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「対立から融和へ、選挙モードに入ったトランプ大統領」

7/1(月)「対立から融和へ、選挙モードに入ったトランプ大統領」

ドル円=106-111、ユーロ円=121-126 、ユーロドル=1.11-1.16

日経インデックス6月28日東京引け6月21日からの変化(2015年=100)円115.9弱し、ドル105.6同、ユーロ108.9強し、ドルインデックス NYBOT96.13強し、原油58.47強し、金1414強し、DOW 26600弱し、日経平均ドルベ-ス東京引け197.53弱し IMM円投機筋6月25日 円-10147(前週比+6418)、ユーロ-56295(前週比-3965)

1.(今週の予定)「短観、豪 政策金利 米 ISM 貿易 雇用」

1(月) 日 日銀短観 消費動向調査 中 財新製造業PMI 独 雇用 OPEC総会 トルコ 製造業PMI 英 製造業PMI ユーロ圏 失業率 米 ISM製造業景況指数 建設支出
2(火)NZ 住宅建設許可 豪  政策金利 英 建設業PMI ユーロ圏 生産者物価
3(水)豪 貿易収支 住宅建設許可 中 財新サービス業PMI トルコ 消費者物価 生産者物価 英 サービス業PMI 米 ADP民間雇用者 新規失業保険 貿易収支 耐久財受注(確報値)製造業受注
   加 貿易収支
4(木)米国独立記念日 豪 小売売上 スイス 消費者物価 ユーロ圏 小売売上 
5(金)日 家計調査 貿易統計 景気動向指数 独 製造業受注 米 雇用統計  加 雇用統計 Ivey購買部協会指数

(来週の予定)

8(月)日 国際収支 機械受注 独 鉱工業生産 国際収支
9(火)豪 NAB企業信頼感 スイス 失業率 加 住宅着工 住宅建設許可(前月比) メキシコ 消費者物価 米 JOLT労働調査
10(水)中 消費者物価 生産者物価 英 鉱工業生産 貿易収支 GDP月次 加 政策金利 FOMC議事録
11(木)トルコ 経常収支 ECB議事要旨 米 消費者物価 新規失業保険 加 新築住宅価格
12(金)中 貿易収支 ユーロ圏 鉱工業生産 米 生産者物価 メキシコ 鉱工業生産

2.総括「大統領選を控え、自ら散らかしたオモチャを片付ける」

*円「通貨4位、株価13位、5月は最強通貨、6月はほぼ最弱の円、トランプ大統領変化でさらに円安か」

5月の円高需給で円は年初来最強通貨となったが、6月は例年通り5月ほどの円高需給とはならず、対ドルで若干の円高となったが、対他通貨では全面円安となった。最強通貨から後退した。円は5月最強、6月はブービーとなった。6月最弱は米ドル。貿易統計では昨年12月から6か月連続輸出が前年比で減少している。米中貿易戦争の悪影響は米中より日本で如実に表れている。日本の中国経由米国向け輸出が減少しているのだろうか。貿易赤字ならいずれに円安へ向かうが上半期はリーズ&ラグズで輸出予約が先行するので円高が下半期より進みやすくなるのは毎年の傾向でもある。
 さてG20ではトランプ大統領が対中国、対ドルコで強硬から柔軟策、対北朝鮮でも朝鮮半島DMZで金委員長と面談した。いずれもリスク選好となる。
今週は日銀短観が発表されるが既に発表されている同内容の調査である法人企業景気予測調査と同じく大企業製造業DIは悪化しそうだ。それでも消費増税は予定通り進みそうだ。 

*米ドル「通貨7位、株価(NYダウ)10位、大統領選を控え、自ら散らかしたオモチャを片付ける」

 前回は「トランプ大統領が政策急旋回(休戦かい?)」というタイトルにしたが、その通り、大阪G20サミットでトランプ大統領は「対立」から「融和」へ転換し始めた。しかし融和したからといって、振り出しに戻るだけなので歴史的に見れば何の効果もないだろう。株価が33%上昇したというがオバマ政権8年では倍以上上昇している。世論調査では民主党の大統領候補上位5人に対してトランプ大統領の支持率は低いとされている。選挙対策としても外交で成果を上げないといけないと思ったのだろう。ただ表面的な成果を上げても元に戻るだけで進展はしていない。散らかしたオモチャを片付ける大統領だ。もちろん経済は民間の活力で回復はしたが、大統領の妨害がなければ本当はもっと成長していたのだろう。G20諸国もトランプ大統領に不要な気遣いをしすぎる犠牲を払っている。
 取りあえずG20で対中国、対トルコ、対北朝鮮の関係は改善した。対ファーウェイもだ。対イランも即、戦争ではなくなった。
前回は「大統領が敵対から平和外交に切り替えれば、リスク選好となり、株高円安が進む。敵対外交継続は円高ドル高だろう」としたが、リスク選好の道を歩みそうだ。経済指標はそれほど悪くはない。悪くなればFRBの責任とするようだ。

*ユーロ「通貨11位 株価(独DAX)7位、金融緩和観測も上昇の要因は」

 ユーロ圏経済も依然勢いがない。勢いがないのが常態化している。金融緩和観測も強いが、米国も同様に緩和観測がある。また6月はドル安円安というリスク選好型でユーロ高が進んだが、G20サミットでトランプ大統領が対中国、対トルコ、対北朝鮮、対イランなどで強硬路線から柔軟路線へ変更したために、さらにリスク選好という面からユーロ高が進む可能性が高い。
 独のIFOの6月業況指数は97.4と、前月の97.9から低下した。低下は3カ月連続。2014年11月以来の低水準となった。6月のユーロ圏CPIは前年比1.2%上昇。これは2018年4月以来の低い上昇率。予想と一致したが、目標である2%弱を引き続き大幅に下回っている。 ドラギ総裁は利下げや追加資産購入の可能性も視野に状況を見守る考えを示している。

*英ポンド「通貨9位、株価11位、EU離脱不透明感続く」

 6月は対円、対ドルで上昇したが小幅でユーロや他の通貨に遅れをとっている。EU離脱についてはトゥスクEU大統領は再交渉には応じない方針を改めて強調し、早くもけん制している。国内からも、長引くEU離脱の不透明感、国内の政局不安、海外経済情勢の厳しさに企業が対応していくのに伴って、労働市場の強さを維持するのは難しくなる一方だと分析されている。昨年1.2%だった雇用の伸びは今年1.0%、来年は0.6%にそれぞれ鈍化すると予想した(アーンスト・アンド・ヤング)。
 漸く、次期英首相の最有力候補と目されるジョンソン氏は、合意なきEU離脱に備え、大幅な減税や印紙税の見直しなどを盛り込んだ緊急予算を準備していると報道された。通常、予算案は10月か11月に発表されるが、計画では9月に前倒しされる見通しという。 またジョンソン氏は「決死の覚悟」で10月31日に離脱すると25日に約束した後、翌26日になると自分が無秩序な形の離脱に導く可能性は「百万に一つ」しかないと述べ、姿勢を軟化させている。ただ通貨や株価には好影響を与えていない。

*人民元「通貨8位、株価4位、トランプ大統領が関税とファーウェイで譲歩

トランプ米大統領は対中関税第4弾の発動を先送りし、ファーウェイの制裁解除に言及した。何度も言及してきたが、あと1年以内に結果を出さなければいけないトランプ大統領が長期戦に持ち込む中国に譲歩したようだ。貿易不均衡が問題になって40年も経つ日米も不均衡は是正されないままだ。同じような貿易構造を持つ米中も同じだろう。中国はボーイングと農産物の大量購入を示唆するも長続きするものではない。無限に航空機が必要でもないし、大豆ばかり食べることもできない。半永久的に不均衡問題での論争は続くだろう。
 人民元も簡単には元高に誘導しないのは、日本の急激な円高での景気悪化を参考にしているようだ。
ただ週末に発表された6月製造業PMIは冴えず50を割ったままであった。

3.「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」

*豪ドル「通貨9位、株価8位、RBAは利下げか」

前回の豪ドルのタイトル通り、今週RBAが利下げする予想が高まっている。ロウRBA総裁は、6月の利下げは経済成長を回復させるには不十分との認識を示した。 総裁は「理事会が経済の余剰生産能力を縮小し、中期目標に沿ったインフレを達成しようとする中、キャッシュレートのさらなる引き下げを見込むことは非現実的ではない。利下げの可能性は依然テーブル上にある」と語った。
 RBAは7月2日の次回会合で政策金利を0.25%引き下げ、過去最低の1.0%にすると予想されている。さらに、年末までに政策金利が0.75%に低下すると予想されている。
1Q・GDP伸び率は10年ぶりの低水準となっている。失業率は5.2%に上昇し、物価と賃金の伸びは中銀の想定を下回っている。 ただ豪ドルは週末にトランプ米大統領が対中関税第4弾の発動を先送りし、ファーウェイの制裁解除に言及したこともありリスク選好の流れで買われるだろう。

*NZドル「通貨11位、株価7位、予想通り政策金利は据え置き」

 政策金利は予想通り据え置かれた。利下げ観測のある豪ドルに対してNZドルは上昇した。NZ中銀は政策金利を過去最低の1.50%に据え置いた。ただ、世界的なリスクが高まる中で、インフレや雇用の目標を達成するためいずれ利下げが必要になる可能性もあるとした。中銀は、低金利と財政支出の拡大が経済成長と雇用を押し上げるとの見方を示した。 インフレ率は中銀の目標レンジの中間値である2%に上昇し、雇用は持続可能な最大限の水準付近にとどまる見通しとした。 世界経済については「見通しは弱まり、貿易活動に関連する下振れリスクが強まった。世界経済の軟化は貿易、金融、信頼感のさまざまな経路を通じてNZに影響している」と指摘した。
 また、住宅価格の下落や企業の慎重なセンチメントが、引き続き国内消費を抑えているとの見解を示した。主要輸出品の乳製品のオ-クション価格は3回連続で下落しているのは不安要因だ。年初来の通貨の下落と利下げで株価は史上最多高値を更新している。また週末にトランプ米大統領が対中関税第4弾の発動を先送りし、ファーウェイの制裁解除に言及したこともありリスク選好の流れでNZドルは週初買われるだろう。
 
*南アランド「通貨3位、株価11位、3週連続陽線、さらに伸びるか、ただ利下げ観測あり」 

 3週連続週足陽線となり年初来の強さでは円を抜いた。電力大手のエスコム社の救済を政府が宣言したことも一つの要因だ。ラマポーザ大統領が、「エスコムはわが国経済にとって非常に重要で、破綻など容認できない。向こう10年間必要としている2300億ランドの財政支援のうちの相当部分を、今後数年で実行するための特別法案を提出する」と発言した。さらにFRBの利下げ観測や米中貿易戦争の悲観的見通しが後退したこともランドを支援した。週末にトランプ米大統領が対中関税第4弾の発動を先送りし、ファーウェイの制裁解除に言及したことも好感されるだろう。
 一方、金融政策であるが、南ア中銀は年初来の成長鈍化を受けてまもなく0.25%幅の利下げに踏み切るとの見方が強まっており、3Q中の利下げを予想するエコノミストが増えてきている。7月の会合で現行6.75%の政策金利を6.5%に引き下げるという味方も出てきている。
 さてG20で来日したラマポーザ大統領は安倍首相や中国から南アへの投資の約束を取り付けている。
 
*トルコリラ「通貨最下位、株価14位、対米関係改善を好感」

 通貨は依然最弱だが先週は上昇し、年初来下落による損失はスワップ金利でほぼ相殺できるところまで戻している。また株価指数は世界最弱を脱した。G20で米・トルコ首脳会談が行われ、ロシアからのミサイル購入問題について議論された。ただトランプ大統領は、エルドアン氏を「私の友人」と呼び、融和的な姿勢を見せた。トルコに制裁を科すかどうかの言及は避けた。一方、エルドアン大統領は「引き渡しの段階に入った契約を否定することはトルコに似合わない。7月上旬にも引き渡される」と述べ、購入見直しには応じない姿勢を示した。その上で「オバマ政権時に米国から(地上配備型迎撃ミサイル)パトリオットを購入しようとしたが、米議会が許可しなかった」と主張。制裁は「あり得ないと思う」と語った。
 リラは米国からの経済制裁が回避されるとの観測で上昇した。リラが上昇すれば、既に下落し始めているCPIもあり現在24%の政策金利の引き下げ観測も出てくるだろう。今週は6月CPIの発表がある。

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4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=「再びボリバン中位に挑戦するか」

日足、再びボリバン中位に挑戦するか。6月27日はボリバン中位から反落したが、28日は下ヒゲで返し、再びボリバン中位に近づく。6月26日-28日の上昇ラインがサポート。6月27日‐28日の下降ラインが上値抵抗だが上抜くか。4月24日‐5月22日の下降ラインも上値抵抗。5日線上向く。
週足、ボリバン下限下抜きから反発。6月3日週-10日週の上昇ラインを下抜く。6月17日週-24日週の下降ラインが上値抵抗だが上抜くか。12月31日週-6月24日週の上昇ラインがサポート。
月足、19年1月-4月の上昇ラインを下抜く。19年5月-6月の下降ラインが上値抵抗だが上抜くか。4月の上ヒゲで5月は下落。5月は下ヒゲ。1月-6月の上昇ラインがサポート。雲下へ下落。
年足、3年連続陰線。今年も陽線スタートであったが5月に陰転。15年‐17年の下降ラインが上値抵抗。16年-18年の上昇ラインを一時下抜く

*ユーロドル=「6月は6か月ぶりの陽線」 

日足、ボリバン上限到達後、上値もみ合い。6月25日-26日の上昇ラインがサポート。6月25日-28日の下降ラインが上値抵抗。5日線横ばい。
週足、1月7日週-6月10日週の下降ラインを上抜きボリバン上限を一時上抜く。5月27日週-6月17日週の上昇ラインがサポート。18年9月7日週-6月24日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、19年3月-5月の下降ラインを上抜き6月は6か月ぶりの長い陽線。5月-6月の上昇ラインがサポート。18年2月-3月の下降ラインが上値抵抗
年足、17年-18年の上昇ラインを下抜く。14年‐18年の下降ラインが上値抵抗。02年‐17年の上昇ラインがサポート

*ユーロ円=「ボリバン下限から上限へ反発」 

日足、ボリバン下限から上限近くへ反発。6月27日-28日の下降ラインが上値抵抗。6月26日-28日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。
週足、6月10日週-17日週の下降ラインを上抜く。6月17日週-24日週の上昇ラインがサポート。4月15日週-6月24日週の下降ラインが上値抵抗
月足、4月の上ヒゲが効いて5月は下落。6月はボリバン下限から反発。19年1月-4月の上昇ラインを下抜く。19年5月-6月の下降ラインが上値抵抗。16年6月-19年6月の上昇ラインがサポート。
年足、16年-17年の上昇ラインを下抜く。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。12年‐16年の上昇ラインも一時下抜く。

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 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大  ドル円=50―超円高-100―円高-150-普通円-200―円安-250-超円安-(短期は自由奔放、長期はこれで) 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

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FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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