でしょうか?
- レインボーさん:
- 為替と指数ですね。・・・あと、最近でいうと原油とか。私は夕方以降くらいまでは原油とか表示しています。商品はあまり見ないですけど。株指数くらいですね。あとは足種を変えて、通貨を変えて、チャートをメインに見ます。 IMMは、一応は見ているんですが、ポジションが偏っている時だけ見ています。
どれくらい損したら取り戻せないか分かるには
- PICKUP編集部:
- 聞きづらいんですが、一年間で負けた金額はどれくらいですか?
- レインボーさん:
- 1年という単位での負けは無いです。月間でマイナスになるっていうのは、たまにあります。
それでも年間だったら10勝2敗とか、11勝1敗とか、それくらいの感じです。割と安定していると思います。
あと、瞬間ですが、一番大きかった含み損はポンドで・・・マイナス2800万円くらいかな。英国民投票の時です。 - PICKUP編集部:
- ・・・ヘビーですね。
- レインボーさん:
- そうなんです。あの時は1回レートがあがって、金曜日の朝9時くらいの段階ではプラス800万だったんです。
「いい調子だなぁ」と思っていたら・・・。 - PICKUP編集部:
- 投票結果は「EU離脱無し」で、ほぼ決まりだろうと思っていたら・・・。
- レインボーさん:
- その後1回下がって、やっぱり離脱無しで大丈夫だよねーって1回戻したんで、ポンド買いに行ったら、あれっ、あれっ、みたいな。
そうしている間に数十分で600~700pipsやられて。
血の気が引きました。
ちょっと一瞬レートが戻した時に、マイナス1000万円半ばくらいで損切りをして。
その後ドル/円が100円を下抜けた時にバッーとドル/円をロングして、損を大きく取り返しました。
結局、その日はマイナス200~100万円くらい。 - PICKUP編集部:
- おー、素晴らしい。
- レインボーさん:
- なので瞬間の含み損でいえば、英国民投票のときが一番最大かなぁ。
- レインボーさん:
- あと、どれくらい損したら取り戻せないかって、自分で毎日取引の収支をつけていれば解るんですよ。
やっぱり取り戻せない金額というのがあるんですよ。
大きく損するとメンタルもやられちゃうし。そんなときは本当にPCの電源引っこ抜いたほうがいいのかも(笑)。 - PICKUP編集部:
- なるほど。
- レインボーさん:
- 月間で、マイナス1000万円を超えたことはありません。毎月、何とかうまいことやっています。
ただ、不測の事態がある世界なので。99勝1敗で退場しちゃう世界なので。やっぱり肝に念じておかないといけません。 - PICKUP編集部:
- リスクヘッジもするって事が大事なんですね。
オーバーナイトは、基本含み益があるときに
- PICKUP編集部:
- ポジション持つ期間は、どれくらですか?オーバーナイトとか、一日をまたいで持ち続けることはしないですか?
- レインボーさん:
- します。昔よりはするようになりました。
- PICKUP編集部:
- ポジション持ったまま、寝たりも?
- レインボーさん:
- 冒頭で言ったように (その1)、ポジションがマイナスの時は放置しないので。トレンドが出そうとか、ここまでは取れそうだなぁという時は含み益が乗った状態で逆指値入れて寝たりはします。
- PICKUP編集部:
- よく聞く失敗談としては、含み損を持ちこして、さらにレートが悪化するという・・・。
- レインボーさん:
- マイナスのポジションまま引っ張らないのって、投資の本で学んだんじゃなくて、自分的に耐えられないからです。
評価損の状態では寝れないというか、落ち着かないというか。
ほかにトレードしている金融商品
- PICKUP編集部:
- ちょっと視点を変えて、FX以外に商品はなにかしていますか?
- レインボーさん:
- 株、信用取引、日経225はやっています。CFDとかもたまにやりますね。去年は日経225で結構利益が出ました。
- PICKUP編集部:
- 他の商品とFXとでは、投資の考え方を変えたりはしているんですか?
- レインボーさん:
- どうなんですかね。あまり意識した事はないかなぁ。
先物は、ヒヤッとする場面が結構あります。最近は結構一方通行に動くので。簡単にレバレッジもかかりますし。だから逆指値とか、徹底しているかなぁ。
しかも、為替と違って相場が止まる時間が多いんです。例えば15時15分に一旦引けがあってから、早朝も一回止まりますし、リスクを抱えなきゃいけない時間帯があるんで。 為替だったら週末以外は開いているのでリスクという面ではFXに比べれば、ありますね。
トレード判断の瞬間
- PICKUP編集部:
- FXは5分足をご覧になられているという事ですが、どういう風に頭の中で投資判断をしているのでしょうか。インスピレーションなどですか?
- レインボーさん:
- 私は細かく決めていません。
セーフティネットだけ決めている感じです。そこだけ決めておいて、あとの取引の仕方はその時その時のマーケットの水準などによって変わっていると思います。 - PICKUP編集部:
- チャートをずっと見る、という事につながっていくのでしょうか。決まったシグナルが出たから機械的に判断するのではなくて、ずーっと見ていて、その中でトレードする・・・。
- レインボーさん:
- そうですね。その辺の感覚は、他の方に伝えづらいですよね。答えがないものなので。
その人の得意・不得意、メンタル、リスク許容度も含めて判断するものだと思うので。自分でチャートを見て、自分の中で考えて、その人その人が戦っていくしかない。
テクニカル分析での投資判断について
- PICKUP編集部:
- これまで様々なトレードを試されたと思いますが、ゴールデンクロスなどテクニカル分析でトレードを試したことはありますか?
- レインボーさん:
- はい、ありますよ。今でもシグナルを見たトレードはたまにやります。ただ、テクニカルで大きく資産を築いてきた訳ではないです。
ちょっとした小遣いにはなっているとは思いますが。
と言うのは、シグナルなどにこだわっちゃうと、逆に大きな損失に繋がりそうで。
自分のテンポを崩したくないんですよね。
自分の中でうまくやっていく、その中でもがき苦しんで答えを出していく、前に進む力をあまり壊したくない。その感覚を大切にしているタイプなので。
テクニカル分析でうまく行っている方ももちろんいますが、私はそれをやってきていないだけです。
伸び悩んだ2016年の春~秋
- PICKUP編集部:
- 年間目標金額に達せず、なかなか芳しくない期間が続いたらどうされますか?
- レインボーさん:
- うまく行かないようだと、私は一旦リセットします。実は2016年の春~秋は、伸び悩んでパッとしない時期でして。あのスランプは、初めてだった。ブレグジットもあったし。年間終わってみたら、結果はまぁまぁだったんですが。2016年の春~秋はすごい苦労しました。ひたすらもがいていた記憶があるなぁ。
- PICKUP編集部:
- そういう時って、完全に相場から離れて何もしないっていう方もいると思いますが、そういう時でもちゃんとレートは見る、と。
- レインボーさん:
- 私はレートは見るタイプでした。ただ、OFFの時は一切考えないようにして。
先進国に生まれたメリット
- PICKUP編集部:
- 専業になる前の自分に戻ったとして、もう1回専業の世界に飛び込みますか?
- レインボーさん:
- 今の成功を知っていなかったとしても、絶対に飛び込みますね。
やっぱり投資の世界は人脈、コネ、学歴一切関係ないんで、結果を出したら誰でも億万長者になれるって、これって先進国に生まれたメリットだと思うんです。醍醐味ですよね、マーケットって。
生まれた国によっては、どれだけ才能があってもチャンスがない。そう考えると、日本のようにみんなに平等にチャンスがあるって、そうないと思うんです。
投資は若ければ若いほどいいと思います。小額でスタートするのが大事ですね。
失っちゃダメなお金は、マーケットに入れちゃダメ。失えない、という時点でメンタル負けしちゃうんで損切れないですよね。
増やしたお金の使い方
- レインボーさん:
- 私は通帳だけにお金を入れておくのは一番もったいないと思っています。
かと言って、夜のお店とか行って豪遊するのが一番嫌い。遊びで、たまに息抜きとかで1、2回は行くけど。苦労して稼いでいるんで、あぶく銭ではないんですよね。。むしろそういった事には使えないですよね。
損して悔しくて床に寝転がって泣いた事だってあります。本当に。そういう事も皆さんあると思いますけど。それだけ本気だったって事ですね。
専業としての生き方
- PICKUP編集部:
- インターネットやパソコン、スマホの発展で専業トレーダーという新しい仕事が生まれたとお考えだと伺いましたが。
- レインボーさん:
- アメリカとか、投資先進国ですごいじゃないですか。お金のことを学校で教えたりとか。
もっともっと若い時に投資をやって、自分が先進国に、資本主義の世界で生きていること実感するために、もっとやったらいいと思います。その中で、投資に気質が合う方は増えると思います。
今の日本人は昔のままというか、投資は駄目だ、バブル崩壊で株はダメな、みたいなことがまだまかり通っていると感じます。
ユーチューバーとか凄いですよね。仕事として認知され始めている。時代が少しずつ変わっているんで、受け入れないと仕方ない。
私のまわりのトレーダーで結婚している人はたくさんいます。で、その子供たちが学校で「パパなにしているの?」って聞かれて「トレーダーって」答える、という。
私らが子供の時代からしたら、考えられないじゃないですか。でも、そんな時代になってるんだなって。
我々の世代って、トレードを仕事としている、はじめの世代だと思うんです。最先端のトレーダーお父さん。夢はいっぱいあると思います。パソコンとネットがあればよいので、今のご時世には向いている職業だと思います。
アスリートの心
- レインボーさん:
- トレードをしていてすごく思うのは、プロのアスリートと一緒だなってことです。
アスリートってメンタル勝負じゃないですか。結果出さなきゃいけないし。結果がでない人は才能がないっていうか。私も、当初の投資資金5000万円が1000万円に減ったら、メンタルが持たなくて専業を辞めていたかもしれませんね。 - レインボーさん:
- 先ほどもお話しましたが、投資にはチャンスがある、本当に魅力がある。
12月の頭に銀座に行ったときに、宝くじ売り場にすごい人数が並んでいて。あれを見るとよっぽとこっち(投資)の方が・・・、って(笑)。
この行列に並ぶ情熱があれば、もう少しこっちの世界に、と思いました。 - PICKUP編集部:
- 長時間にわたり、本当にありがとうございました。
- レインボーさん:
- 私の経験が何か皆さんのお力になれたのなら、うれしいです。
編集部から
PickUp編集部の様々な質問に対して、真摯に答えていただいたレインボーさん。「投資家はアスリートと一緒」という言葉に、PickUp編集部も深くうなづきました。日々マーケットと対峙している方だから分かるトレーダの気持ちの動きなどが垣間見える取材となりました。
「レインボーさん」取材記事
その1・・・「あれ?これ、もしかしたら、勝てるんじゃないの?」
その2・・・「大きく損した翌朝は・・・」
【トップトレーダーに聞く!インタビュー記事まとめ】