酒匂塾長の『独り言』日刊|FXブログ|外為どっとコム

相場観の相違

ドル・円相場が動かない。
そんな中、面白い現象を見付け、月曜日にGI24.に投稿した。
ご披露させて下さい。


“相場観の相違。”
24.3.2014.

先週は、FOMC.後に就任後初の記者会見を行ったイエレンFRB.議長の発言が、早期利上げを示唆するものであると理解した市場がドルを買い、米国債券を売った結果一時はドル・円は高値102.68を示現し、債券の利回りは上昇したが、週末に向けては混沌とするウクライナのクリミア情勢を嫌気してドルの頭が押さえられる結果となった。

ウクライナ情勢に関してはロシアと欧米との間で制裁合戦の様相となっており、S&P.はロシア格付けの“BBB”見通しを、安定的からネガティブに引き下げた。

週末にはロシア軍がウクライナの空軍基地に侵入したと言うニュースが伝わり、ウクライナ情勢は、益々緊迫感が高まっている状況と言っても良かろう。

今週も米金利上昇によるドル高要因と、地政学的リスク増大によるリスク・オフ・オペレーションによる円高要因が拮抗し、やり難い相場が続くと思われる。

1月23日に104.84の高値を付けた後、驚くほど規則的に週ごとに円高(下のローソク足で青)と円安(下のローソク足で赤)を繰り返してきたドル・円相場であるが、今週も同じパターンを繰り返すのであれば今週は青となり、金曜日の終値は今日の始値である102.24よりも下に成ると言う事に成るが、果たしてどうであろうか?

20130326_1_sakoh.gif

このやり難い相場展開の中、我が国個人投資家とシカゴIMM.の投機筋は全く相反する行動に出ているのが興味深い。

逆張り(ドルが下がったら買い、上がったら売る。)を得意とする我が国個人投資家は、先々週の水曜日の102.75から先週の102.35までわずかに円高に成っている間に、ドルの買い持ち額を約82億ドルから約108億ドルまで大きく買い増した。

これは、彼らがドルの反転上昇に自信を持っている事を意味する。

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逆に順張り(ドルが下がればトレンドに従ってドルを売り、ドルが上がればドルを買う。)を得意とするシカゴ・IMM.は円の売り持ち額(ドルの買い持ち)を大きく減らし、ドル換算にすると先々週の約121億ドルの買い持ちから、約75億ドルの買い持ちに大きく減らした。

これは、彼らがドルのさらなる下落を恐れてリスクを減らした事を意味する。

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この全く相反する行動を取るどちらが正しいかは、現時点では分からない。

ドルが上昇すれば個人投資家の行動が正しかった事に成る。

ドルが下落すればシカゴ・IMM.の行動が正しかった事に成る。

何れにせよ、両者のポジションはドルの買い持ち=円の売り持ちである。

以前にも指摘したが、この様に市場のポジションが偏っている(市場が大きくドルの買い持ち=円の売り持ちとなっている。)時に何かが起きれば、ドルが急騰する事は無い。
理由は簡単で、ドルが上がればドルを売って利喰いをしたい人が大勢いるからである。

逆にドルが急落するリスクは存在する。
この理由も簡単で、ドルが下がればドルを売ってポジションを減らすリスク回避に出る人が居るからである。
只、果たしてそれが大勢なのかどうかは分からない。

もしかして個人投資家はさらにドルを買い増すかも知れないし、シカゴ・IMM.も我慢を貫き通すかも知れない。

ドル・円相場は101円が大きな下値抵抗線と思われ、これが切れなければ依然として101~104円のレンジ取引であろうし、これが切れる様であれば更なるドルの下落に注意は必要であろうか?



酒匂・エフエックス・アドバイザリー代表
酒匂 隆雄 (さこう たかお)氏

1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で敏腕ディーラーとして外国為替業務に従事。その後1992年、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行、さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長に就任した。現在はコメンテーターとしても活躍中。

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