月曜コラム「週刊 独り言」|FXブログ|外為どっとコム

今週の独り言(毎週月曜更新)の記事

"中間選挙の年はドル安&円高か?"


凡そ15年も書かせて頂いて来た"週刊・独り言"ですが、今週で最終号と成ります。
永らくご愛読を頂き有り難う御座いました。

"日刊・独り言"は引き続き書かせて頂き、今迄の"週刊・独り言"の代わりに外為さんの"マーケット情報"の"最新レポート"のコーナーで"酒匂レポート"に個人的な意見を書かせて頂きます。
どうぞ宜しくお願い致します。

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先週のドル・円相場は米株式市場と債券市場の混乱を受けてリスク・オフの動きと成り結果として円高が進む事と成った。

前週発表になった1月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想の+18万人を上回って+20万人と成り、また平均時給が前年比で+2.9%(市場予想は+2.6%)で米国雇用関連の力強さを見せたが市場の捉え方は少し違ったらしい。

特に前年比+2.9%の賃上げはインフレ懸念を台頭し、長期金利が急上昇して株価を押し下げる事と成った。

確かに素人目に見ても単月とは言え、前年比の賃金上昇率と10年物債券利回りが殆ど同じと言うのは解せない。

将来のインフレを懸念して長期金利が上昇するのは極めて当然か?

そして長期金利が上昇すると株価が下落するのも極めて当然か?

また株価下落と同時に株価指数S&P500を対象としたオプション取引のボラティリティーを元に算出したVIX指数が大暴騰し、大手金融機関の幾つかが多大な損失を被ったと言うニュースが流れ、リスク・オフの流れを加速させた。

週明けの5日(月)はダウ平均株価は過去最大の下げを演じ前日比-1,175.2で引け、金曜日との下げを加えると実に1,800ドルを超える下げと成った。

その後火曜日は567ドル戻し、木曜日は再び1,000ドル以上の下げ、そして金曜日330ドル上げ、今週月曜日410ドル上げと落ち着きの無い動きを見せて高いボラティリティーが続き、ドル・円相場も火曜日安値108.46、木曜日戻し高値109.78、金曜日は再び安値108.04と方向感の無い動きを見せた後、今週に成って安値108.44、高値108.88と落ち着きを取り戻したが、株価や債券利回りの動きと比べて下値は底堅く、又上値も限られている印象を受けた。

ダウ平均株価、日経平均株価共に値を多少戻してきたが、金融市場のこの混乱は今暫く続くのではなかろうか?

ところで今年は米国中間選挙の年である。

支持率低迷に悩むトランプ大統領の保護主義的言動が気になるところであるが面白い統計が有る。

変動相場制に移行した1973年以降11回の中間選挙が行われたがその内、年の終値が始値よりも低い陰線が9回有り、逆に陽線と成ったのは2006年の2014年の2回だけであり2006年は僅か110銭の上昇で、1443銭上げた2014年はアベノミクスの超金融緩和政策が行われている真っ最中であった。

中間選挙が行われる年に米国大統領が敢えてドル安政策を取った、或いは取ると断言するには無理が有ろうがこの統計をNote.=(留意)しておく必要は有ろうか?

    始値  終値

1974 280.82 301.01 -20.19(-7.2%) 陰線

1978 237.59 194.29 -43.30(-18.2%)  陰線

1982 218.76 234.70 -15.94(-7.3%)  陰線

1986 199.15 158.31 -40.84(-20.5%)  陰線

1990 146.25 135.75 -10.50(-7.2%)  陰線

1994 112.49 99.56 -12.93(-11.5%)  陰線

1998 132.43 112.95 -19.48(-14.7%)  陰線

2002 132.03 118.75 -13.28(-10.1%)  陰線

2006 117.88 118.98 +1.10(+0.9%)  陽線

2010 92.97 81.15 -11.82(-12.7%)  陰線

2014 105.23 119.66 +14.43(+13.7%)  陽線

2018 112.61 ? ?

円高は許さないか?

先週初の29日、財務省、金融庁、日銀はわざわざ事前告知をして国際金融資本市場について情報交換する会合を約4カ月ぶりに開いた。

財務省の浅川財務官は"背景に投機的な動きがないか緊張感を持って注視したい。為替相場の変動率が高まったので会合を意識して開いた。"と強調し、脱デフレを目指す日本経済の足かせになりかねない円高の牽制を図ったが株価の下落に伴って前週からのドル安&円高の流れは変わらず、安値108.41を示現した。

先週の大きなイベントであったトランプ大統領の一般教書演説やFOMC.に市場は大きくは反応しなかったが日米の長期金利は上昇を続け、JGB.(我が国の国債)の10年物利回りが0.095%となり、米国債券の利回りは2年物が2.160%、10年物が2.782%、そして30年物が3.016%まで急上昇した。

ご存知の様に米債券利回りとドル・円相場の値動きを見ると、益々その乖離が強まるばかりである。

JGB.金利の上昇に対して金曜日、日銀は利回りを指定して国債を無制限に買い入れる指値オペ(公開市場操作)と定例のオペの増額を同時に実施して10年物利回りは0.085%まで低下した。

このオペで"日銀も金融緩和の出口に向かう。"との思惑で108円台まで進んだドル安&円高のムードは変化し109円台で推移する中、1月の米国雇用統計の発表を待つことと成った。

そして注目の米国雇用統計は失業率は4.1%と前月と変わらなかったものの非農業部門雇用者数は市場予想を上回る+20万人、そして平均時給は+0.3%と前月比変わらずであったが前年比では+2.9%と大きく上昇し、米長期金利はさらに上昇しドル・円相場は110.47の高値を付けた。

先週の株価の動きを見ると、ダウ平均株価は月曜日と火曜日の二日間で前週終値の26,616.71から26,076.89迄539.82ポイント(2%)下げ、1日ずつ遅れて日経平均株価も23,629.34から 23,098.29迄 531.05ポイント(2.2%)下落した。

その後ダウ平均株価は水曜日と木曜日に二日で109.82戻した後金曜日には米国雇用統計の数字が市場予想よりも良かったにも拘らず25,520.96と665.75の大幅な下げを演じ、今日の日経平均株価はニューヨークの下げを反映して一時前日比600円以上下げ、22,700円割れを見せたが更なる下落も有り得よう。

現在の状況は急激な金利上昇と同時に大幅な株価下落であり、ドル・円相場への影響をどう判断するかが難しい。

上でも述べた様に米金利上昇とドル・円相場の相関は崩れており、株価下落によるリスクオフにより注意すべきなのではなかろうか?

我が国金融当局の"110円以下のドル安&円高は許さない。"との意思は尊重するが日銀短観12月調査の大企業・製造業の2017年度の想定為替レートである110.18を下切った今、3月期末決算を控えた輸出製造業者からの実需によるヘッジのドル売りが出た場合は中々抗し切れまい。

昨年の安値である107.31を切れるかが大きな焦点と成ろう。


Give me a break !

アメリカ人は"いい加減しろよ!"と言う時にGive me a break.と言う。

直訳すれば"私に休みを頂戴よ。"であるがほとほと呆れた時によくこれを言う。

先週は正にこれを言いたい衝動に駆られた。

ドル円相場は前週の米長期金利上昇を受けて堅調に推移する中、黒田日銀総裁が現行の金融緩和政策に関して"出口を検討する局面に至っていない。"と発言して市場は110円台は底堅いとの印象を持った。=ドル高発言。

ところが世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、ムニューシン米財務長官が"短期的に見ればドル安は貿易面で米国にとって良いことである。"と発言して一気に110円の大台を突破して安値108.96を示現した。=ドル安発言。

更にロス米商務長官からは、"さらなる関税措置が講じられるだろう。"との発言が有り、トランプ政権の保護主義的な政策への警戒感が高まった。=ドル安発言。

ところが翌日、トランプ大統領は"ムニューシン米財務長官の発言は文脈の問題。最終的には強いドルが望ましい。"と真逆の発言をしてドル円相場は109.69まで急激に値を伸ばした。=ドル高発言。

米国では為替に関しての発言は大統領と財務長官に限られているが、その二人に真逆の発言をされたのでは堪ったものではない。

Give me a break.=(いい加減にしろよ!)と叫びたくもなる。


ムニューシン発言に対してドラギECB.総裁は"ユーロが上昇したのは誰かさんがコメントしたからで、この誰かさんの為替に関する発言は合意されている言い方ではない。"と露骨に批判しユーロ高を牽制した。=ドル高発言。

その後ムニューシン財務長官は"ドル安は米国の貿易赤字削減に貢献する。短期的な為替相場の動きは懸念していない。"と述べて混乱に拍車をかけた。=ドル安発言。

更に留めは同じくダボス会議に出席した黒田日銀総裁が"日本は緩やかな景気拡大を続ける可能性が高い。日本は2%のインフレ目標にようやく近い状況にある。"と述べて週初の"出口を検討する局面に至っていない。"とは全く違ったニュアンスの発言をして海外の投機筋の円買いを誘い、安値108.28までドル円相場は急落した。=ドル安発言。

ムニューシン財務長官とトランプ大統領の真逆の発言の真意は分からないが、個人的には貿易赤字問題に益々神経質になりつつある米国の望みはドル安なのではなかろうか?

先程トランプ大統領が"欧州連合(EU)の対米通商政策は非常に不公平である。"と述べたと伝えられた。

米国の保護主義が台頭する中、経常黒字国通貨(中国の元、日本の円、ドイツのユーロ、そしてメキシコのペソ)が高くなるのは必定か?

今週はトランプ米大統領の一般教書演説、FOMC.、12月の米雇用統計発表などの重要イベントが有るが、トランプ大統領の演説に注目したい。


"新たな円高要因?"

先週のドル・円相場はじり安となり、安値110.19を付けた。

その間米国長期金利と株価は上昇を続け、明らかに以前よく見られた"米国長期金利と株価の上昇。"="リスクオンの動き。"="ドル・円の上昇。"と言う図式が益々崩れ出している。

2年物、10年物そして30年物米国債券の利回りは何れも上昇を続けているがドル・円相場は下げているのだ。


          2年物債券利回り   10年物   30年物   ドル・円相場

12月29日    1.887%      2.405%   2.739%   112.68

1月19日     2.068%      2.661%    2.933%   110.82
              (+0.181%)   (+0.256%) (+0.194%) (-1.86)


実は先週顕著に過去の経験則とは違った動きをしたドル・円相場にもう一つ新たな要因が有ったのではなかろうか?

それは先週大暴落した仮想通貨である。

代表的な仮想通貨の一つであるビットコインは昨年12月に高値約220万円を付けた後今年に入って150~170万円で取引されていたが先週突然100万円割れ近くまで暴落した。

高値からは凡そ半値、今年に成ってからでも凡そ40%近く値を下げたことになる。

今日現在は約130万円近くで取引されているがそのVolatility.=(変動率)たるや凄まじい。

仮装通貨取引のレバレッジ(テコの原理で少額の資金で多額の投資をすることが出来る。投資家に人気のFX.では最大25倍までレバレッジを使う事が出来る。)に関しては知識は無いが何倍かのレバレッジを使っていたら元本が全て吹っ飛んだ計算に成る。

例)150万円で1ビットコインを買った。投下資金は50万円で3倍のレバレッジを使った。

ビットコイン価格が150万円から100万円で暴落した時点で100万円--150万円=マイナス50万円で投下資金がゼロに成った。

レバレッジを使わずにキャッシュで買ったとしてもマイナス50万円÷150万円=マイナス33%で大変な打撃である。

昨年のドル・円相場は高値118.60、安値107.31の値幅11円29銭(約9.5%)に留まり、ある程度の数の個人投資家が投資の対象としてFX.から仮想通貨に移ったと言われている。

これ等の個人投資家は割合リスク管理に長けており、全てを失うまで価格の暴落を見て放っておく事は考えられずマージンコール(評価損が拡大すると追加保証金を払う様に促す通知)が掛かる度に資金を注入した筈で、その原資として保有する資産、例えば株とか保有するFX.のポジションを解消してそれに充てたとしても不思議ではなかろう。

そして個人投資家は明らかにドル・円のポジションは買い持ちであり、ポジション解消に走れば当然ドル売り&円買いとなる。

日経Quick.が週末に発表する個人投資家がFX.大手8業者に保有するポジションは先週17日(火)時点で前週から約13億ドル増加して28億ドルのドルの買い持ちとなっているが、仮想通貨の暴落が起きたのはこの集計後と思われ、今週末発表の数字はドルの買い持ち高が減少しているのではなかろうか?

とは言え、先週の大暴落以来ビットコイン価格は130万円前後で割合静かに推移しており、再び暴落が起きない限り仮想通貨がらみの円高は暫く起きないかも知れない。

今週の波乱要因の一つは先週末期限切れした米連邦予算の行方である。

20日に暫定予算が失効して一部の政府機関の閉鎖が始まり、今朝の東京市場でドル・円相場は金曜日の引け値から窓を開けて始まった。

まあ毎度の事で大事には成らないとは思うがトランプ大統領への不信の増大と共にドルにとってネガティブな要因である事は間違いあるまい。

22日~23日に日銀政策決定会合、25日にはECB.理事会が開催される。

日銀の超長期債購入減額発表以来テーパリング期待(量的金融緩和政策による金融資産の購入額を徐々に減らしていくこと。)にのめっている市場に対して黒田総裁が、同じくテーパリング期待でユーロ高となっている現状に対してドラギ総裁が何らかの発言をするのかが注目される。

両総裁が市場の期待を大きく裏切る様な発言をすれば短期的に円高とユーロ高に歯止めが掛かる可能性も有ろうか?


日銀は本気か、それとも市場の早とちりか?

先週のドル・円相場は日銀の超長期国債購入減額のニュースを受けて113円台から111円割れまでドル安&円高が進んだ。

先週の独り言で今年のドル安&円高の要因として、

‐アメリカが利上げを続け、欧州が量的緩和縮小に動く中、我が国だけ"強力な金融緩和を粘り強く続ける。"ことが出来るのであろうか?

黒田総裁がふと漏らしたリバーサル・レート=(金利を下げ過ぎると、預貸金利ざやの縮小を通じて銀行部門の自己資本制約がタイト化し、金融仲介機能が阻害されるため、かえって金融緩和の効果が反転する可能性があるという考え方。)発言はある意味本音であろう。

市場が此の真意を探り出したらドル安&円高が進むのは必定であろう。

と指摘し、"何れ遅かれ早かれ日銀は政策転換を迫られ、その時はドル安&円高になるだろう。"と述べたが正にそれが"起きた様な"感じがしたが果たして日銀は本気なのだろうか?

それともこの動きは市場、特に為替市場参加者の早とちりなのだろうか?

塾長は債券市場の専門家ではなく9日の日銀のアナウンス後は"やはりな、これは相当な円高に成るかも知れない。"と感じ、もしかしたら110円割れも有り得るかとも思ったが、知人の債券の専門家や日銀ウォッチャーは極めて冷めた見方をしており、"そもそもここ2年間日銀は債券購入額を徐々に減額しており、別に驚くものではない。"とか"黒田総裁の任期満了となる4月8日までに日銀が政策変更を行うことはない。"と断言する。

その後日銀からはアナウンス後の市場の反応についてのコメントは聞かれないが、黒田総裁は今朝の記者会見で"2%のインフレ目標が安定的に持続するまで、長期金利は量的・質的に金融緩和を継続していく。物価安定の目標に向けて、必要な政策を行う。"と断言した。

個人的にはECB.が政策変更の詳細を明らかにするであろう3月から4月までは日銀も明確な政策変更のシグナルは出さないのではなかろうかと思う。

過去10年のドル・円相場の動きを見ると1月は10回の内7回ドル安&円高が進んで陰線で引けている。

今月、今年の始値である112.61を下回って引けると11回の内8回1月はドル安&円高が進む事に成るが、今年の高値113.38から今日付けた安値110.57までの下落が"典型的な1月の下げ。"に留まって110円を割り込むようなドル安&円高にはならないのではなかろうか?

先週ドル・円相場が下げる中、米株価そして米債券利回り共に上昇した。

        1月5日  1月12日

ダウ平均株価  25,295.87 25,803.19

ナスダック総合 7,136.56 7,261.06

2年物債券利回り 1.963% 2.001%    

10年物債券利回り 2.479% 2.549%

30年物債券利回り 2.813% 2.852%

この1週間日経平均株価は殆ど動きは無いが過去のパターンでは米株価や債券利回りが上昇するとリスクオンの動きと成ってドル・円相場も上昇したが、今回はその相関が崩れている。

久し振りに米2年物債券の利回りとドル・円相場の動きを見てみると相関の崩れは明らかである。

先週会って意見交換した現役ディーラーによると最近ヘッジファンドが使用するAI.=(人工知能)のロジック(ある要因が起きた場合にAI.が売買のシグナルを送る。例えば米株価や米金利が上昇した場合にはドル・円を買えと言うシグナルを送る。或いは北朝鮮でミサイル発射の兆候を掴むとドル・円を売れと言うシグナルを送る。)が変化した可能性が有り、今迄の経験則が通用しない事が有ると言う。

此れはややこしい事に成る。

今日の東京株式市場は一時180円高と成り、現在は約70円高で取引されているがドル・円相場はじりじりと値を下げて先程110.57の安値を付けた。

確かに今迄とは違う動きと言える。

注目された本日の日銀による債券買いオペレーションに対する市場の反応は薄く、10年物債券利回りは金曜日よりも多少高い0.074%で取引されている。

昨年からのドル・円相場の日足チャートを見ると如何にも下げそうに見えるが、米2年物債券利回りとドル・円相場のチャートを見ると如何にも上げそうに見える。

悩ましいですなあ。

酒匂・エフエックス・アドバイザリー代表
酒匂 隆雄 (さこう たかお)氏

1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で敏腕ディーラーとして外国為替業務に従事。その後1992年、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行、さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長に就任した。現在はコメンテーターとしても活躍中。

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