野村雅道のID為替 (レポート)|FXブログ|外為どっとコム

さあGDP、貿易統計、日米仲良く通貨高は不吉

5/20(月)「さあGDP、貿易統計、日米仲良く通貨高は不吉」

総括「さあGDP、貿易統計、日米仲良く通貨高は不吉」
その他通貨「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」
テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」
リスク「トランプ大統領、北朝鮮暴発、地震、中東問題、テロ、米中緊張、日本の領土問題」

ドル円=108-112、ユーロ円=120-125 、ユーロドル=1.09-1.14

日経インデックス5月17日東京引け5月10日からの変化(2015年=100)円114.9強し、ドル107.1強し、ユーロ108.3強し、ドルインデックス NYBOT 98.02強し、原油62.76強し、金1276弱し、DOW 25764弱し、日経平均ドルベ-ス東京引け193.85弱し IMM円投機筋5月14日 円-61580(前週比+30137)、ユーロ-95301(前週比+10804)

1.(今週の予定)

20(月)日 GDP 独 生産者物価 ユーロ圏 経常収支  
21(火)パウエル議長講演 RBA議事要旨 ユーロ圏 消費者信頼感 米 中古住宅販売
22(水)NZ 小売売上 日 貿易統計  機械受注 英 生産者物価 消費者物価 小売物価 南ア 消費者物価 加 小売売上 メキシコ 小売売上 FOMC議事録
23(木)スイス 鉱工業生産  ユーロ圏 製造業PMI サービス業PMI 独 IFO景況指数 南ア 政策金利 メキシコ 消費者物価指数(隔週)
   米 製造業PMI サービス業PMI 新築住宅販売
24(金)NZ 貿易収支 日 消費者物価 英 小売売上 米 耐久財受注 メキシコ GDP 貿易収支 経常収支 メモリアルデー前営業日で米債券市場は短縮取引

(来週の予定)

27(月)日 景気先行指数(改定)
28(火)日 企業向けサービス価格 独 小売売上 スイス GDP 貿易収支 ユーロ圏 業況判断指数 米 ケースシラー住宅価格 CB消費者信頼感
29(水)NZ NBNZ企業信頼感 スイス KOFスイス先行指数 独 雇用統計 加 政策金利
30(木)NZ 住宅建設許可 南ア 生産者物価指数 米 GDP(改定) 個人消費 加 経常収支 米 中古住宅販売保留
31(金)日 雇用統計 東京消費者物価 鉱工業生産 中 製造業PMI 非製造業PMI 独 消費者物価 米 個人所得支出 PCEコア・デフレータ 加 GDP 米 シカゴ購買部協会景気指数
     ミシガン大学消費者信頼感指数(確報)

2.総括「さあGDP、貿易統計、日米仲良く通貨高は不吉」

*円「通貨5位、株価12位、さあGDP、貿易統計、日米仲良く通貨高は不吉」

 3週連続でドル安円高が続いていたが、先週はやや持ち直し110円台で越週した。クロス円では円高が続きリスク回避の円高と日本株安は続いている。米中貿易戦争でのリスク回避でも今年は貿易赤字なので円高の速度も遅いようだ。
 日本にも問題は多い。昨年12月から4か月連続で輸出が前年比で減少している。これが1-3月期のGDPにどう反映するか。マイナス成長なら消費増税延期論も強まる。今のところ閣僚は景気はしっかりしておりリーマン級のショックがない限り増税は行うとしているが事前にGDPの数字を掴んでいるかもしれない。消費動向調査や景気動向指数は悪化している。消費増税前の駆け込みが見られないのは やはり可処分所得が減少したり値上げが響いているのだろうか。
 今週は4月の貿易統計で輸出動向も確かめたい。日米貿易交渉での「為替条項」の話もまだ出てこないが、米国も米中貿易戦争で株価が下落し始めたので先送りしてくるかもしれない。年度前半=上半期は貿易需給では円買いの需要が下半期より多い。週末にはトランプ大統領がやってきてゴルフと相撲を楽しむ。まだ日米経済は余裕か。
  
*米ドル「通貨3位、株価(NYダウ)9位、トランプ政策ではドル高か」

 米中貿易戦争が激化した。その中で先週はナスダックが3.8%、ダウが0.69%下落、米ドルは上昇した。関税引き上げによる米国の輸入の減少はドルを上昇させるが、輸出も減少することとなり、株価を下落させる。4月の鉱工業生産と小売売上の悪化はその兆しかもしれない。株が下落し始めたのを気にしたのか、トランプ大統領は輸入自動車や部品に対する関税の判断を最大6カ月延期すると正式発表した。交渉相手の日本やEUに猶予を与える。 またカナダとメキシコに対する鉄鋼・アルミニウム輸入関税を撤廃した。貿易縮小によるドル高・株安は大統領の本意ではないだろう。 中国製品の輸入減少は米国物価を引き上げて利下げを困難にすることも大統領の本意ではない筈だ。
イランへの経済制裁やファーウェイ排除も世界が一枚岩となっている政策でもない。G20でも行き詰る可能性が出てくる。大統領選挙が近くなるために大統領も大胆な政策をとり続けると思うが、それは一部で支持を得ても必ずしも経済全体を好転させるものではないだろう。
 一部共和党議員からは大統領の弾劾を訴えるものも出ている。 公約のインフラパッケージの財源も不足しているようだ。今週末は来日し宮中晩餐会の他、ゴルフ、相撲を楽しむようだが大統領の前途は多難である。

*ユーロ「通貨9位 株価(独DAX)3位、改善の兆しが継続せず、米はEUとも貿易協議」

 4月29日週から2週連続で景気指標の改善でユーロは対ドルで上昇したが先週は反落した。ユーロ圏や独のZEW景況感調査は悪化した。米中貿易戦争の激化で輸出の不透明感が強まり経済の見通しが悪化したことが背景。 また伊のディマイオ副首相は、今月に実施される欧州議会選挙を受けEU主導部のメンバーは入れ替わるため、財政規律違反に対するEUの制裁措置を懸念する必要はないとの考えを示したことでもユーロは売られた。
 ただ米国が、輸入自動車や部品に対する関税の判断を最大6カ月延期すると発表したことを受けユーロは下げ幅を縮小する場面もあった。
今週はユーロ圏の製造業・サービス業PMI、独のIFO景況感指数が発表される。またパリでは欧州委員会が 米通商代表部(USTRR)ライトハイザー代表と通商関係を巡り会談する。
 独商工会議所は、米国が欧州製の自動車と部品に25%の追加関税を発動した場合、独経済が年60億ユーロの損害を被る可能性があると指摘した。「しかし、影響はドイツの製造業にとどまらず、いずれ米国の消費者にも及ぶだろう」とヴァンスレーベン会長は声明で述べた。

*英ポンド「通貨4位、株価11位、弱いポンド、EU離脱の行方は依然として不透明」

 せっかく10月までEU離脱への決定を延長されたが、党首選などやっていれば、また結論が先送りされてしまうかもしれない。与党がまとまっていない不安が大きい。ジョンソン前外相は、保守党党首に立候補を表明した。 ジョンソン氏はEU離脱を推進してきたが、昨年7月にメイ首相の離脱交渉の進め方に反対し外相を辞任。またEU離脱を巡る政府与党・保守党と最大野党・労働党との協議は、労働党が協議を打ち切り決裂した。ブレグジットは再び先行きが見通せない状況となった。
 労働党のコービン党首は、「政府の脆弱性や不安定性が高まっており、仮に双方で合意できたとしても政府を信頼することはできない。来月初旬に予定されている離脱協定案の採決で反対票を投じる。7月末までに離脱案を一部でも批准できる可能性はゼロだ」と語った。
 ユーガブによる欧州議会選の世論調査によると、メイ首相率いる英与党・保守党の支持率が5位に転落する一方、離脱運動を主導した英国独立党(UKIP)の元党首、ファラージ氏が結成した「ブレグジット党」の支持率が首位となった。 ブレクジット党の支持率は4ポイント上昇の34%、保守党は10%。野党・労働党は16%。
EU離脱の行方は依然として不透明。 今週はCPIなど物価指標の発表がある。

*人民元「通貨7位、株価4位、米中貿易戦争がっぷり四つ、1ドル=7元に近づく」

 貿易戦争真っただ中である。米中貿易総額を比べると中国が米国を上回る時代となっている。まさにがっぷり四つだ。ただ米国が仕掛け中国がじっくり対応しているだけに米国のあせりも感じられるのは大統領と主席の任期の期間の差だろう。中国も引き下がる様子は見せず、「米国との貿易戦争は中国を強固にするだけで、決して中国を屈服させることはない」と主張している。
 中国は一帯一路政策の拡充、第三国を通じた米国への輸出などで対応、国内では人民銀行が、穏健な金融政策を維持し、いかなるシステミックな金融リスクも回避する方針も示した。人民銀は、中小銀行を対象に預金準備率を引き下げると発表した。
 人民元相場を基本的に安定的に保つ姿勢も改めて示した。現在、元安を放置しているが、中銀関係者は1ドル=7元を超える元安は容認しないとしている。
中国の経済成長率は18年は6.6%。世界的に見れば高水準にあるが、中国としては過去28年で最低となった。政府が3月に発表した景気支援策の効果が表れるまで、経済成長は今年は一段と減速すると予想されている。 イラン核問題と経済制裁やベネズエラの2つの政権問題など両大国は対立している。

3.「豪ドル、NZドル、南アランド、トルコリラ」

*豪ドル「通貨8位、株価8位、予想外の与党勝利。米中貿易戦争の影響あり」

 総選挙は事前の予想を覆し下院(定数151)で中道右派の与党・保守連合(自由党、国民党)が激戦の末、野党・労働党に勝利し、政権を維持する見通しとなった。6年ぶりの政権交代の可能性も取りざたされたが、経済や政治の安定を望む国民は与党の続投を選択した。
 保守連合を率いるモリソン首相は、「私は常に奇跡を信じてきた。5年半前に政権交代して以来、我々は国のために働いてきた。今夜の勝利は我々のように日々働いてきた皆さんのためにある」と述べ、勝利を祝った。モリソン首相は選挙戦で「強い経済」を前面に押し出し、新規雇用の創出などを公約した。豪経済は都市部で住宅価格が下落傾向にあるなど懸念はあるものの安定しており、現状維持を望む人が多かった。ただ他国と異なり与野党の政策が似通っていることもあり野党が勝利しても大きな政策変更はなかったと思われる。
 最近の豪ドルの下落は選挙見通しによるものではなく、米中貿易戦争やインフレ低下による利下げ見通しであった。選挙直後の週明けの豪ドル買いも長続きはしないだろう。
また豪のファンダメンタルズや財政はしっかりしている。 

*NZドル「通貨11位、株価5位、NZドル下落も株価は米中貿易戦争の中でも最高値更新」

 米中貿易戦争懸念と低インフレによる利下げでNZドルは下落している。先週は1Q・PPIが予想を下回った。ただ株価は史上最高値を更新している。NZドルの下落はNZのファンダメンタルズの悪化によるものではないからだ。IMFの成長見通しも2019年は2.5%増、2020年は2.9%増と予想されている。
 財政の豊かさから出来ることなのだが、アーダーン首相は、キャピタルゲイン税(CGT)を導入しないことを表明した。また現行の海外投資法の改正を目指す。海外からの投資が国内の経済成長と生産性向上に寄与し、今後もNZに利益をもたらす分野への海外投資は歓迎されるべきだとする。将来、海外からの投資が増加することとなる。今週は小売売上や貿易収支の発表がある。

*南アランド「通貨6位、株価10位、米中貿易戦争に影響あり。新政策は」

 選挙を終えた先週は再び南アランドは下落した。米中貿易戦争による関税引き上げ合戦で中国経済の減速観測や上海株価の下落があり、資源国通貨が下落した。JPモルガンは、南アの国内債券へのエクスポージャーを減らしたことを明らかにした。財政見通しが悪化しているため。 ムーディーズが南アの格付けを近い将来変更しないとのJPモルガンの見通しにリスクがあることも明らかにした。 JPモルガンは1月以降、南アの国内債をオーバーウエートにしていたが、利益を確定し、ミディアムウエートとした。
通貨ランドについては、割高感を理由にアンダーウエートのポジションを構築した。
 通常国会は5月22日から開催される。新ラマポーザ体制は企業家と消費者双方からの信頼の回復を優先する政策が実施されると予想される。財政赤字拡大の要因となっている電力公社エスコムの改革が注目されている。
 先週の経済指標では1Q失業率が27.6%と前期の27.1%から悪化した。3月小売売上も悪化した。今週は4月CPIと据え置きが予想される政策金利の決定がある。CPIはやや上昇気味だが、成長率見通しは低く据え置きとなるだろう。
 
*トルコリラ「通貨最下位、株価最下位、6週連続陰線から回復の兆し」

 先週は日足で5日のうち3日が陽線、週足では6週連続陰線だが、長い下ヒゲが2週続いて下げ止まった。チャートでは回復の兆しが出てきている。さて米国は、トルコから輸入する鉄鋼への追加関税を50%から25%に引き下げると発表した。トルコによる米国人拘束問題を巡って米・トルコ関係が急速に悪化した2018年8月、米国が2倍に引き上げていた。ただ米国はトルコへの一般特恵関税制度(GSP)の適用を終了した。経済発展を遂げたとの理由によるもの。
 最近のリラ下落への防衛では、利上げ、介入、外貨預金への課税、銀行へ顧客の外貨シフト回避を要請などがあった。ただトルコだけではなく通貨安はどの国にとってもメリットがあるので通貨防衛策の持続性があるかどうかも注目したい。
 今年はマイナス
成長予測だが、先週発表された鉱工業生産、小売売上、自動車生産は前回より改善した。2月失業率は14.7%と高いままであった(18年は9%台)。3月経常収支も改善したが小幅の赤字。ただ
経済指標よりも、内政、外交の不安を取り除くことが先決だろう。

・内憂=与党AKPが統一選挙で苦戦したこと、AKPがイスタンブール市長選挙の再選挙を要求し認められたことによる混乱、ダウトオール前首相が現在のAKPの国家統制主義を批判
・外患=ロシアからのミサイル購入で米国との関係悪化、米国のイラン原油購入停止要求でも米国との関係悪化、キプロス島海域開発でEUとの領海権問題が浮上

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

4.テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル」

*ドル円=「週足逆カブセか」

日足、ボリバン下限から反発。5月8日-10日、5月6日‐7日の下降ラインを上抜く。5月15日-16日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。
週足、4週連続陰線の後陽転。逆カブセ。12月31日週-5月13日週の上昇ラインがサポート。4月29日週-5月6日週の下降ラインを上抜くか。4月22日週-29日週の下降ラインが上値抵抗。雲中をかろうじて維持。
月足、19年1月-4月の上昇ラインを下抜く。18年12月-19年4月の下降ラインが上値抵抗。4月は上ヒゲが長い。16年6月-19年1月の上昇ラインがサポート。雲の上。
年足、3年連続陰線だが、今年は陽線スタート。先週は一時陰転したが回復。15年‐17年の下降ラインを上抜くか。16年-18年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル=「先週は全日陰線でボリバン下位へ」 

日足、5月3日-16日の上昇ラインを下抜く。ボリバン下限や4月26日-5月17日の上昇ラインがサポート。5月16日-17日、。5月13日-16日の下降ラインが上値抵抗。雲の下。ボリバン下位。
   5日線下向き
週足、4月22日週-29日週の上昇ラインを下抜く。4月15日週-5月13日週の下降ラインが上値抵抗。4月22日週-5月13日週の上昇ラインがサポート。
月足、19年3月-4月の下降ラインを上抜くも再びその下降ラインに絡む。19年1月-3月の下降ラインが上値抵抗。17年1月-19年4月の上昇ラインがサポート。4か月連続陰線。
年足、17年-18年の上昇ラインを下抜く。14年‐18年の下降ラインが上値抵抗。02年‐17年の上昇ラインがサポート

*ユーロ円=「下値遊びで下げ止まる。下ヒゲも出始める」 

日足、下値遊びで下げ止まる。下ヒゲも出始める。5月15日-17日の上昇ラインがサポート。5月1日-2日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。ボリバン下位。
週足、12月31日週-4月29日週の上昇ラインを下抜く。4月29日週-5月6日週の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限到達。 
月足、4月の上ヒゲが効いて下落スタート。19年1月-4月の上昇ラインを下抜く。ボリバン下限到達。18年10月-19年3月の下降ラインが上値抵抗。
年足、16年-17年の上昇ラインを下抜く。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。12年‐16年の上昇ラインがサポート。

------------------------------------------------
 内需拡大-規制緩和-市場開放-小政府-財政均衡-自己責任-公明正大  ドル円=50―超円高-100―円高-150-普通円-200―円安-250-超円安-(短期は自由奔放、長期はこれで) 「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 専修大学、中京大学講師(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取) 

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

FX湘南投資グループ代表
野村 雅道(のむら・まさみち)氏

1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行、82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。

詳しくはこちら

ブログカレンダー

 

カテゴリー一覧

  • レポート
  • レポート(PDF形式)


業界最狭水準スプレッド

50万口座突破スプレッド縮小キャンペーン

ホットなFX!冬のほこほこキャンペーン

お友達ご紹介キャンペーン

口座開設キャッシュバックキャンペーン