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「2000万円不足表明は、国の投資奨励策ではないだろうか」、G20声明前ですが

6/10(月)「2000万円不足表明は、国の投資奨励策ではないだろうか」

総括「2000万円不足表明は、国の投資奨励策ではないだろうか」
その他通貨「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
リスク「トランプ大統領、北朝鮮暴発、地震、中東問題、テロ、米中緊張、日本の領土問題」

ドル円=106-111、ユーロ円=120-125 、ユーロドル=1.11-1.16

日経インデックス6月7日東京引け5月31日からの変化(2015年=100)円116強し、ドル107.1弱し、ユーロ108.9強し、ドルインデックス NYBOT96.56弱し、原油53.99強し、金1346強し、DOW 25983強し、日経平均ドルベ-ス東京引け192.59強し IMM円投機筋5月28日 円-44389(前週比+11188)、ユーロ-87551(前週比+12140)

1.(今週の予定)「中国週間、日米貿易交渉 トルコ政策金利 日 短観モドキ 豪 雇用 米 CPI 小売 鉱工業生産 ミシガン」

10(月)日 GDP(確報値) GDPデフレータ(確報値) 国際収支 企業倒産 景気ウオッチャー調査 中 貿易収支 英 鉱工業生産 貿易収支 GDP月次 加 住宅着工件 住宅建設許可     米 JOLT労働調査
11(火)NZ 製造業売上 豪 NAB企業信頼感 英 雇用 米 生産者物価 メキシコ 鉱工業生産
12(水)日 機械受注 中 消費者物価指 生産者物価 トルコ 政策金利 米 消費者物価
13(木)日 法人企業景気予測調査 第3次産業活動指数 豪 雇用 スイス  政策金利 ユーロ圏 鉱工業生産 南ア 企業信頼感 米 輸入物価 新規失業保険 加 新築住宅価格
14(金)中 小売売上 鉱工業生産 トルコ 経常収支 ユーロ圏 貿易収支 米 小売売上 鉱工業生産 設備稼働率 ミシガン大学消費者信頼感

(来週の予定)

17(月)トルコ 失業率 米 NY連銀製造業景気指数 米 対米証券投資
18(火)豪 住宅価格指数 RBA議事要旨 独 生産者物価 ユーロ圏 貿易収支 ユーロ圏 ZEW景況指数 米 住宅着工 建設許可
19(水)NZ 経常収支 日 貿易統計 ユーロ圏 経常収支 英 生産者物価 消費者物価 小売物価 加 消費者物価 米 FOMC
20(木)NZ GDP 日銀金融政策決定会合  スイス 貿易収支 英 小売売上 英中銀金融政策委員会 政策金利 インフレ報告 米 フィラデルフィア連銀景況指数
    新規失業保険 経常収支 景気先行指数
21(金)日 消費者物価 ユーロ圏  製造業PMI サービス業PMI 加 小売売上 製造業PMI サービス業PMI 中古住宅販売

2.総括「2000万円不足表明は、国の投資奨励策ではないだろうか」

*円「通貨2位、株価13位、輸出は減少続く」

 5月末に今年の最強通貨となった円だが、6月第1週はカナダに抜かれている。新年度の輸出が活発化し、外国債の利払いが増加する5月と、それがやや落ち着く6月では需給が異なるからだろう。テクニカルでもドル円だけに限った話ではないが、ボリバン下限を下抜けば行き過ぎ感が出て小戻しする。
 先週は5月上中旬の貿易統計が発表されたが、またもや輸出が前年比で減少している。米中貿易戦争で悪影響が出ているのは日本ではないか。ただ全体では貿易赤字だが、対米では大幅黒字があるので米国から「為替監視国」とされてしまう。日本の苦しさがある。
 さてG20で秋の消費増税を明らかにしたようだが、4月の家計調査によると、全世帯の消費支出は前年比1.3%増で予想の2.6%を下回った。4月の実質賃金は1.1%のマイナスだった。前年同月を下回るのは4カ月連続。消費増税前の駆け込み的消費が出てこない弱さが感じられる。
 今週は短観と同内容の法人企業景気予測調査やGDP(確報値)、国際収支、景気ウオッチャー調査、機械受注、第3次産業活動指数などの発表がある。 年金2000万円不足報道があった。同時に金融機関から、メール、郵送、電話で投資の勧誘が来た。2000万円不足表明は、国の投資奨励策ではないだろうか。
  
*米ドル「通貨4位、株価(NYダウ)9位、貿易不均衡改善せず、他の指標も悪化」 

 ブラード・セントルイス地区連銀総裁の利下げ発言とパウエルFRB議長の利下げ示唆の後、弱い経済指標(ISM製造業、ADP雇用者、非農業部門就業者数など)が続きドルが下落した。CMEグループのフェドウォッチによると、6月の利下げ確率は16.7%から22.5%に上昇。7月も58.0%から69.1%に上昇した。市場は年内に2-3回の利下げが実施されることを織り込んでいる
。政策金利が12月まで据え置かれる確率はわずか1.3%となっている。
 また貿易に関してトランプ大統領が妥協へ向かったことはリスク選好の流れとなった。メキシコへ追加輸入関税賦課は無期延期となった。中国への制裁関税「第3弾」の本格的な税率引き上げ期日を今月15日とし、当初予定の1日から2週間留保すると正式に明らかにした。
 特にメキシコへの追加関税は前回触れた通り、米国にも悪影響を及ぼし、共和党内部から産業界から不満の声が続出していた。
また4月貿易収支も輸出入が減少するだけで不均衡改善には至っていなかった。ベージュブックでも貿易戦争へ言及する地区連銀が増えてきている。
 6月下旬に開催される見通しの米中首脳会談により注目が集まってくる。
 
*ユーロ「通貨10位 株価(独DAX)6位、ユーロ抜け出す」 

 ユーロドルは週足での下値もみ合いから浮上した。ECBは金利据え置きの期間を、従来の最低年末までから「最低2020年上半期にかけて」に延長した。さらに新型の貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO3)に適用される金利を、最も低い場合でマイナス0.3%とすることも決定した。ドラギ総裁は貿易摩擦や英のEU離脱といったリスク要因が存在するとした上で、利下げや追加資産購入の可能性も視野に状況を見守る考えを示した。 ただECBは19年の経済成長率は1.2%になるとし、3月に示した予想の1.1%から若干上方修正した。インフレ率は1.3%とし、1.2%から引き上げた。さらに市場では、ドラギ総裁の利下げに関する踏み込みが浅かったとの見方が広がり、ユーロが買われた。ただユーロ買いは先週の米国指標(ISM製造業、ADP雇用者数、非農業部門雇用者数など)悪化したことによる所も大きい。
 さてユーロ圏の問題児であるイタリアであるが、ディマイオ副首相は、拡大する同国の債務を巡るEUの制裁手続きを回避するため、政府が欧州委員会との交渉開始を目指すと述べた。
ディマイオ副首相は、こうした交渉は「官僚」でなく政治家が主導すべきだとの見解を示した。また予算修正の必要はないと付け加えた。欧州委のドムブロフスキス副委員長は、イタリアが財政規律違反を巡る制裁手続きの発動を回避するには、今年と来年の財政赤字を大幅に修正する必要があるとの認識を示した。

*英ポンド「通貨5位、株価12位、次期首相はジョンソン氏か」

英国の次期首相の有力候補、ジョンソン前外相はEU離脱について、「合意ある離脱」でも「合意なき離脱」でも10月31日にEUを離脱すると表明、与党保守党の党首選に向けた選挙活動を本格的に開始した。 ジョンソン氏は「減税して有権者の資金を増やす。私たちの社会を、私たちの国を1つにまとめる時だ」とし、教育、インフラ、医療への投資拡大を訴えた。
 さて英国の5年先インフレ期待が 約10年ぶりの水準に上昇した。長期インフレ期待の平均は3.8%と、2月の3.4%から上昇し、2009年初旬以来の高水準となった。 カーニー英中銀総裁は、英国が欧州連合EUを円滑に離脱すれば、英中銀は引き続き利上げを実施する必要があるとの考えを示した。
 ただ先週ポンドが上昇したのは、米指標の弱さによる外部要因も大きい。

*人民元「通貨9位、株価8位、米国若干譲歩、今週は貿易収支」

 米中貿易戦争が揺れ動いても人民元相場は1ドル=6.9あたりで安定している。貿易だけでなく米中はファーウェイ問題、ベネズエラやイラン、台湾問題でも対立。両国とも引かないが、先週は米国が若干譲歩した。米通商代表部(USTR)は、中国への制裁関税「第3弾」の本格的な税率引き上げ期日を今月15日とし、当初予定の1日から2週間留保すると正式に明らかにした。
 トランプ米大統領は、月末に大阪で開催されるG20首脳会議期間中に予定する習近平中国国家主席との会談後に、新たな対中関税を発動するか決定すると述べた。
これに先立ち、トランプ大統領は、対中関税を「少なくとも」さらに3000億ドル分上乗せする可能性があると話していた。
 経済指標では政府版製造PMIは悪化したが、財新版は予想を上回った。今週は貿易収支、消費者物価、小売売上、鉱工業生産などが発表される。5月の輸出は大幅に減少する見通し。米国による追加関税の影響が出るためで、内需の弱さを反映し輸入も減少する見込み。
 IMFは、貿易摩擦を巡る不透明感の高まりを受け、中国の2019年の経済成長見通しを6.2%に下方修正した。IMFは2カ月前、米中が通商合意に至る見通しが当時は高まったことなどにより、成長率予想を6.2%から6.3%に引き上げていた。

3.「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」

*豪ドル「通貨7位、株価5位、利下げ後、下げ止まる。今週は雇用統計」

 RBA利下げ、弱いGDP、小売売上などがあるも、弱い米雇用統計や米中首脳会談開催観測で豪ドル円の週足は8週間ぶりに陽転した。1Q・GDPは前期比0.4%増と、予想の0.5%増を下回った。
4月の小売売上高は前月比0.1%減と今年初めて減少に転じた。5月の豪求人広告件数は、前月比8.4%減少し、4月の0.2%増から減少に転じたほか、2010年1月以来最大の減少幅を記録した。
 RBAは政策金利を0.25%引き下げ1.25%とした。利下げは2016年半ば以来約3年ぶり。 中銀は、物価と経済成長の低迷を受けて利下げを実施する意向を示唆していた。
ただロウ中銀総裁は「中銀自身、特に家計部門の債務水準が高い状況では、すでに歴史的低水準にある金利をさらに引き下げてもそれほど効果的ではないと認めている。政府による協調的な政策対応をあらためて強く呼びかけることで、2020年の利下げの必要性は低下するかもしれない」と話したことは豪ドルを下支えした。今週は雇用統計の発表がある。

*NZドル「通貨8位、株価7位、8週間ぶり週足陽線」

 先週のNZドルは対円では5日連続陽線、また8週間ぶりに週足が陽線となった。外部要因としては米中首脳会談が6月のG20で行われることで貿易戦争の懸念が薄まる観測が出てきたこと、国内ではホークスビー中銀総裁補が、予見可能な将来にわたり政策金利がおおむね現行水準付近にとどまるとの見方が中銀の中心的な見解であると述べたことでNZドルが買われた。
ただ総裁補は「予想外の展開に直面しても中銀の責務を果たすことができるよう、変化する状況に対処する用意を整えておく必要がある」とも述べた。次回の金融政策決定会合は今月26日。
 乳製品大手フォンテラ社の乳製品オークションは2回連続の下げとなった。
 
*南アランド「通貨11位、株価11位、弱いGDPとANC内部対立で下落」 

 悲観的な材料が出てランドは下落したが、株価は上昇した。1Q・GDPは前期比年率で3.2%減と、予想の1.7%減を大幅に下回った。前年比ではゼロ成長。予想は0.7%増。ほぼ10年ぶりの大幅なマイナス成長。主に製造業、次に鉱業が低迷した。5月の民間購買担当者景気指数(PMI)は49.3で、4月の50.3から低下した。新規受注と輸出が低調で、景況拡大・悪化の分かれ目となる50を割り込んだ。 またANC内で中銀の責務拡大を巡る党の方針について意見が分かれていることもランドの売りを誘った。 ムボウェニ財務相は「中銀の責務の変更について、誰も取り上げていない」と表明。ただANC報道官は、物価安定に加え経済成長と雇用も追加することで同党の幹部が合意したと発表していた。
 ラマポーザ大統領は、経済再建と外資誘致を公約に掲げているが、改革の推進には与党ANC内の対立、国営企業の業績悪化、個人消費の低迷など、大きな障害が立ちはだかっている。
2019年の経済成長率は1%前後と予想されている。昨年の実績は0.8%。
 低成長と財政赤字に加えANCの内部対立が高まれば、唯一投資適格級を維持しているムーディーズもジャンク債級へ格下げする可能性も出てくる。

*トルコリラ「通貨最下位、株価最下位、回復の足を引っ張る外交・内政」

 トルコの1Q・GDPは前期比では18年下期のマイナス成長から回復、1.3%増となった。世銀も2019年はマイナス1.9%成長となるものの、内需の拡大と輸出の伸びで2020年には3%、2021年には4%成長との見通しを示した。一時25%に達したインフレも5月は18.71%にまで低下した。財務相は今秋にもインフレは一桁へ低下し金利も低下するとした。ただ今週の政策金利はまだ慎重に据え置きとの見方が多い。経常収支も再び赤字となっているが、赤字幅は2018年前半と比べると小さくなっている。回復の兆しも見え始めているが、リラを下落させたのは、やはり対米関係だ。6月のG20サミットで米・トルコ首脳会談は開催するとの観測で先週は一時19円台にのせたが、ロシアのミサイル購入問題で米国がトルコとNATOの関係に亀裂が走りかねないと警告した上で、米国の最新鋭ステルス戦闘機「F35」関連計画からトルコを除外する方針を表明したことで18円台半ばへと下落した。
 ただリラは下落したが、株価は回復した。全面悲観ではない。またS&Pはリラは根本的に過小評価されており、同国の輸出セクターを引き続き支援していくとの見解を示した。 「輸出は非常に好調で、サービス輸出を含めて今後もこの状況が続くだろう。通貨が根本的に過小評価されているとみられることから、トルコ経済の明るい材料の一つとなっている」と述べた。
 対米関係と内政ではイスタンブール再選挙の強硬が波乱要因だ。 

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4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=「6月に入り膠着 ボリバン下限で小反発」

日足、108円で低迷続く。6月5日-7日、1月3日-5月31日の上昇ラインがサポート。ボリバン内へは戻す。5月30日-31日、5月22日-30日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。
週足、ボリバン下限到達。12月31日週-6月3日週の上昇ラインがサポート。5月27日週-6月3日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、19年1月-4月の上昇ラインを下抜く。19年4月-5月の下降ラインが上値抵抗。4月の上ヒゲで5月は下落。16年6月-19年1月の上昇ラインがサポート。雲下へ下落か。
年足、3年連続陰線。今年も陽線スタートであったが5月に陰転。15年‐17年の下降ラインが上値抵抗。16年-18年の上昇ラインがサポートできるか。

*ユーロドル=「ボリバン下限下抜きより一気に上限上抜け」 

日足、ボリバン下限下抜きからボリバン上限上抜きへ。6月6日-7日の上昇ラインがサポート。ボリバン上限は1.1297。5日線上向き。
週足、5月13日週-27日週、3月18日週-5月13日週、18年9月24日週-19年3月18日週の下降ラインを次々と上抜く。ボリバン上限は1.1437。5月27日週-6月3日週の上昇ラインがサポート。
月足、19年3月-5月の下降ラインを上抜く。17年1月-19年5月の上昇ラインがサポート。5か月連続陰線。今月は陽線スタート。
年足、17年-18年の上昇ラインを下抜く。14年‐18年の下降ラインが上値抵抗。02年‐17年の上昇ラインがサポート

*ユーロ円=「ボリバン下限下抜きから急浮上」 

日足、ボリバン下限下抜きから急浮上。5月21日-6月6日の下降ラインを上抜く。6月6日-7日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。ボリバン上限は123.50。
週足、ボリバン下限下抜いてから反発。5月20日週-27日週の下降ラインを上抜く。3月4日週-4月15日週の下降ラインが上値抵抗。12月31日週-6月3日週の上昇ラインがサポート。 
月足、4月の上ヒゲが効いて5月は下落。今月は陽線スタート。19年1月-4月の上昇ラインを下抜く。ボリバン下限で踏みとどまる。19年4月-5月の下降ラインが上値抵抗。16年6月-19年5月の上昇ラインがサポート。
年足、16年-17年の上昇ラインを下抜く。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。12年‐16年の上昇ラインも下抜くか。

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 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大  ドル円=50―超円高-100―円高-150-普通円-200―円安-250-超円安-(短期は自由奔放、長期はこれで) 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

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