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第16回 相場の季節性(1)(2004/11/1)

 さて、前回までで、為替市場での主な登場人物とその特徴について説明しました。今回からそうした人達の動きを季節性という観点から見てみたいと思います。
 
 最初に日本人の動きで見ていきましょう。
日本では、ボーナスシーズンというのがあります。一般的には6月と12月ですね。この時期に各金融機関は一斉に金融商品のキャンペーンを打ちます。その結果、この時期は金融商品に資金が集まりやすくなります。最近は外貨預金等、外貨物のキャンペーンもよく行われているので、ドル買い円売りがまとまって出ることがあるので、円安要因と考えていいでしょう。
また、海外旅行も馬鹿に出来ません。日本人はゴールデンウィーク、お盆休み、年末年始に集中して海外旅行に出かけます。海外旅行に行くときは円を外貨に変えますね。現金の時は旅行前、カードを使った場合などは旅行の後に円を売って外貨を買うことになりますが、いずれにしてもハイシーズンの前後に円売りが発生します。
こうした取引は1件だけ見れば市場全体と比べて極めて小額です。しかし、「ちりも積もれば山となる」ではありませんが、全部を合計してみると決して無視できない金額になったりします。
例えば、或る時期に海外旅行に50万人行ったとしましょう。一人が仮に20万円合計で来たとしたら、1000億円の円売りが発生することになります。その時の相場環境によっても違いますが、一般的には1000億円でれば1円程度の円安の影響が出ることがあるといっていいと思います。


 日本の機関投資家や企業はどうでしょうか?
 日本の企業の多くは4月から翌年3月という年度で活動しています。その中間の9月には中間決算を行うのが一般的です。投資活動もこうした年度にあわせて行われることが多いというが特徴です。
 
まず、4月(或いは10月)は期の初めということで新規の投資資金の投資が始まります。そのうちのいくらかは海外投資に向かうので、円売りドル買いが発生します。通常は月の初めにいきなり出るのではなく、2-3週間経ってから本格化することが多いように見受けられます。
 逆に 3月(或いは9月)はその期の利益確定をする為に海外に投資している分を一度清算して国内に戻す動きが出やすくなります。つまりドルを売って円を買う動きが出るので円高要因となるわけです。
 
輸出企業や輸入企業(あわせて実需筋とも呼ばれます)はどうでしょうか?
最近の傾向としては、全体的に堅実な運用をしているので、年間を通じてコンスタントにヘッジの為の為替予約をしています。そういう意味においてあまり季節性は見られませんしかし、ゴールデンウィークや夏休みの前などの長期休暇の前にはややまとまった取引をいれることがあります。その時期に相場が大きく動いてしまうと困るからです。日本企業は輸出企業の方が多いので、ネットではドル売り円買いのほうがどうしても多くなります。(輸出の代金をドルで受け取って円に変える為)そうなると、先程の個人の円売りと時期が重なって相殺されてしまいます。ただ、最近は、ドル売り注文をおいて休暇を迎える企業が多いので、休み前にまとまって出るということも少なくなってきたように感じます。