引き続き、関西在住のレインボーさんに、トレードの情報収集について、またトレードのメンタル面についてインタビューを行いました。
レインボーさん プロフィール
年齢性別 :30代 男性
投資歴 :約10年
年間収支 :年間1億円以上
取引スタイル :短期トレードが軸
投資商品 :FX、株先物 ほか
以下の取材記事はトレーダー個人の経験やお考えに基づくものです。その内容について当社が保証するものではありません。実際のお取引については充分内容をご理解の上ご自身の判断にてお取り組みください。
(この記事は2019年8月14日に掲載した記事名『年間収支が1億円以上のレインボーさん 「大きく損した翌朝は・・・」 トップトレーダーに聞く!』を一部修正したものです)
チャートを毎日見る価値
- Pickup編集部:
- 相場の波を知るためには、どこをどういう情報を見ているんですか?
- レインボーさん:
- 羊飼いさん(@hitsuzikai)もよくツイッターに書いてますけど、やっぱりチャートを毎日見ることしかないと思うんですよ。それが、みんなできないんですよ。
やっぱり相場のことは、相場しか多分教えてくれないと思うんです。でも、皆さんはたぶんずっと見ているって、そこまで出来ないんだと思うんですよ。私は、チャートを見続ければ、自分なりにトレードのヒントになるものを何か1つでも掴めるんじゃないか、と思って見ています。 - Pickup編集部:
- 真剣に毎日見ていれば、何か得られるんじゃないか、ということですか?
- レインボーさん:
- はい。でも、真剣に見れないんですよね、多分。ネットサーフィンやったり、ゲームやったりテレビ見てるほうが楽しいでしょうし、チャートばかり見たところで、自分の人生変わるわけないとか、ネガティブな考えになるだろうし。それでいて、今回みたいな「フラッシュクラッシュ」(2019年1月3日早朝のレート急変)が起こったりすると、余計に「FXの世界は怖いな」と思っちゃうでしょうし・・・。
- Pickup編集部:
- では基本的には、エントリーポイントも含めて、ずっと相場を見ているんですか?
- レインボーさん:
- はい。ずっと見ていますね。
- Pickup編集部:
- チェックするのは、やはりドル/円がメインですか?
- レインボーさん:
- もう全部、ドルストレートと、まあクロス円。最近だと、ドル/スイスとかも見ます。
- Pickup編集部:
- それで、実際に取引をするのは?
- レインボーさん:
- ドル/円、ユーロ/ドルですね。あと2018年は少しポンド絡みもやってましたけど・・・。
- Pickup編集部:
- と言うことは、見ているけど、取引をしない通貨ペアもあるんですね。
- レインボーさん:
- はい、多いですよ。
全部見るのは、ドル/円など取引する通貨ペアの動きを知るために見てます。
繰り返しになりますが、限られた通貨ペアの値動きだけを見ていても、トレードアイディアを得るには足らなくて、何か1つでも、もしヒントを得れたら、リターンが大きい世界なので、やっぱり、見ないよりは見たほうがいいと思ってます。ほとんどの情報が役にはたたないんですけど。
相場を見ていなくて大きな損失だしたとき、きっと後悔すると思うんです。なので、時間があるのであればしっかり見る、と。
やっぱり、トレードが上手い人って、アンテナを広げて、高くしていると思うんですよ。得られるものがない可能性が99%なんですけど、もしかしたら、の1%を見つけに行ってる。
流動性は重視している
- Pickup編集部:
- ほかに、気をつけていることはありますか?
- レインボーさん:
- 例えばフランとかは、もう、あの、何年か前のフランショックを見てから、もう怖くて手がだせないですね。一瞬で2000pips動いたんでしたっけ?
- Pickup編集部:
- ちょうど4年前ですよね・・・。
- レインボーさん:
- そうですよね、ああいうのを見ちゃうと、フランとか、流動性リスクが1番怖いんで、やはり大きなメジャー通貨は安心だと感じます。
ドル/円やユーロ/ドルっていうのは初心者の方にはすごいお勧めの通貨ペアですよね。 - Pickup編集部:
- 先ほど、チャートは5分足を見られているってことでしたけれども、他は何を見ているんですか?
- レインボーさん:
- 5分足と、あとは60分、4時間。この3つがメインです。もちろん日足、週足はチェックはしますけど。
冒頭(その1)の繰り返しになりますが、値動きに惑わされちゃうんで、ティックは見ないです。
できるだけ情報をシンプルにいきたいですね。
スキャルピングしたい方はもちろん、ティックの確認は必要なんでしょうけど。私のトレードスタイルにはあんまり必要はないと思ってます。
ツイッター情報網を活用
- Pickup編集部:
- それでは、いわゆるファンダメンタル的な情報はどうですか?トランプ大統領のツイッターをフォローしているとか。
- レインボーさん:
- もちろん見ます。最近はもう、情報網はツイッターですよね。ツイッターが最速、だから僕も複数アカウントを持ってツイッターを見てますね。
「ご自身でも結構ツイートとかされるんですか」とか、みなさんにいわれるんですけど、私は発信しないです。
前はしてたんですけど。ツイッター自体を使うのは、結構早かったなあ。 - Pickup編集部:
- おお、そうなんですね。
- レインボーさん:
- アベノミクスよりぜんぜん前ですよね、2010年くらいかなあ、11年とか。まだこんなに広まってないころです。
- Pickup編集部:
- ツイッターでお勧めの情報ソースとかありますか?誰々のレポートとか・・・
- レインボーさん:
- いや~・・・。ツイッターでフォローしている人は見ますけどね。え~と、野村雅道さん(@nomurafx)とか、興味がある人はさまざま見てますね。
- Pickup編集部:
- 外為どっとコムでは、ロイターニュースが活用できます。スマホでも確認できますよ。
・『外貨ネクストネオ』リッチアプリ版
『外貨ネクストネオ』スマートフォン版
- レインボーさん:
- はい。赤文字ニュースって、いろいろ自分の好きなジャンルが選べるやつですね。
- Pickup編集部:
- はい、これはヘッドラインのみなんですけど、早いです。
要人発言や、経済指標とかも赤文字で配信されています。 - レインボーさん:
- ツイッターと一緒に、もっと活用してみますね。
私は、どっちかっていうと、周りのトレーダーに比べたらファンダメンタルは多分見てると思います。ニュースをまったく見てない、チャートだけしか見ないトレーダーって結構いますから。スキャルの人って特にそうかもしれないですね。
資産とともにパワーアップさせている取引環境
- Pickup編集部:
- 取引環境について伺います。パソコンのディスプレイが複数枚並べられてるような感じですか?
- レインボーさん:
- はい、今は8画面です。パソコンは3台あります。
複数台持っているのは、リスクヘッジのためにです。インターネット回線も2つ分けていますよ。
ちょうど年末ぐらいに、パソコンが1台、動作が遅くなってしまいました。でも、パソコン2台あれば取引はなんとかなるんで、その1台は修理だして事なきを得た、っていう感じでした。
ちょっと話は変わるんですけど、好きなミュージシャンが「音楽を製作するにあたって、昔に比べてすごく良い環境で音楽を作れるようになったのは、それは儲かったからだよ」って言ってて、専業投資家としての私にも通じるな、とすごく感じたんです。
今までパソコンの不調で痛い目にあったことは無いんですけど、取引で増やしたお金で取引環境を良くしています。
できる範囲のなかで、当初はパソコン1台でやっていたので、増やしたお金で2台にして、画面も少しずつ増やして・・・という感じですかね。
- Pickup編集部:
- なるほど。増やしたお金を、ストレス発散で、何かに取引以外で使う専業の方もいますよね。
- レインボーさん:
- そう、私は散在するのではなく、環境改善に使っています。
まあ、どの世界もそうだけど、「気質」ってのが出ると思うんですよね。向き不向きがあると言うか。どうしても投資や遊びでアクセル踏んじゃう人と、逆に守りすぎちゃう人といると思うんです。本当はそこはバランスよくやれたほうがいいとは思います。
投資と人生のバランス
- Pickup編集部:
- 現在は専業投資家として活躍をされていると思いますが、この先の投資家としてのゴールは、イメージされているのでしょうか?
- レインボーさん:
- どこに目標置いてるの?みたいな話は、結構トレーダー仲間でも話題になるんですけど、それが結構むずかしいんですよね。
みなさん、この世界に一回足を踏み入れちゃうと、なかなかどこにゴールを定めるか決めづらい。
そういえば、前にトレーダー仲間とこんな話をしました。
「すでに死ぬまでに使いきれないお金を得ているのに、結局それでもお金のために働いてんのってそれ、時給0円じゃないか」っていう。
そうすると、ただ利益を出し続けていても、結局なにをやっているのかわからないと思うようになって。だから、と言うのもありますが、最近は海外旅行など行くようにしています。
年末はサムイ島に行きました。休養すると共に、向こうの人、バカンスを楽しむというか、自分の人生を楽しむってことに長けてると思うんで、自分に無いものをちょっとでも得ようと勉強しに行きましたね。そういうのを今は凄く大事にしてます。 - Pickup編集部:
- では、もうちょっと細かい単位で、例えば1日の取引の中でどこにゴールを定めているんでしょうか。100万円利益が出たらおしまい、など。
- レインボーさん:
- 私は金額では決めていないです。時間ですかね。基本的にはニューヨーク市場の入り口まで見ちゃうんです。
- Pickup編集部:
- だいたい何時から何時まで相場は見られるんですか?
- レインボーさん:
- 私はあまり朝早くないんですけど、まあ東京市場が始まるくらい、8時半前後から見てますね。で、夜中の1時FIXくらいまで見てるかな(笑)。
もちろんその間、例えば東京時間の午後13時くらいから、株式市場の後場が始まってちょっと見てから、15時くらいまで、ちょっと横になるなどで、マーケットから離れたりします。
一日ずーっと椅子に座るのは無理なので。
もちろん相場が動いている時は張り付きますけど。 - Pickup編集部:
- では、1カ月の単位で見たときにどうでしょうか。これぐらい利益が出れば、その月はもうトレードせずに遊ぼうとか・・・。
- レインボーさん:
- 私、切り替えがヘタクソで、いくらでもやっちゃうタイプで・・・(笑)。
ダメなんですよ、ほんとに。自分でも気持ちを切り替えられないとダメだと思うんですけどね・・・。
そうそう、「気持ちの切り替え」で思い出しましたが、知り合いにすごいトレーダーがいるんです。例えるなら、なんて言うんだろう、ライオンみたいな方で。
- Pickup編集部:
- え、ライオンですか?
- レインボーさん:
- はい。必要以上に「肉」を取らないんですよ。
それでいて、トレードが凄い上手いんです。上手いんすけど、でも全然欲がないというか。
すでに数億は築いていらっしゃるし、結婚して子供もいらして、ていう感じで。40代で、もうそんなにお金いっぱいいらないよね、っていうタイプの方で。
それよりも、ワークライフバランスじゃないですけど、そこをすごく考えて実行していらっしゃる方なんです。
なので最近はトレーダー仲間の中で、そういう方を目指していかないと、っていう話になったりします。
40代は、経験で勝っていく
- レインボーさん:
- 特に株式と違って為替って、体力勝負みたいな、ガテン系みたいなところがあるので。
私もこれから40代にはいって中で、40代でトレードスタイルは変えていこうと思ってます。相場張り付き型っていうのは、やっぱり若い人がやるものだと思うんですよね。
瞬発力や集中力が、若い人とアラフォーでは、そもそも違うじゃないですか。
それは将棋界の羽生さんでもそうだと思うんですけど、「経験で勝っていく」っていうことをやっていかないと、体力や集中力で勝負したら若い人には勝てないでしょうし。
だからそういうのも含めて、時間軸が少し長いトレードに挑戦したりとか、日々自分の中で進化ができるように努力はしています。
努力やチャレンジができるくらいに、資金的な余力があるっていうのはあるんですけど、新しいことをちょっとずつチャレンジしていこうかなと。
AIの台頭も含めてマーケットも日々進化しているので、自分も進化しないと生き残れないと思うんです。 - Pickup編集部:
- 飽くなき向上心ですね。
では話をもどしますが、年間の利益の目標金額などは決めていますか? - レインボーさん:
- はい。金額設定はしています。
私が思うに、投資の世界はやはり結果がすべてなので、そこはしっかりと。
目標額は、兼業の方と専業の方、年齢、あとは例えば妻子がいるのかいないのかによってバラバラだと思うんですけど、
私は専業なんで、もうこれ一本で、いわゆる、世間一般でいうところの会社勤めをしてないので、大事にしています。やっぱり専業である期間の、履歴書空白リスクは背負っていますので。
ただ、あまり無茶をしない金額で考えていますよ。自分で自分の首を絞めるので。
投資の答えは自分で見つけるしかない
- Pickup編集部:
- ちなみに、トレーダーの同士の情報交換っていうのは積極的にされていますか?
- レインボーさん:
- 交流するはするんですけど、いざ集まると、トレードのことはほとんど話しないんですよね。
- Pickup編集部:
- えっ、そうなんですか。
それってなぜなんでしょう? - レインボーさん:
- うーん、なんでなんでしょうね。
・・・やっぱり、自分と他の人ではトレードに対する考え方が違うからかな。
集まると「この相場で、このトレードって、どうなんすか?」って聞く人もいらっしゃるんですけど、私はどっちかっていうと、人の取引のことをあんまり聞こうとはしないですね。
昔は、他のトレーダーの話をすごい参考にしようと思っていた時期もあるんですが。
でも結局、私の中で得るものってないって気づいたんです。 結局はメンタル勝負、自分との戦いだな、と。
あと、トレーダーの集まりで、年末ぐらいに会うと、「いくら今年儲かってんの」って聞かれるんですね。
まあ、私もそれに答えるんですけど、例えば自分より上の人の話を聞くと、もっと頑張らないとダメやなーとか、こう考えるじゃないですか。その瞬間から無理なトレードが始まるんですよ。 - Pickup編集部:
- おお・・・。
- レインボーさん:
- なので、自分のペースを乱したくなくて・・・。
自分より大きい利益の話を聞いちゃうと、なんかその瞬間から無理なトレードが始まり、自分のペースが崩れ、っていう。
「知らぬが仏」じゃないですけど、聞かない方がよかった、と思うことのほうが多くて。
話を戻すと、失敗ってある程度、学ぶべきもの、修正するものもあると思うんですけど、成功の法則はないと思うんですよね。
ある人の成功を、私が真似したところで、何も得るものない。実際、勝てないでしょうし、損切りポイントだって人それぞれ、投資資金も違うのでリスク許容できる範囲も違うので。
結局答えって、自分で見つけるしかないと思う。 - Pickup編集部:
- 今のがすごくいい言葉だなと感じました。
では、今のお話もふまえて、後輩トレーダーへのメッセージをお願いします。 - レインボーさん:
- 身も蓋もない話かもわかんないんですけど、ほんとに自分でやってみて、自分で見つけてください。
あと、デモトレードなんか絶対勧めないですね。
だって、「トレードの痛み」がわからないじゃないですか。バーチャルなお金でやっても。
あと、トレードでうまくいかない時は、修正すべきことがあるので分かりやすいですが、成功トレードはみんなバラバラに成功してますんで、個々人の成功法則は、みなさん自身が見つけないといけないと思うんですよね。
大きく損をした翌朝は・・・
- Pickup編集部:
- ズバリ、トレードで失敗したときは、どうされるんでしょうか。
- レインボーさん:
- 皆さんも同じだと思うのですが、自分のダメなところを繰り返し見返すっていうことになりますかね、結局。
人間って、そんなに簡単に変われないんだろうなとも思いますけど。
で、大きな失敗のときは、そうですねー、とことんへこみます(笑)。
もう、どんぞこまで。
それで、とことんへこんだ後に、自分がどれくらいまで、資産的にまで戻ったのか見るんですよ。 - Pickup編集部:
- なるほど。
- レインボーさん:
- トレードの収支は、毎日つけているんで。
資産が順調に増えていたのに、20日くらい前まで戻ったなあ、と。
まず壁にかけてあるカレンダーを見て、「ああ20日前か・・・、あの時なにやってたかな」みたいに、へこんだ状態で、反省するですね。
それで、20日前あたりに何かハッピーなことがあったなら「まあ、あのハッピーな時と資産が一緒だよ?」みたいな(笑)。
良いことがあったのを思い出して「だからもうクヨクヨすんなよ」みたいなとこから、ちょっとずつ、自分で気持ちを立て直していくんです。
実は大きく損失を出した時って、次の朝起きた時に実感くるんですよ。
損した当日は、アドレナリンも多分でてるでしょうし、あまり実感もないんすけど、意外と翌日朝起きたときに、やってしまった感がすごい出るんで、そこから改めて、自分に向き合う。
自己嫌悪が始まり、自分と向き合うっていうことが始まって、またカレンダー見つめなおして「ああ、あの日に戻ったのか」と。
結構、過去何回も「カレンダーを眺めること」をやってます。
今の私だから言えるのかも知れないんですけが、結局は収支でみると年間では右肩あがりを続けてるんで、「ああ、これは押し目だ」と感じることができるんですね。
ですから年間の収支をつけるのは凄く大事だと思うんです。
すごくへこんだときに、これまでの収支を見て、「押し目」があってもその後しっかり立てなおっている事実を見て「あの時も立ち直れたんだから、また立ち直れるよ」っていう感覚になります。 - Pickup編集部:
- 貴重なお話を、有難うございます。ちなみに、失敗したとき、何を見直すんでしょうか。
- レインボーさん:
- 収支を日々つけるので、そこにその時のコメントを入れています。そのときの値動きでどういうのでやられて、どう思ったかを書きます。そういうのを見返します。
改めて、メンタルっていうのは凄くトレードに影響でると思うんですよ。
だから、例えば、風邪などで熱が出て体調悪いときにトレードは難しいですよね。メンタルだけじゃなくてフィジカル面からも影響がある。改めて、やはりトレードは自分と戦ってるんだなって実感します。
編集部から
ご自身の体験談から人間味までにじみ出るインタビューとなりました。ロングインタビューはまだ続きます。
「レインボーさん」取材記事
その1・・・「あれ?これ、もしかしたら、勝てるんじゃないの?」
その3・・・「投資家はアスリートと一緒」
【トップトレーダーに聞く!インタビュー記事まとめ】